昨年9月にワーホリで来られたいちばさん。シドニーでの語学学校を終えて即ラウンドに旅立たれました。以下は初動1ヶ月ちょいの行動記録です。最初はイアンさんという素敵なファーマーのご紹介広報だったんですけど、どうせならラウンド通信の形にした方が皆への参考にもなるし、イアンさんの人となりや農場などのニュアンスも伝わるしってことで、ミニ体験談の形で書いていただきました。
以下、いちばさんの体験談です。
Perth滞在
SCE(シドニーで通っていた語学学校)での学生生活が終わって2日後の夜、Sydney発のフライトでPerthに到着しました。遅れて0時過ぎの到着だったので空港泊して、朝にシティのバッパーへ移動しました。
PerthはSydneyよりかなりこじんまりとしていて、個人的には観光客向けに綺麗に整備された街だなという印象でした。シティ内はフリーのバスも出ていますが1日あれば歩いて回れます。
とりあえずバッパーを1週間取っていたので、シティを少し観光したり、ネットで見つけたファームにレジュメを送ったり、バーとは名ばかりのホステスのようなアンダーグラウンドなバイトを2日だけしてみたりしました。
(田村注:それってどんなの?っていちばさんに聞いてみたところ、カラオケバーなんだけど、「盛り上げ要員」のようにコンパニオンの女の子が待機していて、指名されるとその席にいって盛り上げるという、カラオケなんだかキャバクラなんだかみたいなところだそうです。そんなのあるのね。でも、みんな普通のガンガンドラッグとかやってて、ヤバそうなのでとっとと退職)
↑Perthシティです。
↓Fremantleにも行きました。
Swan Valleyでファーム探し
Perth駅から電車とバスで1時間半ほど北東に行ったSwan Valley周辺にファームが結構あったのでGoogleマップで予めピックアップしていたファームへレジュメを持って行ってみましたが、ほぼ不在。1件だけお話してみましたが断られてしまったので、販売されていた白ぶどうジュースだけ買って帰りました。
シティからそこまで遠くないファームは見たところ全然働いている人がおらず、ただ広い農場があるだけだったので、仕事を手に入れるのは少し難しそうな印象でした。
英語ベースで検索してもネット上にあるWA州求人は殆ど車を持っている前提でしたので、他の州への移動も視野に入れ、程なくしてSA州で1件ベジタブルファームでの仕事を日本人経由で見つけました。
Bridgetown滞在
Perthに住んでいる日本人向けのコミュニティサイトに色々な募集ができる掲示板があるのですが、そこでイアンさんの募集記事を見つけました。
内容は「奥さんと息子さんが2週間タイと日本に旅行へ行くので、その間子牛の世話や農場の掃除等を手伝う代わりに、アコモと食事の提供とSouth Westにある観光地への案内が可能」という内容でした。
ちょうどレンタカーを借りて南部に点在している鍾乳洞へ行ってみようと思っていたので、連絡してみたところ奥さんと息子さんをPerth空港へ送るついでに迎えに来てくれることになりました。
↓イアンさんの農場です。
彼は今年77歳で、20代の時にイングランドからオーストラリアへ移住されてきた方です。
タイ人の奥さん、高校生の息子さん、子牛25頭とジャーマンシェパード2匹と暮らしています。
何度かホームステイのホストをされたことがあり日本人の生活態度、例えば後片付けや掃除をきちんとすることや、一つ一つ指示しなくてもやるべきことを見つけて行動するなど、仕事ぶりをかなり評価してくれていて、また誰か来てもらいたいと思い、知り合いの日本人のかたに今回の募集記事を投稿してもらったようでした。
仕事は主に朝8時半頃と夕方6時半頃、子牛のミルクを作ってこれに乗って移動し餌やりをします。
他の時間はイアンさんの気分によって、Bunburyまで買い物に出掛けたり、掃除や農業機械の洗車や倉庫の片付け、庭の手入れなど色々な雑用をしたり、お友達が遊び来たらお茶したり、晩御飯を一緒に作ったり、4時くらいからBeer o’clockが始まって庭でビールを飲みながら昔話を聞いたりゆるい生活をしています。
South Westラウンド
炎天下で仕事をするには暑すぎる日や雨が降っている日などは子牛の餌やりのみをして、車で色々なところに連れて行ってもらいました。
下の写真は、Dardanup Heritage Parkという農業機械等が展示されているミュージアムのものです。
