New Face : 望月瑞希さん

Pocket

望月さんは出身が富士市で、お仕事は東京(虎ノ門)で看護師。
職場にAPLaC卒業生の上杉さんがおられたのが機縁で、一括バック受講になりました。

ただし、お越しになるのが僕のスイス旅行と微妙に重なってることが数ヶ月前から判明。直前3ヶ月はフィリピンで英語学校やってから来るというので、「それならば」で、一括パックパックの「初日のレッスン」を3ヶ月以上前の段階で、FBのメッセンジャーの電話を使ってやりました。

そして1日違いでオーストラリアに来られるという「空白の1日」は、同じく卒業生でシドニーで現役ばりばりでレジスタードナースをやってる(永住ビザも)小平さん(HPはここ)に正 式に「外注」に出しました。彼女も医療関係で来られる人をサポートしたいというので(ちなみに国際結婚フォーラムもやってます)。

さて、望月さんですが、やっぱり日本できっちりやってきた人は違うねというか、根が頑張り屋さんなのか(日本人は普通そうだが)、最初は戸惑っていたものの、すぐにコツを体得して、以後はすいすいと。

具体的にいえば、シェア探しの初日。
初日の課題は、「単に行ってくればいいだけ」ってしてます。実際にアポが取れたか、見学できたかは問わない。トライしたかどうかだけ。なぜならアポが取れるかどうかは運であり、運まで責任をもつ必要はない、やろうと思えば確実に自分で出来る「自分の領域」だけをやればいいよ。初日だからビビって当然、そのビビリを克服して、「慣れ」につなげていけば大成功っす。

とはいうものの、昔はいちいち電話かけてて、HPにも書いたけど41連敗(かけてもかけてもアポが取れない)というケースもありました。極端に不運だけど、電話というのは相手が出ない場合もあるし、留守電にしてるのもあるし、出ても今度は英語がぜんぜんわからずガチャ切りだわって、それはそれは鍛えられたのです。だから初アポが取れるまでは僕も一緒にきいていた。

ところが最近は傾向が変わってきて、もうSMSが主流になってます。「SMSにしてくれ、電話はしないでくれ」って書いている広告も多いです。そりゃそうだよね、仕事中に寝言のような電話(英語の発音が悪いから相手には意味不明なイタ電に聞こえたりもするでしょう)ばっかかかってきたらやってらんないでしょうし。

というわけでSMS主流。そうなると、今度はなかなかアポが取れない問題から、アポが取れすぎてしまって困るという事務効率や整理作業の問題に移行します。以前も、慣れてきたらコンスタントにアポが取れるようになるし、1日10件以上なんかザラに取れたから(つながりだしたら、電話の方が早いし融通が聞く)、同じように事務効率の問題に変化していったのですが、今はいきなりその問題から入る。

望月さんも、レスポンス多すぎで、返事返すのが精一杯、てか返しきれず、アポを入れるにしても不慣れだから行き当たりばったりになりがちで、移動時間などロスが多いと。まあ、初日でそんなレベルまで頑張らなくていいんだけど。

ということで翌日は二人で昨日から未整理だったアポを整理し、○日の○時だったらOKとか時系列で並べ直し、またエリアも整理し、どこをどの順番にどう確定させていけばよいか?という、パズルのような、詰将棋のようなことをやりました。このスケジューリング作業は、かなり頭をつかう作業で、日本で営業やってた人はそのあたりはやっぱり上手ですよね。

シェア探しは、総合的に「仕事が出来る」かどうかが問われ、英語力そのものは30%くらいしか関係しないと僕はよく言いますが、「もしA物件の人が3時以降を希望するなら」とか十数個以上ある”if”を想定し、ライブで返ってくる返事をもとに再計算し、また再計算し、最適解に近づけていく。

