New Face Shihoさん、Makiさん(その2)

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Shihoさん、Makiさんの後編です。

幸せは足で稼げの法則
コロナ開けで一気にワーホリ・留学生・労働者が戻ってきたこと、高金利政策で賃貸(シェア)物件が極端に減ってきていることという背景事情がまずあります。
シェアや賃貸物件そのものはあるんですよ。人だって増えたとはいえコロナ前の水準くらいです。じゃあなんで足りないのか、高くなってるのか?といえば、「流動性」がおそろしく減少してるからです。

ここちょっと分かりにくいけど、一応書いておくと、なんで金利が上がると家賃が上がり、出物が少ないのか?ですが、金利があがると不動産投資の妙味がなくなるのですよ。不動産価格そのものが低下傾向にあるうえに、金利が上がると(オーストラリアは変動金利がメインだから尚更)、投資コストがかさむ。月々の返済ががーんと増える。そこまで払って家を買い替えても高く売れる保障はないし、月々のコストが上がるから投資しなくなる。投資しなくなるから、物件が動かない。

景気がいいときは、銀行からどんどん借金して、ガンガン買って、高く売る。3億借りて、3年後に3億5000万で売れば3年で5000万儲かる。利息払っても4000万以上儲かる。不動産投資バンザイです。で、買った家を他人に貸したり、借りた人がまたシェアを入れてってやるから、人の移動が激しくなる。空き物件がコンスタントにゴロゴロでてくる。空きが多いから選択肢も増え、高い値段にしてるといつまでも空きのままで損だから自ずと値段も適正化していく。
ところが今のように物件が動かないと、ますます皆動か(け)なくなる。今の家賃と同じ条件ではもう探せないから(どこに移っても今よりも高い)、今のところが最安になり、むしろそこに居続けることが既得権益化する。家主のローン返済もあがるから家賃もあがるのだが、じっと我慢するしかないってことです。かなり問題になってます。

そんな環境においては、従来のようなシティに比較的近いエリアでは無理なので、サーチ範囲を広げる。また価格帯もどーん上げる。

このあたりさじ加減が難しいんですけど、範囲は「学校まで通学1時間以内(Google Mapのシュミレーションで)。それなりに頻繁に便があること。バイトのあと帰ってこれること(夜23時すぎに出て帰れるか)。
シェアリストを作る際に、そのあたりは気を使いました。実際に測ってみたり。
大体、北はHornsbyあたり、西はBlack Townあたり(とにかく物件が多い)、南はHurstvilleからその先くらいと。
地図で示すとこんな感じ。

ただしこのエリアでも乗り継ぎが不便なところはカットしてるから、遠くになるほどに沿線沿い絶対になります。

価格帯は、最初上限230-50くらいでトライしたけど、これだと絶対数が少ないのと、アポが取りにくいので、290まであげました。
アポが取りにくいのは、今品薄なので一つの広告に数十人以上殺到するから、向こうに選ぶだろうし、また面倒くさがって読んでないとかいうケースもあるからです。僕だって、あなただって、一度に50人から問い合わせがあったら、いちいち対応できないでしょ。適当に目についたのに返事するくらいだろうし。

値段は「これならいける」という範囲です。その昔、ジャパレス時給が安くて。10ドル切ってるような時期でも、シェアは180-200ドルとかしたのです。つまりバイト18-20時間くらいでシェア代になる。今は、ジャパレスといえどもかなり待遇が良くなってきて、渡豪掲示板に紹介した堀池くんの話(シドニーでジャパレスのマネージャー職をやってる)では、そこでも時給27ドルは出してると。まあいろいろあるし、税金も引かれるから一概に言えないにせよ20ドルくらいはあるとするなら、20ドル✕20時間で400ドルまでいける。その意味では昔よりはやり易くなってる。
なので、400はともかく、290まで上げました。こうすると結構でてきます。

