いつもオフや人物紹介ばっかなので(エッセイ系はサロンでやってることもあり)、久しぶりに小ネタ話を書きます。「話」というよりも「噺」「咄」に近い感じの。
日本もそうだけどオーストラリアも物価が高くてイヤになっちゃいますよねー、という奥様系・井戸端系マターなんですけど、いやほんと高いっす。色々上がってますけど、卵がすごいことになってます。あれ、いつの間に?って感じで。
卵パック1500円
オーストラリアで売られている卵はピンキリで一番安いものと高いものとで2倍以上の差があります。動物虐待的な過密詰め込みケージのやつが一番安くて、フリーレンジという放し飼い系で、しかも餌に何を使ってるか(抗生物質などを入れてないとか)でまた違うようです。これについての論評は避けますが、物価上昇が始まる前は、一番安くて3ドル、どうかすると2ドル台でもあったのかな。一番高くて6-8ドルくらいだったような気もします。
ところが、最近ちらと見たら、なんと1パック「14.95ドル」というのあって、おー、そこまでいっちゃったのね、と。
レート百円だとしても、卵1パック1500円ですよー。日本でも卵があがって300円越えとか言ってるようですが、その5倍ですよ。
もっとも、これは一番高いやつで、しかもオーストラリアはパック1ダース(12個)であり、日本標準の10個パックに比べれば多少の修正はしなければならないでしょう。しかし、それにしても、、、です。
ちなみに、今一番安いのは5ドル台であるかなーってくらいです。高値も安値もほぼ2倍弱です。食料自給率200%前後(諸説ある)のオーストラリアでこれですから、自給率あげればそれで良いというものでもなく、また価格ってそもそも何なんだ?ですよね。
それはさておき本題の楽しくオトクな自炊教室ですけど、こちらでは季節逆で夏ということで、ある日、急に冷やし中華(関西ではもっとバリエーションの広い冷麺)が食べたくなりました。どうしてそう思ったのかよく覚えておらず、本当に天から降ってきたみたいな感じで。
でもこっちのジャパレスいって冷やし中華なんか出してるのかなー、あんま記憶ないなー、でもラーメン一杯2000円前後の相場からすれば、冷やし中華が仮にあったとしてもやっぱり2000円くらいするんじゃないかろか。しかし2000円も出して食べるもんじゃないわなー、380円くらいでしょ(昭和中期の感覚)。
でも最初から食べに行く気はなく、自分で作りました。
あ、なんでそう思ったのか思い出した。旬の夏野菜が安くなったからです。すなわちトマトと胡瓜が今やすいのですよ。トマトなんか高いときはキロ8ドルくらいするのに、今はどうかすると3ドル切りますし、胡瓜も平時の半額くらいです。レバニーズ・キューカンバー。およ、安いじゃんって思って、トマトと胡瓜で献立考えて、普通にパスタとかあるんだけど、冷やし中華という手があるなーと思ったのでした。今なら安いぞと。
あとハムですけど、これは案外値上げしてないのですよね。キロ20ドル前半でもある(100グラムにすると200円くらい。
あとは麺とタレです。
タレは簡単で、買い揃えるとしたらゴマ油ですかね。セサミオイル。大量に要るものではないので一番小さいやつ、3-4ドルくらいでOK。
あとは、醤油と酢とゴマ油を混ぜて、お好みで砂糖をちょっと入れればいいです。本当は色々あるんだろうし、これでいいのか僕も自信もないけど、自分が食べる分にはそれで十分でしょ。それに味も知ってるし、見当もついてるんだから、レシピーも全部「テキトー」でいいでしょう。ギターの「思い出しコピー」(頭の中の記憶だけで再現する)みたいな。てか、テキトーにやって上手くいかない、あるいはメチャクチャになるんだったら、ちょっと才能無さ過ぎじゃないのか?って気もします。ネットで調べるのもいいんですけど、みなさんもレシピーまちまちですよね。自分なりにいいと思う味になればいいので、ちょっとづつ作って実験して味見してけばいいんじゃないかと。