大変なようで、こんなことは誰でもやってます。ジャパレスのホールでもキッチンハンドでも同じことやってるハズです。何度も行ったり来たりを繰り返したら効率悪いから、手順が同じものをまとめて一気に済ませたらどうか?とか絶えず考えるはずです。「実務における作業ダンドリ」というのは全ての仕事に共通するスキル。だからシェアでも仕事ができるかどうかが問われるわけです。以後、最終局面における決断力とか、焦る気持ちを押さえてじっくり決められる胆力、未来予知(今は良くても1ヶ月後にはどうかとか)、人を見る洞察力、最終実行にあたって漏れのない周到な執行能力、想定外の対応力。

望月さん、変則的にやってたので午後から開始だったこともあり、初日は4軒くらいだったんですけど、翌日でヒントをもらったら、もうその日には9軒、以後コンスタントに見聞を重ね、最終的に決める頃には35軒は見てました。

おー、やっぱ、この人「仕事ができる」わー。未知の環境でこれだけできたら、もう一生大丈夫ですよね。ぽんと太鼓判押しておいてあげますね。抽象的なスキル=地力=資質レベルで高いんだから、あとはなんとでもなる。具体的な力=受験知識やら業務知識は、やればやるだけ高まるから確実に獲得できるんだけど、でも容易な分だけ適用範囲が狭い。ジャンルが変わったらもうダメ。でも抽象的な「地頭」のレベルで高かったら適用範囲が「全部」というくらい広い。それと同じこと。

実力(仕事でもなんでも)というのは、全て具体的な物事・タスクから習い覚えるのですが、これら具体的な行動を通じて、いかに抽象的な能力にまで抽出して高められるかがキモだと思います。その意味で、望月さんの場合は、数年間のナース実務から確実に抽象的な地力を得ておられる。だから大丈夫だと。既に今の時点でどんな仕事でもできるでしょう(管理職など上級マネジメントはまた別だろうけど)、また「どんなことからでも学べる」資質もあることもわかったし。

さて仕事論に偏ってしまいました。これだけ読んでると仕事一筋みたいなキャラになっちゃいそうで、別にそんなことないです。写真でもわかるように笑顔が素敵な方です。物腰もオーラもは柔らかいし。でも、「やる」といったことは絶対やってくれるという信頼感が芯のようにある感じがしますね。仕事論に偏ってしまったのも、そういう特性があるからかも。

シェア先は、いろいろ候補があり、うんうん悩みつつも、最後の最後に見たCoogeeの物件で即決!よくあるパターンなのですが、逆に言えば、そこで即決できるくらい「十分見た」という自信を得てるからですよね。ここで十分な自信を得てないと、「ほんとにこれがベストか」の確信が得られないので、ぐらぐら悩むのでしょう。

そこから更に延長線をひけば、なにか対して自信がないのは、「やることやってないから」でしょう。やれることは全部やったぞ、全力出しきったぞ、これでダメならしゃーないわって腹が括れない、人事を尽くして天命を待つってところまで行けてない。本当はやらなきゃいけないことがあったんだけど、でもやってないという後ろめたい気持ちがあるから、自信がないって感情になるんじゃないですかねー。だから自信がないときに何をすべきか?といえば、「やることやれ」です。

ということでこの先1年のワーホリが楽しみな望月さんでした。

Ashfieldで小籠包を。このあとシェア探しに突撃。

数日後、だいぶ慣れてきてから、Newtownのインドカレー屋さんに。

シェア先のCoogeeのオーナーさんと
フィリピンから来たそうで、Coogeeビーチの海そばの大きな一軒家をシェアに。自分の家は隣に。この立地に二軒ってどんだけ資産持ちなんだ

次の週に来られた松原さんと。松原さんはこの日シドニーに着いたばかり。まだまだ笑顔なんだけど不安げ。でも松原さんも今日、シェア移動したし、ドラマ盛りだくさんの一週間でした。また書きます。

友情出演:職場でAPLaCを紹介してくれた上杉さんのシェア移動の一枚。
2013年6月17日午後21時撮影ってなってます。ほぼ5年前ですね。よく覚えてますよ、Strathfieldの男ばっかのシェア先でしたよねー。

Pocket

コメントを残す