でも値段なんか相対的なものです。結局最後に決めたら良いのです。「この物件だったら280出しても良い」と思えるならOKだし、「これで200は高いわ」と思えば駄目です。均一品質、例えばガソリン入れるのと違って、内容が千差万別なのですから、妙に絞らないほうがいいなと。
それに、あまりに最初にケチりすぎてアポが全然取れない、見聞が広がらない、相場感が養われない、なによりも毎日物事が進まなくて腐ってくるくらいなら、ダメ元でもなんでも広く見たほうがいいですからね。

まずは土地勘
二日目は、僕と一緒にシドニー中を電車バスで行きまくります。これはコロナ明けの去年くらいから始めたことで、範囲が広い分、最初ビビるんですよね。すごく遠く感じるという。だけど実際に電車に乗ってしまえば、「あと10分余計にのるか」どうかの差でしか無い。10分あったらStrathfieldからCentralまでいけますからね。
距離と時間は不思議なもので、距離と通勤時間はあまり比例しないです。シティ近辺だったら早いか?というと、朝の渋滞がひどかったり、歩く以外の方法がなかったりして、意外と時間がかかる。逆に遠方に見えても、急行で一気にいったらすぐ着く。そのあたりは実際に乗ってみたらわかります。また、一回でも実際に行ったところは、もうそれだけで「私のテリトリー」になりますからね。

ということで二日目。
まずはバッパーからセントラル駅まで歩く。セントラル駅って無駄に広いので、大体の構造を教えておきます。

そこからChatswoodまでいき、ぶらりと歩く。
そして、Metroという無人電車に乗り換えてEppingまでいく。

さらにそこから南下してStrathfieldまでいく

そしてそこからBlaktownまでいき、ディープな街の風情を堪能し、巨大なショッピングセンターを見る

一路、セントラルまで帰ってきました。
APLaCのホームページのトップの背景画像のところで。逆光で上手く撮れなかったけど、まあ雰囲気を。

かくして準備万端でシェア探しが始まり、Shihoさんは日曜日だかに見たCampsieのお家にピピッときて、木曜日に移動。オーナーが学校の前まで迎えにきてくれ、それからベッドがないからIKEA経由でベッドを購入したという。

Shihoさんは、見たところをマップ化してくれてて、こんな感じだそうです。16件見たのかな。

まさかのスルーをされてしまったMakiさんは、淡々と見続け、こちらも毎日(朝晩)新規リストを送付しつづけ、もうかーなり見まくって(20件強くらい)、結局Strathfieldのお家にしました。
翌週の日曜日に移動で、Shihoさんも同行されました。そのときの写真。

最初の頃は地図で物件表示してましたけど、数日でもう大丈夫だろうということで文字だけ情報。この日曜日の706番のCampsie物件にShihoさんはしたのかな。

シェアリスト作りが慣れてるとは言え、なかなか大変で、物件ごとに気の付いたことをコメントしてるのに時間がかかります。全部公開したいくらいだけど、WORDで細かい字でびっちり書いても33ページもある。
例えばこんな感じ、

9/17入居がえらい先だというだけで、それ以外は悪くないです。ミニマムもいらないって言ってるし。220だったらお値打ちでしょう。ものは考え方で17まで入れないなら、逆に開き直って、1週づつバッパーめぐりをやるのも手です。バイトしながらね。どうせ年内にはラウンドでるだろうし、出たら最後バッパーメインの生活になるので今のうちに経験値を上げておくのも手ですよね。

すぐに入れることの他、条件的にはPendell Hill物件に劣る。まず駅が2つ先だし、駅から10分だし、高いし、3ヶ月縛りがある。ボツにしようかなと思ったけど、” one has a tendency to game into the night so whoever rents the room needs to be mindful that they may hear some talking and laughing into the nighttime.”今二人住んでてそのうちの一人は、夜中までゲームにハマってて、深夜に話声や笑い声が聞こえるかもしれないことに注意されたい、となっていて、面白いなと。普通そこまで書かない。Blacktown周辺の物件は、インド人がやっててインド人に限るとかいうエスニック強すぎ物件が多いんだけど、これはそんな感じではない。