アジア麺
問題は麺ですが、スーパーのチルドコーナーを見ても「冷やし中華麺セット」というがあるわけではないので、代用品、、、てか代用でもないんだけど、要するに普通のラーメン系の麺であればいいわけですよね。
アジア系麺類、生麺もあるけど、乾麺だったら山程売ってます。黄色い系はエッグヌードルとかだし、名前はいろいろ。ビーフンも春雨も、あるいは弓削麺とか日本ではあまり馴染みのないものとか。
その昔はアジアン・グロッサリー(食料品店)まで行ってたけど、だんだん普通のスーパー(Coles)でも売るようになってます。値段も最初の頃はアジア系店よりもずっと高かったんだけど、だんだん格差が縮まってきて、あんまり変わらなくなってます。これは便利です。
僕もあれこれ使ってみて、こりゃ便利だと感心したので書こうと思った次第。
まず「インスタントヌードル」という和製英語のような、でも本当にその名前で売られているんだから仕方がない的な麺。下の写真。
下段のやつが4ドル95で、上の段(ちょうど品切れになってる)のが4ドル60。これで乾燥麺が10個入ってます。
要はインスタントラーメンの麺だけってやつです。ラ王みたいなノンフライ系でははなく、昔ながらのもっさいやつですけど、別にそれで十分だし(てか個人的にはこっちの方が好き)。
これを茹でて、パスタのようにザルであげて、蕎麦のように冷水で冷やせば、それでOK。
上の写真は二作目です。一作目はわりと標準的に作ったんだけど、食べたあとの感想で、自分がなにを欲してるのかでカスタマイズしたものです。
暑いので、冷たい野菜のシャキシャキ感が欲しかったということで、トマト多めに、しかも厚めに切ってます。レタスを入れたのもサラダ風がいいなと思って。ハムも最初は細い短冊にしてたんだけど、ハムの味が弱くなるので、もっとラフに鷲掴みにして何枚かべろんと置いた方がダイナミックに楽しめると。
卵は錦糸卵は作るのが面倒なので、麺を茹でてるときにポーチドエッグのように一緒に茹でて、食べる段になったら黄身がトロリと流れ出るのが良いかと。
辛子は(English Mastardで売ってる)けど、別に無くてもいいですね。
簡単ですよー。大体、麺ゆでてる3分間に野菜切り終わりますから、正味4分(ザルにあげたり冷やしたり)で出来ます。予算も、麺が一個あたり50円もしないから、全部で100円もあったらできるんじゃないのかなー。
でもって、麺別なので、もっと食べたかったら麺を二個茹でて2倍大盛りにしてもいいです。
ちなみに冷たいざる蕎麦も作るのですが(Colesで3束4ドルくらいで売ってる)、料理とは既成概念との戦いだあって意識はそんなにないのですけど、冷やし中華みたいにハムを乗っけたざる蕎麦ってどんなんやろ?と思って作ったのがこれ。
蕎麦だけだとなんか物足りない、食った気がしないので、もうちょいなんか欲しいなー、かといって天ぷらとか揚げるのは超面倒くさいしなーで、ハム乗せたらどうなるんだろ?という実験で。これ、意外とイケますよ。
「インスタントラーメン」活用法
50円で麺があるなら、あとはいくらでも応用がききます。
普通のインスタントラーメンだって、量を食べたかったら、追加で一玉入れて替え玉風とか、面倒なので最初から一緒に茹でて二倍盛にするとか。スープが足りなくなるなんてことは、まあないでしょ。
あとはですね、焼きそばに使えますよね。ソース焼きそばでもいいし、普通にストック入れて塩コショウでもいいし。
僕としては、「ご飯がわり」によく使っています。
