写真整理をしてたら小ネタになりそうな写真がいろいろあったので、書いておきます。いずれ、ブログやらインスタやらに載せると思うけど、まずはサロンで、、とサロンに載せたまま、忙しさに取り紛れて忘れてました。
週一でエッセイ書いてるときは適当にこういった写真を使う場面もあったんだけど、最近そういうのないし。
まずは、このポスター。
貼ってあったのは、Petershamなんだけど、Leichhardtの老舗のカフェ、Bar Italia。僕が来た頃から変わらぬ佇まいでやっていて、なんと創業70周年らしいです。
面白いなーと思ったのは、売り文句で、
NO SKIM
NO SOY
NO DECAF
って部分。
シドニー(オーストラリアの)のエスプレッソコーヒーはスタバが来るよりずっと前からかなりのレベルに洗練されていて、その洗練度はどんどんあがり、最近ではまずいコーヒーに当たるのが珍しいくらい。スタバもまだ多少はあるけど、最初にドドドとやってきたスタバチェーンは1年しないうちに殆どが潰れたし(その経過はリアルタイムに見てたし、書いた)。
だけど「過剰」な感じもしないでもない。
というのは、本場のイタリア料理(イタリア人街にあり、イタリア系の人が好んで行くような)のところのコーヒーは、結構「普通」というか、「地味」というか、そんなスーパーに美味しいわけでもないのですよね。どっちかというと、美味しくない(笑)。
数年前からその差に気づいて、なんでなんかなー、でももともとイタリアのコーヒーってこんなもんじゃないのかな、むしろカフェ文化で末端肥大症みたいに独自の進化を遂げているのかも、と思うようになりました。
つまり、ラテアートとか、ああいうのは本場にはむしろ無いんだろうな、と。
それは日本の寿司を考えてみたら分かるんだけど、アボガド巻とかカルフォルニアロールみたいなのが多いのですね。それがどんどん「進化」して、日本ではそんなに無い「裏巻き(海苔を内側に巻き込んで外側に白いシャリが出る巻き方)」が結構売れていて、その上にオレンジ色のトビコを散らすのが「普通」だったりとか。なんでもかんでもフランス料理の盛り付けや、お好み焼きのように、細かくびやーっとマヨネーズをかけてみたり(ハマチの刺し身にもかける)。だんだん、イタリア料理のカルパッチョと融合するような感じになっていって。
それはそれで独自の進化なんだし、それで食べる人が喜んでいるなら、食としてはそれで正解なのでしょう。
だけど、オーセンティックな(本家本元的な)感覚で言えば、「ちょっと違うんだけど、、、」という割り切れない感じもしますね。安くもない握り寿司を注文したら、頼みもしないのにマヨネーズかけてこられたら、ちょっと腹立ちますしね。
イタリアンコーヒーも同じことじゃないかと。
イタリア料理屋で最後にカプチーノ頼んで、ラテアートで出てきたことないです。ミルクはぽってりと田舎っぽい感じにブ厚くて、そこにチョコレートパウダーをどどどとふりかけてるだけという。
だからこのBar Italiaのポスターを見て、「ははあ、なるほどね」と思ったわけですよ。違うかもしれないけど。
どこのカフェでもデフォルトで用意している、ミルクをスキムミルクにするとか、豆乳(Soy Milk、日本のBon Soyブランドが超人気)にするとか、カフェイン抜きのデカフェとか、ほんと沢山種類がある。
それをこの老舗は、「そんなもんねーよ!」と言い放っているわけですよ。
それがなんか、本場の意地というか、本家の矜持というか、本場の寿司屋が「ウチはマヨネーズなんかかけねーよ」って言ってるような感じね。
なあんてことを、このポスターをみながら十数秒ほど思ったのでした。