入居が9/7であることを除けば、良物件です。文句なく駅に近いし(思い切り町中だし)、220ドルで安いし。小綺麗なマンションだし、よくある売出し時点の不動産広告の写真を流用(家具がないし、美しすぎる)ではなく、実際の生活してる写真でもある。生活しててキッチンがこれだけ綺麗だったら清潔な人かなと。パラマッタでバイトが見つかる可能性も高いし、仮に外でもアクセスが容易なのでなんとでもなるでしょう。

わりといい感じのところです。クロイドンから5分なら文句はない。結構家の感じが良いのと、あと人柄で、「酒は飲んでもいいけど泥酔はだめよ」とか、「 friendly person with a high moral core without being judgemental.(フレンドリーな人で、まっとーな倫理観を持ちつつも、他人に対して裁断的ではない人=裁断的というのは、”あいつは◯だから駄目だ”とかすぐに他人にダメ出ししたがるうざいやつのこと)。こういう表現や観点がでてくることが、この人の人柄(それなりに知性が高い)を表しているような。

Fredという人の物件で、200だったり189だったり、何度も出てる。よっぽど売れてないと思われ。だけど金額が曖昧だわ、相変わらずクリックしても番号が出てこないわで、基本的な事務処理能力がないみたいな感じ。もういいやって気もするね(笑)。

うーん、ライドのどこにあるのかがわからんのでなんとも言えない。自分専用の風呂があるのはうれしいけど、多分、窓からチラと見える新興マンションからTop Rydeあたりの一角かなと思うけど。写真の漢字と炊飯器がバーンとあるところからチャイニーズ系かなと思われますが。バス一本で45分。朝はガンガン本数が出てる。学校のすぐ近くに止まるので、それは便利。問題はトップライドのバス停まで歩いて何分かですね。

迷ったけど一応。長々書いてるけど、基本かなり遠い。ブラックタウンが遠いけど、そこからさらに遠い感じ。車を持ってることが前提みたいな、車系の位置情報が多いし。ただ「We will do our best to ensure your stay with us is a pleasant one and hope that you will show us the same courtesy.」ってあたりに誠実さが垣間見えるのと、あとおばちゃん(お姉さんかな)の顔写真がなんか優しい感じだったので。返事率が100%はすごい(でも平均28日もかかってるのはなぜ?(笑)) なんかネタみたいな感じだけど、あんま合理的に動いてばっかりだったら、ドラマも出会いも起きないからねー。

キリがないからこのくらいにしますが、毎朝毎晩こうやってコメントしてるのは面白くもあり、大変でもあります。

ちなみに、Makiさんの悪夢流れ物件のコメントは
ランドウィックは人気のエリアで、クージービーチまですぐだし、ランドウィック商店街が昔な感じで良い。またNSW大学のアジア系留学生のためのアジア系食材店もある。普通、ゴリゴリ金儲け系商業シェアが多かったりスルんだけど、ここはわりと寛大な感じ。ボンド2週間でいいし、共益費コミだし。275の部屋だったらアリかな。295は、そこまで出すならもっと探せばあるだろって気はする。これから夏になるともっと高くなるとは思うけど(東方面の夏場(ビーチ近く)は30-50ドル上がる)。

最後に決めたStarathfieldの物件は、
12 minutes walk from strathfield station.8 minutes walk from homebush station.というから、ホームブッシュ駅の方がやや近い感じ。このくらいだったら歩けます。新築物件らしい(築6年だそうな、こちらで築◯年という言い方は普通しないので珍しい)。
これは見てその場で決めたそうです。バシッ!と取ったと。もう十分に見て、自分の判断能力に自信が持てるようになったということですよね。

ShihoさんのCampsie物件の広告コメントは、、
駅まで10分歩くけど、キャムシーで200ドルだったらお値打ちかも 裏庭が広く、猫がいるらしい。悪くないです。

