淳平くんの体験談はここにあります。
2012年2月にワーホリで来られ、サーフィン三昧を堪能、紹介文でも書きましたけど、オーストラリア人に馴染んだというよりも、「オーストラリア人になってしまった」くらいの感じです。かといって特に変わったところはなく、いたって普通の人なんだけど、ただ「普通」というよりも「普遍の人」でもある。日本とかローカル普通よりも、人としての普遍性の方が強い。
紹介文で書いたので重複は避けますが、なんかしらないけど彼の場合、日本毒や自意識毒の屈折が弱くて、目の前の現実を子供のようにストレートに感じられるし、妙な解釈もしない。だから素直に溶け込める。サーフィンを鬼のようにやってるんだけど、それも「(自然と戯れるのが)面白いから」に過ぎず、もう子供がムキになってのと同じ。
そういえば彼の武勇伝=全財産60ドルでラウンド開始(パースに飛んだ)という、ラウンド開始最低予算記録は、たぶん、いまだに破られてないでしょう。なんでそんなにオケラになったの?といえば、ガールフレンドだった女の子がブラジルに帰るっていうんで、「男なら~」で、最後の大盤振る舞いをして大散財したからだそうです。いやあ、男としては正しいよ、それ。
6-7年ぶりに再会したんですけど、彼の抜けるようなオーラはいたって健在でした。相変わらずの屈折度の少なさ。
彼は現在ニューカッスル大学(のファウンデーションコース)に在学中。
まずはこれまでの経過で、WH後どうしたの?話でいえば、帰国してから、海外で働ける場所ってことで、日本の大きな建設会社に入ってシンガポール勤務を3年。彼はもともと高卒から5年間、日本でみっちり電気工事やビルのメンテをやってましたから、スキルはあるのですね。
何を思ったか、そこからいきなりオーストラリアに戻って来て大学生活を。多分貯金はたいて一千万近い出費になると思うのだけど、なんでそこまで大学に?というと、「いやあ、大学生活って、一回やってみたかったんですよね」「だから今、すっごい楽しいですよー」とか。
要するにキャリアになるからとか、安定してるからという理由ではなく(そんなんだったらWH前も、今回の渡豪前も十分に安定してた)、理由はひたすら「面白そうだから」。ね、ここまで普遍的だと逆に凄いでしょう?「それ以上考えない(考えはするだろうけど、重大視しない)」というのが、「普通の人」にはなかなか出来ない。
かれこれ電気工事やビルメンテキャリア8年(海外キャリア3年)だったら、今すぐに永住権申請しても取れるんじゃないの?あるいは労働ビザなんかすぐ取れるんじゃない?とか思われるので、その旨いうと、彼もわかってるみたいなんだけど、あんまり興味ない感じ。
それ(オーストラリアの永住権)よりか、「次はアメリカでも一回働いてみたいんですよねー、どのくらい先端いってるのか知りたいし」「その次はブラジルにも行ってみたいんですよ」って語っておられました。
はー、なるほどね、と思った。
ドバイ行ったときも感じたけど、「グローバリズム」とかいちいち言葉にして言うのがこっ恥ずかしくなるくらい、今は、世界各国で働けるし、敷居も低くなってる。行きたい国にいって、働いて、見聞広めて、楽しい思いもして、それでいいじゃんって感じ。もう事実上、世界で一つの国みたいになってて、国内移動くらいの感じでしかない。「国」というのもオワコン化しつつあり、幕末の頃に、「もう藩とか幕府とか言ってる時代じゃないんだ」というのが、当時としては誰もついていけない、めちゃくちゃ先進的な思想であったけど、結局はアッという間にそうなっていったように。
確かに、そんな世界観だったら、永住権ゲットだって、冒険というよりは、「退屈な安定志向」にしか見えんよなあ。
ただ、これだけ将来について小気味いいくらい漠然としてて、自然体でいる淳平くんなんだけど、「日本に帰って働くという選択肢」だけは「無いですね」と即却下。
なんで?と聞くのも野暮なんだけど、要するに、「つまんないから」なのでしょう、いろいろな面で。国内にも就職の話があったらしいんだけど、「あそこはいい波が来ないし」で、以下、「いい波とはなにか」論が始まったのでした。
彼にはあんまり自覚ないのかもしれないけど、次世代パラダイムの申し子のような人なんだなーと思ったのでした。この自覚がないとか、力んでないって部分が申し子の申し子たる所以で。
でも、こういう人、増えてますよね、確実に。
特にAPLaC界隈には多いですけど。
淳平くん、顔が安定してて、何枚撮っても基本同じなのですね。
たくましく日焼けしたオージー風。でも、キャップをかぶってるせいか、大リーグで頑張ってる日本選手みたいでもある。