留学時におけるインターンの活用法とアルバイトの絡め方

日曜の朝、ふと思いついてびゅーんと車で出張カウンセリング
連ドラカウンセリングの有用性とか、留学にインターンを組み込む戦略とか、そのあたりを

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うららかに晴れた日曜日の朝。今日は副業バイトはオフ。いつも普通に朝2時起きとかしてるから、死ぬほど寝坊した、ああよく寝た~とか思ってもまだ朝の5時だったりする(笑)。

早朝ヒマ持て余し老人的に、まだ駐車場が混まないうちに買い物でもしよっと思って車に乗ってるうちに、待てよ!この時間を有効活用すればいいかもと思い直し、SMSなどを送ってアポを取り、車を飛ばしました。この日の朝は出張カウンセリング(しかもダブルヘッダー)になりました。

最初はよくこのブログでも紹介している内田くんで、Ashfieldの彼のシェア先前までぴや~っと行って、出てきてもらって、路上でお手軽な立ち話カウンセリング。

カウンセリングといっても、特別な心理療法技法を持ち合わせているわけでもないし、そんな大それた意図もないし、ただの世間話です。ただ連続ドラマのように過去から継続的に話をするのは自分が(人生史的に)「今どのあたりにいる」という、いい整理の機会にはなるでしょう。また、その時どきの懸案事項(ビザの手続きとか、英語の勉強方法とか、先々の就職とか、帰国後の展望とか)についてフラットに意見交換できるわけで、それが、まあ、いいんじゃないかなーって。

いや皆さん真面目だから、放置しておくと考え過ぎてアサッテの方向に進んでいったりもするのですよ。何て言うのかな—–

真面目だから完璧主義になって→結果的に欲張りになってる
とか。
不安だから早く対岸にたどり着きたい一心で→結果を早急に求めすぎる
とか。

ま、簡単に方程式みたいにまとめてしまえば、

真面目/不安だから
  ↓
(ありえないほど)短い期間に
(ありえないほど)多くの結果を
求めすぎる

それはもう入社して3年以内に社長にならねば!とか言ってるようなもんです。

だいたいですね、チャレンジ=不慣れなことをやるのだから上手くいかなくて当たり前。そんな何もかも上手くいったらチャレンジになってないし。試行錯誤とはそういうものだし、また単純に運の善し悪しもあるし。

誰だって馬鹿ではないのだから、落ち着いて考えてみればわかることなんだけど、その「落ち着いて」ってのが当事者には難しい。ゆえに他人事だから落ち着いていられる第三者から、
「そんなわけないだろ」
って言ってもらった方がいいんですよね。

だもんで、コンスタントに
「あ、そこは誰でも失敗するよね」
「別にそんなの大したこっちゃないよ」
「それよりこっちの方が大事じゃないの?」
とか小刻みに方向修正のカウンターを当てる機会は、持っておいた方が良いと思います。

というわけでシェア先の近くまで来て、「着いたよ~、出ておいで~」。

内田くんは今年に入ってからインターン修行中です。

インターン活用法

ここでちょっと注釈がいると思うけど、日本でインターンというと、大学生の就活の一環、やっておくと就職にイロイロ有利なんじゃないかって感じでしょう。

こっち(オーストラリアほか西欧)でも「就活」っちゃ就活なんだけど、ちょっとニュアンスが違います。こっちでは基本新卒採用なんか無いです。まあ無いことはないが少ない。なぜかといえば、完全キャリア主義で、同種職務経験が過去にどれだけあるか(どれだけ教えなくても使えるか=即戦力になるか)で採用が決まる。ゆえに日本と違って35歳すぎると急に厳しくなるってことはなく、むしろキャリアが多いから有利になる。逆に、新卒は職歴がないから「最初の一歩」が得られず、そこでもっとも苦戦する。経験がないと就職できないけど、就職しないと経験が得られないという、ニワトリ卵(英語ではCatch22という)。

そのmissing linkを補完するものがインターンで、無給だから採用されやすく、且つ経験は得られるから後日の就職の有利になると。別に就活中の大学生だけがやるってもんでもないし、人によっては1年、2年くらい無給で頑張ったりもします。またそこでコネも出来るし。
日本の場合、とある特定の企業に入るために、より突っ込んだ社内見学&人物査定的な感じもあるのだけど、こっちの場合はもっとゼネラルで、企業の特定性はあんま関係ないです。

それがなにか?というと、海外で働くための永住権なり労働ビザなどの関係で使い勝手があるかなってことです。

えーと、ちょい長くなるし(HPでも書いてるけど)、興味のある人もいるだろうから、遡って書くと、、、、

普通に日本人がこっちで就職しようと思った場合、職歴以外にも、さらにビザと言語ハードルがあります。

ビザハードル
まず働けるビザが必要。学生ビザだったら週20時間とか。働くためにはビザが要るけど(労働ビザや永住権)、ビザを取るためには働いた経験がないといけない場合が多い。ここでニワトリ卵その1が生じる。その意味でいえば、何時間でも働けるワーホリというのは非常に優遇された貴族ビザだと僕は思う(そもそも対象国が選別されてるし)。

