ゆかり.Aさんのタスマニア移住記(自分らで家を建築中)

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ゆかりさんは2012年にオーストラリアにWHで来られました。体験談はシドニー時代編とタスマニア編があります。 日本では建築士として稼働しておられました。
WH後の経緯ですが、こちらで知り合った男性と結婚し、パースで暮らし、子育てもしながら建築士としても稼働し、移住目的でタスマニアに土地を買って、旦那さんと二人で自分らで家を建てるんだーというところまではフォローしてました。その後どうなったのかなーと思ってたら、ご本人から新たにビジネス用のFBをひらきましたーというご連絡をいただきました。

https://www.facebook.com/yukari.a.design

その後も着々と自宅建造計画は進行し、かなり完成に近づいているようです。

例によってまた根掘り葉掘りお聞きしました。
(1)なぜタスマニアなのか、タスマニアの中でもなぜKingstonなのか?
(2)実際に自分らだけで家を建てるというのはどんなモンなの?
(3)建築士なんだからアーキテクトで良さそうなんだけど、Building Designerにしてるのはなぜ?
(4)APLaC卒の後輩がタスマニアにいったら、そちらに遊びにいってもいいですか?

このうち(4)は即答快諾で、
「コロナの後、続々とnew face が到着しているようで、新しい方々に関するブログを読んではいろいろ思い出して胸がキューっとなってます(笑)」
「田村さんがAPLACでお世話される方ならどの方でもWelcomeです。Perthで会いにきていただいた方々とも、いい時間を過ごさせてもらいました。その方々のその後の話を田村さんのホームページで読むのも楽しみにしています。」
とのことです。
どんな家かは、FBにもありますし、FBからリンクをたどるとWebNoteに写真が多数あがってます。

以下、(1)~(3)に関するゆかりさんからの回答をコピペします。

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タスマニアを選んだのは主に2つの理由に行き着きます。
1、近しい友達が住んでいる。
2、bushがある
です。

JJ(旦那)のオーストラリアの拠点はもともとタスマニアで、その頃からの大事な友達が何人かHobartに住んでいて、その人たちと人生を共にしたいと思ったのが一つ。

それからタスマニアには近くにbush(林)があります。私たちが休みの日にするのは大体 bush walking か海遊び(fishing, spire fishing など)。いろんな魚、アワビ、うに、たこいか、何でもあります。緑があるから海の幸が豊富なんです。一方パースはどこまで行っても砂ばかりで、タスマニアで楽しんだような bush walk をしたいと思ったら5時間くらい運転しないとないんです。

もともとパースにはJJの仕事のために越して、2016年に友達に会いに一度旅行でタスマニアに戻ったんです。その時Kingston Beachを歩きながら呼吸が深くなるのを感じました。それが決め手でした。

パースでは、一人目子育てで右も左もわからない時に、いい日本人コミュニティに支えられて、安定した仕事もあって、その時期にパースで過ごせてよかったと思っています。

Kingston になったのは土地との縁です。土地探しはKingston に限らず Hobart 近郊で探していたので。

JJはパースに越すまでタスマニアで大工をしていました。今回家を建てるにあたり Builder としての Licence も取ったので、大工としての知識と技術は owner builder として自分で家を建てるケースとはちょっと違ってきます。ただ7年くらい現場を離れていたことと、自分でクライアントから直接仕事をとってきていたわけではないので、コストの感覚が皆無。最近の工法、納め方、どうやったらコスト面で効率がいいかという知識がガッツリ欠けていました。その辺は、大工友達に教えてもらい、最近はどの建材を使ってどうやって建てるのが一般的でうまくいく、というようなことを教えてもらいました。

私は一方、東京の小さな建築事務所と工務店ででゴリゴリ図面を書いていたので納まりなどの仕組みと原理は大体理解していました。どんな材料がどのくらいの値段で流通しているのか、ということをJJと一緒に調べて一つ一つ二人で詰めていった感じです。

「二人で家を建てました。」と言っても、現場で手を動かしていたので99% JJ です。Electrician, Plumber, Solar Panel設置、屋根屋と Plasterer (プラスターボードを貼ってコーナーやドア枠との際を佐官で仕上げる職人さん)はお願いしましたが、後は基本全てJJ一人で建てました。(合計5日くらい大工の友達の手を借りました。)

私の役割はデザインと図面の作成、建材の見積もり発注と調達、です。
なので、息子は赤ちゃんの時から二日に一回は建材屋につきあわされ、現場に連れて行かれ、まだ3歳ですが器用にトンカチで釘を打ちます(笑)。私が現場で作業したのはJJが風邪で倒れていた時に、基礎の型枠外しをしたのと、断熱材の充填とペンキとオイル塗りは私の担当です。それから床と天井の仕上げ材を貼るライトな大工仕事を手伝ったくらいです。

自分で家を建てる手本はありません。基本YouTubeとTry & Error です。

この家は基本木造ですが、Brick と Concrete Block造 もあります。JJは大工仕事(木材を扱う仕事)以外ははやったことがなかったわけで、毎晩YouTubeを見ながら勉強です。

2017年 から土地を探し始めて、2019年に買ったので土地探しに2年費やしたことになります。2020年の12月にCouncilにApplicationを提出して、全部書類が揃ったのが2021年の6月。それと共に着工。2021年 11月までJJはFIFO(※注:Fly-in, Fly-outの略で暫定短期の単身赴任の意味)を続けながら(2weeks in 2 weeks out)工事を進めます。それから14ヶ月の無給休暇をとって、2023年1月からその後4ヶ月だけFIFOに戻り、その後2023年4月にFIFOは辞め、それからはFull Time です。

計画を始めた頃は、二人の技術を生かしてお金を稼ごう、という話から始まって。自分たちで土地を買ってデザインして建てて、一年位住んでから売って、を繰り返して暮らしていけたらいいな、というのがJJの理想で、まずは一軒目ということで始めた計画でした。計画が進んでいくと、家に愛着が湧いてくるのと実際に自分たちがここに住むことを意識し出して、ちょっと引っかかっていたデザインを修正したり。今では、この家は手放せないよねー、と当初とは真逆のことを言っています(笑)

実際にやってみてわかることは、思ったよりも時間がかかる、ということでしょうか。

特に一人の作業が多かったので、普通の現場では二人一組でやるようなことを一人でやるとなると二倍以上の時間がかかります。話を聞いていると自分で家を建てました、full timeで2年でした、というのはザラな話のようです。

後は、二人とも凝り性で仕事も細かいので、納得いくまで採算度外視で時間を掛けてしまう、というのも大きいと思います。
Building Designer としているのは、単純にオーストラリアでの資格の名前です。私はオーストラリアではArchitectは名乗れないんです。
実際の違いとしては、Building Designer でもArchitect に劣らぬデザイン性の高い仕事をしている人たちもいますが、Architectというと、一部の豪華な住宅と商業施設の設計というイメージでしょうか。私の仕事範囲(住宅と小規模商業施設)ではBuilding Designerで資格的には十分なので、Building designer として落ち着いています。
家が完成して、タスマニアに来る機会があったら是非泊まりに来てくださいね。
タスマニアSouthの観光の拠点としては使い勝手いいと思います。
家の詳細は順々とFacebookで挙げていきたいと思っています。

3年分のエピソードが溜まっているので 🙂

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※なお、写真は、ゆかりさんのWebNoteから拝借しました。
更地からの建築過程は、FBのこの投稿に時系列スライドショーで見れます。
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