いずれもシンプルなコメントだし、広告の内容もシンプルでした。Shihoさんは人が良かったのと、あと雰囲気が好きになれたのが大きかったと。だけど、こればっかりは見てみるしかないです。
だから、幸せは歩いて探せ、足で稼げといわれる所以です。

結局、あれこれ見つつも、値段的にも距離的にもコロナ前と似たような感じに収まりましたねー。ただそこに至る経緯での見聞量(距離量)が飛躍的に増えているのが昨今の潮流です。なんでもそうだが、逆境というのは逆手に取ったらチャンスなんですよね。

普段はここで今回は趣向を増やして、彼女らが自分で撮った写真を送ってもらいました。これがなかなかおもしろいのです。

Shihoさん撮影分
最終的に決めたCampsieのお部屋

お庭の感じがナイスですねー

家の近くの川沿い。CampiseとBurwoodの間のあたりですね。
「Campsieは駅前の雑然としたかんじと住宅街に入ると落ち着きつつも高級すぎないかんじが好きです」「Campsieの家のすぐ横には川もあって、こんな所に住んでみたかったな〜と思ってきたような場所です。」とのこと。

「始めてのシェア見学で行ったBelmoreの公園。このころは一つ行くたびににMakiさんとキャッキャと楽しんでました。」

GreenwichからWilloughbyまでこんなかんじの道を30分かけて行って、Willoughbyのシェアの前でオーナーに電話したら“もう決まったから家の外にいるのよごめんね”と言われたり。笑

ああ、ここはArtarmon裏手の遊歩道ですねー。Walkingでよく歩いたわ。

「170ドル(だったかな)と破格のシェアに行ったら空き家で、オーナーに電話したら“好きに見て気に入ったら電話して〜”とのこと。同時間にインスペクションに来ていた方が“ファック、こんな所に住めるか!”と言って笑い合ったり。」

Shihoさんは6才の頃からバイオリンをやっていて、たまたまいったHornsbyのお家のオーナーが趣味でバイオリンづくりを。そこにはしなかったけど、後日遊びにいったそうです。「バイオリン作製の道具を見せてもらったり作ったバイオリンを弾かせてもらったり、寿司をおごってもらいつつお話ししたりと合計7時間もおうちにお邪魔してしまい英語の勉強になりました」
写真はその際のときのものですが、ご本人のご許可を得たそうなので掲載します。

Makiさん撮影分
「シドニーは至る所に座れる場所がありますが、特にこの丸い石はお気に入りです。」

「ロックデールで3ドルくらいで買った手のひらサイズのピザ。人がすごい入っててそれに釣られて入ったらすごい美味しかったです。」

Dee Whyに行くのにマンリーへ行くフェリー。始めて乗ってすごい感動しました。マンリー着いたらすぐ砂浜になってます。

「ぽしゃってしまった(Randwickの)シェア近くのCoogee(クージー)ビーチ。歩いて20分くらいで行けます。

さて、その後の二人ですが、Shihoさんは速攻でバイト探しに着手し、Burwoodのジャパレス面接済で、他にみたBondiのジャパレスがまたいい感じで、、ってという。あとエクスチェンジですが、
「またGumtreeの広告を見たというバングラデシュの方とランゲージエクスチェンジで会ってきました。高齢者施設のマネージャーをされている方で、こちらの方もとても丁寧な方でした。
お金を介さない色んな人の助けと親切をもらいながら生活している日々で、昔話の世界みたいだなと感じています。」とのことです。

シェア探しで鍛え上げられたMakiさんは、さすがにパワフルで
「今日は33件連絡してレジュメ送るか持ってきていいよって言ってくれたところが7件でした!」とやってます。

もうここまで来たら、初動の離陸モードは終わりで、水平飛行ですね。お疲れ様でした、、って、これからがいよいよ本番ですよね。夢と冒険とロマンを堪能してください。

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