言語ハードル
日本語が通じる環境での職歴のみだと、完全ローカル(日本語なんか絶対使えない)職場では採用を手控える傾向があるからです。「英語大丈夫なの?やってけんの?」という不安があり、これは日本語に限らず、インド人がインド系でやってても、中国人が中国系でやってても同じことです。完全英語環境でのキャリアでないと、大丈夫なの?という疑惑がある。また、その疑惑は結構正しい。かなり英語が出来る人でも、完全ローカル職場になると、ほっとんど何言ってるのかわからんって言うもんね。
これも実際に現場に出て揉まれないと、ある程度から先は英語が伸びないんだけど、英語が出来ないと現場で揉まれないというニワトリ卵がある。

職歴ハードル
それに加えて職歴バリアがあるわけです。未経験の人を雇うケースはレアですから、やっぱ過去の職歴は要る。また、日本で同種経験があったといっても、国内の経験でないとあまり評価されない。永住権のポイント計算でも本国での職務経験とオーストラリア国内での職務経験では、オーストラリア内の方がずっと有利に計算されますからね。

ちなみに日本の手に職・現場系(自動車整備や建築など)が永住権で圧倒的に有利なのは、(1)要求される言語レベルが高くないこと(モノが第一なので、業務内容に言語の占める割合が低い)、(2)本体技術について日本レベルはオーストラリア国内以上だと評価されていること、という特殊事情があるからです。つまりバリアが低いか、むしろ加点事由になるという逆転現象があるのですね。ちなみに日本のホワイトカラーやサラリーマン的なもの(弁護士も含めて)全く評価されてません。

かくして英語にせよ、職歴にせよ、さらにはビザにせよ、二重にも三重にもニワトリ卵なわけです。永住権取った後に何千連敗したとかいう話が普通にあるのも、ビザがクリアされても、他のハードルがクリアされないからです。

じゃあどうすんの?ですけど、
いろいろ手はあるのですが(日系バイトから徐々に成り上がる王道とか)、徒手空拳の人がとりあえず取っ掛かりになるかなと思うのが、このインターンです。

インターンのメリットは、普通だったら採用されないところに採用されるという点です。まあ給料タダなんだから当然なのかもしれないけど、それでも単にレジュメを送りつけているよりは、駒を一歩でも先に進めることができる。
その期間、給料はいってこないからしんどいんだけど、でもやる価値があるのは、
・とりあえずの突破口になる
・とりあえず職歴が得られる。これはその「業種歴(建設業界とか)」という意味もあるし、個別仕事の「職種歴(経理とか営業とか)」にもなる。これをレジュメにバーンと書いて次を臨む。
・基本地元の100パー英語環境だから、言語バリアは多少は解消される(やっていけたという証明にもなりうる)

で、こっからがAPLaC的な(僕の思いつき)のツイストがかかるんだけど、このインターンを、語学学校の正規の授業にいれているところがあります。
学校に頼んで、3ヶ月なら3ヶ月のインターン斡旋をしてもらうわけで、斡旋料が1000-2000ドルくらいかかるんだけど(彼に紹介したところは1350ドルだったかな)、そのかわりその期間は学校に通う必要がないから授業料が要らない。だからトータルでは出費はかなり少くなります。週300ドルの授業でも12週だったら3600ドル、それが1000~2000ドルで済むんだから安いでしょ。
また、インターンは仕事にもよるけど基本9-5時が多いだろうから、週末や夜からバイトは今まで通り出来る(通学時間中にインターンやるから)。

だもんで、1年間の留学計画を立てるとき、そして永住権とか先のキャリアまで考えている人の場合、1年のうち3ヶ月くらいインターンにする手もあるよって話をしたりします。

ちなみにエージェント的にいえば、払ってもらう授業料の何%かがコミッションになるので、インターンを勧めると手取りはガクンと減ります。だからもしかして一般に知られていないかもしれないけど、そういう留学の手もあります。
エージェントの営業戦略でいえば、とにかく値段の張る大学を勧めるべきでしょうね。しかも語学学校から大学まで一気に全てを決めさせるという、ビザが一つで済むからお安くなりますとかなんとか言って。一つ決まると数年間は美味しい思いができますからね。でも僕は大学なんかオワコンだと思ってるし、オーストラリアの大学は無駄に高いので、特別なサムシングが無い限り、勧めてないです。なんとなく行くような値段じゃないもんね。

インターンに話を戻すと、インターンやるとなると、それなりに英語が出来ないとダメっすよ。内田くんも、過去にAUSとNZでワーホリやってるし、英語のレベルもかなり上がってきたし、そろそろかなって満を持してのトライです。