例えば、野菜の余り物で適当にちゃっちゃと炒めますよね。ちょい多めに作って(あれこれ入れるから結構多めになる)、コーン(ポテト)スターチ(片栗粉代わり)でトロミあんかけにします。するとご飯が欲しくなり、◯◯丼にしたくなるんだけど、ご飯たくのが面倒くさいときがあります。
野菜炒めだけ食べればいいんだろうけど、でもなー、ちょっとサムシングがほしいなってときには、この麺がいいです。あんかけ焼きそばになりますし、別に麺を炒めくて、ザルでお湯を切ってそのまま皿に乗せるだけでもいけます。
要は「ご飯代わりになる」という部分がポイントで、ここを押さえておくと楽ですよ。
かた焼きそば風
同じアジア麺のコーナーにこんなのもあります。
特売3.2ドルのこれは、油であげたもので、日本の中華でいうところの「かた焼きそば」ですね。本当なら、食べる直前に油でジャーっと揚げるんだろうけど、これらは簡単な出来合いのやつです。
感じでいえば、ベビースターラーメンの味がついてないやつです。
これを皿にテキトーに盛って、その上から野菜炒めなどをかけると、それだけでもう一品になります。
以下実例ですけど、先日Ashfieldいったついでにアジア系食材店で豆腐(でかい)と青梗菜(4個2.3ドル)と買ってきたもので作りました。
青梗菜の緑と豆腐の白のコントラスが食べたくなったので作ったものがこれ。
炒めて、トロミつけて、最後に溶き卵を混ぜて~
皿には、例のかた焼きそば。5玉となってるけど、実際に始めるとボロボロになって今が何玉目なのかわからんので、食べたい分だけ、ケロッグみたいに出せばいいです。追加も簡単だし。
上に乗せるとこうなる。
かた焼きそばですけど、炒め物の汁気ですぐにしんなりして食べやすくなります(って、知ってるよね)。
豆腐が余ったので翌日は麻婆豆腐を。
青梗菜も余ってるのでまた入れて(これでもまだ余ったので後日食べた)
これをかた焼きそばに乗せたもの。
これは翌日に余ったので、今度は普通の柔らかい麺(インスタントヌードル)を冷やし中華のように冷やした上に、再度加熱した麻婆豆腐の残りをかけたもの。同じものだと飽きるので、今度は「熱くて冷たい」という変な感じがほしかったのですね。なかなかいけます。
ところで豆腐の切り方ですけど、昔よりも大きく切るようになりましたねー。昔は、ほら、手のひらの上に乗せて包丁でさっさと切るのがカッコいいとかいうのにヤラれてた部分あります。細かくさいの目になってるのが美しいとか、まあ、コドモだったんですよね、すぐ騙される(笑)。
でも、単純に味という観点でいうと、あんまり小さく切りすぎると豆腐の味がよくわからなくなっちゃうんですよね。なんか白い小さな物体が~って感じで。なので大きめになりました。まあ、細かく切るのが面倒くさいというのもありますし、どう切ろうが食べる段になったらぐちゃぐちゃだしねーっていうのもあります。
そういえば日本に帰省してた時期は、日本は豆腐が安いので毎日のように食べてたんですけど(ちょっとだけ冷奴にして一品増やすとか)、だんだん「切る」というのをやめて、ヨーグルトやアイスクリームみたいにスプーンで掬って、ぽちゃっと落とすような食べ方に変わってきました。その方が美味しい気がするのですよ。
冷奴だって、細かく賽の目に切った冷奴は食べたくないでしょう?食べた気がせんもんね。喉越しにツルルンといく、あの感じがいいんだよねーと考えていくと、適正サイズはかなり大きめで(心持ち頬張るくらいの)良いのではないかと、また食べるにあたっても立方体のようなきちんとした形のものよりも、不定形で崩れた形の方が食べやすい気がするのですよ。
とはいえまだ研究途上です。
ま、そんな真剣に取り組んでるわけではなく、料理の間って手は忙しいけど、脳内はヒマだしねー、なんかいろいろ考えてしまうだけのことです。
ということで夏野菜が旬な今頃(マンゴーもだいぶ安くなってきた)、あなたも冷やし中華をはじめませんかって?(笑)