Jewel CaveとAugustaの端にあるWater Wheel。
↓イアンさんご友人の敷地にて。
他にも色々素敵な場所に連れて行ってもらいました。
車購入
2月上旬からSA州のベジタブルファームで仕事を開始する予定でフライトチケットも取っていたのですが、イアンさんの力説もあり車を買ってWA州で仕事を探すことにしました。
イアンさんに言われてもっともだなと思ったのは、
・日本人経由で見つけた仕事は日本人が多いから英語力が伸びない可能性が高い
・英語力が伸びないままでは最低時給ギリギリかそれ以下の仕事しか得られない可能性が高い
・車は探せば3000ドル以下で手に入れられるし売れば少しは返ってくるのだから、初期投資をするだけで良い仕事が見つけられる可能性が上がるであればやってみるべきでは
という内容でした。
また、わたし自身元々車がないと生活できないような田舎の地域出身というのもあり、South Westの自然に囲まれた雰囲気が気に入ってもう少し自分で回ってみたいと思ったのもあります。
一旦決まっていた仕事探しが振り出しに戻るので不安ではありましが、イアンさんおすすめの車売買サイトに2000ドルで買い手募集の記事がちょうど出ていて、その広告主にイアンさんが連絡を取ってくれて1900ドルで交渉してくれたので購入することにしました。
Perthより北に40分くらい行った地域の個人のかたに譲って頂いたので、帰り道は270kmくらいのドライブになりました。イアンさんは空港へ奥さんと息子さんを迎えに行かないといけなかったので、一人で運転して帰りました。
その後名義変更や保険など車まわりの手続きを手伝ってもらい、あとは国際免許が切れるまでに免許証を書き換えるだけの状態です。
Dairyインターン
わたしはどうしてもセカンドが取りたく、イアンさんの知り合いの農家のかたに直接会いに行ったり、電話でポジションがあるか聞いてもらったりしましたが、やはりビザ目的は嫌われている印象でした。
88日以上働き続けられると言っても他の理由を付けてほぼ断られました。多くの理由は外国人を雇ったことがないので不安というものが多く、あとはわたしの運転免許がAT限定でMTが運転できないこと、農業の経験がないことなどでした。
その中で1件、イアンさんが子牛を買った知り合いのマイケルさんのDairyで数日インターンとして働いて雇うか検討してくれることになりました。
Bridgetownからは車で1時間ちょっとのBoyanupにあり、朝6時に出勤しておよそ100頭の牛の乳へ搾乳機械の取り付け・取り外し作業をして掃除、その後子牛に餌をあげてまわり、2時間半ほど休憩含めた自由時間があって、14時頃から牛を搾乳機械の近くまで呼んで、再度搾乳するという感じです。
かなり汚れるのと拘束時間が12時間ほどなのでお給料は割と良いようですが、そこで仕事を手に入れることはできませんでした。原因はおそらく英語力で、オーナーのマイケルさんとは意思疎通が取れていたのですが、長いことお勤めされているシェリーさんの言っている内容がどうしても聞き取れないことが多く、間違った行動を何度かしてしまい苛立たせてしまったことだと思います。やはり言葉はなかなか高い壁だと痛感しました。
今2件フルーツピッキングの仕事の問い合わせ中なので、そのどちらかでなんとか決めたいところです。
イアンさんですが、現在は奥さんと息子さんが帰ってきているのですが、仕事が決まるまでは家に居て良いよと言ってくれて、一緒に生活をしています。大変ありがたいことに、もしアコモが見つからなかったら食事付きでレント週100ドルで継続して居ても良いよとまで言ってくれて至れり尽くせりです。
わたしは今後仕事次第で移動するか継続して滞在するかまた別の州をラウンドするか分かりませんが、イアンさんは「機会があれば色々挑戦しようとしている日本人の手助けができたらな」と言ってくれています。
人間なので人によって合う合わないはあるかもしれませんが、イングランドご出身らしいかなりウイットなジョーク溢れる優しい方なので、もしご興味があるかたがいれば、お繋げしますのでご連絡ください。
※ご興味のある方は、APLaCの僕(田村)宛にメールください。tamura@aplac.netです。いちばさんにお繋ぎします。で、いちばさんからイアンさんにと。
なんか「ショートからセカンドへ、セカンドからファーストへ」みたいな迂遠な感じですけど(笑)、最初だけです。あとは直に。