で、くだんの内田氏の場合、ホテルのレセプションのインターンをやることになったわけで、最初はもう不安で不安で、ドッキドキ。
そりゃそうだよ、僕も最初Colesとか今のデリバリーとかやるときは、どうなっちゃうんだあぁ~(残響)?って不安でしたよ。
でもやってみると、意外とこれが出来てしまう。

内田くんも、エンジョイ~とまではいかないまでも、こなせているようで、それが大きな自信になっているようです。
これまではずっとクリーニング畑だったから、ホテル関係は全く違った領域。これまでも百パー英語環境だったので慣れてはいるものの、より多く言葉を使う職場になって、それはいい経験でしょう。

立ち話ながら、バイト話で花が咲きました。体のしんどさでいえば実はクリーナーが一番しんどくない?トロリー回収も立ちっぱなし歩きっぱなしでしんどいけど、クリーナーは中腰(バキューム)だったり、立ったり座ったり(バスルームのガラスとか)だし、もっとしんどいぞ。ドライバーは、神経使うとはいえ、基本座ってるだけですからね。

同僚は◯人が多いとかいう話から、ネパール人いいよねー、大体真面目で爽やかな奴が多くて。でもインド系、ネパール系はどこいってもいるよね。バイト市場では中国人の10倍はいるよね。
いつも取りに行くパン工場では、インド人スタッフのシフトのときは大音量でインド音楽がかかってて、中国人シフト(いかにも福々しい顔でめちゃ優しいおばさん)のときは、中国の演歌みたいなのが大音量でかかってるんだよねーとか(笑)
いやあ、自分でもバイトしてると皆と話が合うので楽しいわ。

んでも、そろそろ留学1年だけど、どうだった?これからどうする?話で、1年を総括するなら、
こんなんだったらオーストラリアに来るんじゃなかった
日本にいた方がマシだった

って思うかどうかです。

いや、もう絶対来て良かったということで、だったら大成功ではないか。
もっとこうしたかった、ここまで行きたかったとかイロイロあるけど、それはさきほどのより短期に、より多くを求め過ぎなわけで、振り返ってジャッジすべきは、あのとき日本を出て良かったと思うかどうかで良いと思います。

そこから先はFurther Planなわけで、内田くんの場合も、一つインターンをやったことでオプションが広がった
・ホテル業界でやってみようかと思うなら、現在のインターン終了時に有給にしてくれないかとネゴってみるとか、他のホテルに当ってみるとか(今度はキャリアあるしね)
・海外のホテルで国際レベルのホテル業務に慣れておくと、インバウドが頼みの綱今後の日本での仕事に役に立つかも、特に外資がやってるホテル系もあるだろうし、ニセコなんかオーストラリア資本がガンガン入ってるし。
・ドバイにいってわかったけど、世界中旅行者だらけ。先進国はどこもお先真っ暗のダークなんだけど、世界一般でいえば第三世界が急に伸びてるから実はバラ色模様。海外旅行をする中流層の絶対数はどんどん増えている。日本で外国人観光客が増えたというのも、世界の流れからは当然で、むしろあれでも少ないくらいだし、「日本のような辺境地にもあんなに行っている」と捉えるべき。
・アブダビでもチューリッヒでもどこでもアジア系の人がレセプションとかやってたけど、国際標準のホテル(日本のガラパゴス・ホテル業界ではなく)でやっておくと、世界中どこにいっても通用するという汎用性がある。ただし、永住ビザは微妙(観光産業に力を入れている国は自国民に仕事を与えたいと思うかしらんし、逆にマルチカルチャルな人材が欲しいと思うかもしれないし)。
・そういえばタイのプーケットの国際ホテルで1年単位でのインターンがあったな(新木さんがやっている)

・とりあえず、このレベルになってくると、英語力のさらなる上達は不可欠なので、さらに延長してやるにしても、またインターンを入れて今度は違った業界にもチャレンジしてみるとか

・とにかく違う職でも、面白さや充実感が得られたのは大きな収穫。これが一番大きいかも。なぜって、過去の限定された経験から未来をさらに限定する悪循環から逃れられるからです。つまり過去がしょぼいと未来はもっとしょぼくなる法則みたいなのがあって、何もしなかったらそうなる。だからこそ、なんでも(無謀なくらいに)チャンレンジしていって、自分の可能性をグイグイ押し広げる必要があるんだけど、その経験ができた、その成功パターンが作れたというのは値千金の価値があります。

・実際に経験によって自信がつけば、生活全般でもレベルアップができる。シェア探しでも、探し方も、交渉も、人付き合いも上手くなるほどに切り盛りしやすいし、日本に帰って同じ仕事をやったとしても違って見えるし、もっと上手に出来るようになる

などなど、そんなことを日曜の晴れた朝に、道端でタバコ吸いながら、雑談していたのでした。いやあ、いい流れだよねー、百点満点以上に出来たと思ってたらいいすよ。そう思うともっと自然に欲が出てくるから。もしかしてもっとイケるんじゃないかって。いや、イケるんだよ、実際。

 

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