増原夏子さん~写真と社会学と(1)

WH~学ビザで滞在するもコロナで帰国中の増原さん。趣味の写真がNYの展覧会でえらばれたことから話が広がり、プロの前田くんを紹介してアマとプロの間を埋めたらどうかとか、社会学が好きであることと写真が好きなことは実は同じではないかとか。

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topの写真を含め、散りばめてある写真は増原さんのインスタからご許可を得て転載するものです。Top写真は、ご存知サーキュラーキーで、ここからは僕も何度も撮ったことありますが、このカラフル感と「抜け」の良い空気感はすごい。こんな綺麗にはならないんですよねー。以下、今回はオーストラリアの写真をメインに散りばめます。

増原夏子さん、2016年にワーホリで来られて(稲垣さんが同期)、ひったくりにあったのがきっかけでなぜか開運(笑)、ローカルショップの店員さんとなり、WH後の学生ビザでも3年働いたのですが、眼を患って病院で治療中にコロナになり病院のアポもキャンセルになり、どうしたもんかで一時帰国し、なんだかんだもう1年。先日、FBに僕のバースデーメッセージを頂いたのが機縁で「最近どうしてんの?」から話が広がり、広がるだけではなく面白くなったので皆でシェアしようということで記事にします。

増原さんの過去記事は下記の4本
来たばかりの頃のNewFace(コロナでこれが無いのが寂しい)(2016年8月)
(マダム属性とか、外注の稲垣・内部処理の増原とか好き勝手書いてますね)
田中邦明さん、増原夏子さん、田中利依さん来訪(2016年9月)
ひったくり・わらしべ長者ケーススタディ~増原夏子さんの場合(2016年11月)
(これはもう「災い転じて福となす」の最適例のような話)
増原夏子さん 来訪(2017年11月)

NYの展覧会に写真が掲載されることに
というのがお知らせいただいた増原さんの近況で、おー、すごいじゃん、何それどうやって?とか根掘り葉掘り(メールで)聞いていくうちに話が広がった次第です。
この件自体は、増原さんのFBにも紹介され、すでに多くのひとが閲覧いいね状態なのでご存じの方も多いでしょう。

いいねと祝辞だけでは終わらないのが僕のしつこいところで、それはいったいどういうルートで?というあたりから。
PrintSwapという企画があって、「写真を応募して、ノミネートされたら各都市で行われるexhibitionで展示されます。ま、参加費諸々一枚につき$50かかるのですけどね。自分の写真が参加した他のフォトグラファーに届き、自分も他のフォトグラファーの写真を受け取ることになります。文字通りswapですね。
今回は、New YorkのFoley Galleryにて、6月21日限りの展示です。今年の3月にMelbourneでexhibitonを行ったようですね。他にも、世界各都市のビルボードに写真が載るプロジェクトとか、色々グローバルに行っているようです。私はもう細々と、好きにやってるので、写真の仕事受けたりとか目立つことは何もないのですけど笑
このプロジェクトへも、締め切り間近に軽い気持ちで5枚submitしたら”Good
News!!私たちのキュレーターがあなたの写真を2枚ノミネートしたよ”って数時間後に返信が来たので、あら、そんなに参加者いないの?って思ったくらいだし、本当に展示されるかまだ疑ってます笑(以上、増原さんの説明)」

僕なりに理解すると、どっかの選考委員会が優秀作品を選んでというだけではなく、カメラマン同士の交流のような、もうちょい立体的なインスタみたいな感じ、ミクロ同志の接点を増やすみたいな感じなのかなと。つまり成績発表やコンテスト的なものよりも、作品はある意味名刺代わりみたいなもので、同好の士の交流部分にポイントがあるのかな(加えて何らかの商業機会も考えられているでしょう)。

そのへんが面白くて話が続いたわけですが、まずは写真を基軸にちょっと発展していきました。



前田くんの紹介~プロとアマの架け橋

ぱっと思ったのは、シドニーオフでよく登場するプロのカメラマンの前田くんを紹介しようということです。

増原さんの写真は前から話にも出てたし、面白いなと思ってて、こんだけ長いこと撮ってて、これだけ腕があったら、それである程度収入があってもいいんじゃないかということです。

これは増原さん個人がどうのというよりも、一般に言われるプロとアマの開きのことです。これって、僕の意見(直感に近い)ですけど、これからの時代、どんどん埋まっていくんじゃないのかな?つまりプロなんだかアマなんだかわからない中間領域がすごく増えていき、それがそれぞれミクロな人生に彩りを与えてくれる時代になるのではないかと。端的な例でいえば、YouTuberです。あれで本当に食っていけるのはごく一部でしょうし、もともとプロ(タレントとか知名度が桁違いに高い)の方が圧倒的に有利ではあっても、それでも多少なりとも稼ぐ可能性はある。でもやってると、金銭面での報酬よりも、クリエイトする喜びとか、人と知り合う喜び、つまりは「人生の彩り」が増えることがデカイのではないか。

でも、YouTuberは、YouTubeという大きなシステムあっての話ですけど、そんなもんアマから、自分でプロ方面にとっとと歩いていって、やっていけるんじゃないかなってね。

そこで、餅は餅屋で前田先生です。彼はもともとは僕と同じ法学系で、司法試験も短答式合格までいってるからかなりのものです(それだけで司法書士や税理士よりも難しいじゃないかな)。だけど一念発起で方針転換して、プロに弟子入してみっちり修行して一本立ち、視界を広げるためにWH渡豪。WH中はタスマニアでファームどっぷりだったけど、シドニーに戻ってきて学生ビザにしてからカメラマンとしてぼちぼちと稼働してたら火がついて、今はワーカホリック状態で、オーストラリア中飛び回ってるそうです。
ちょっと電話やメッセで話したんけど、いくら儲かったとか生計がとかいうよりも、仕事でもなければこんなところに来なかった、こんな局面、こんな人達と知り合えなかったという収穫のほうが遥かにデカいんじゃない?というと、まさにそうらしく、彼曰くは「仕事のおかげでいま誰よりもオーストラリア満喫してる自信あります。ここ半年で、日本にいた時の数年分は生きた感覚があります。 それに引き換え、いくら入金あったとかもう見てないです笑 」とのこと。

一方増原さんは、弟子入りとかしてないし、そんな技術を学ぶとかいう感じでもなく昔から直感一本で撮ってるだけです。直感であれだけ撮れたら大したもんです。

でもこのままだと増原系(アマ)と前田系(プロ)は交わらない平行線みたいなもので、アマでやってても、自分で会心の作品がつくれたという本質的な喜びはあるとしても客観的にはどっかで入選するとか個展をやるとかいうのがゴールで、そこから先にお金になるという契機はない。そういう路線ではないのよね、もう最初から。それ勿体ないじゃん。

ならば「プロのやり方」を教えてもらったらいいんじゃないか?とお節介にも思ってしまったわけですよ。
具体的には、前田くんとも話したんだけど、商業写真のうち商品写真は設備も技術も結構レベル高いので難しいけど、知り合いの結婚式の写真、記念パーティのスナップとかそういう系統のものだったら機会はあると。

その場合、どうやってその顧客まで行き着くのか?という営業的なコツ(おそらくは過去の顧客の口コミがメインだと思うのだが~弁護士など多くの独立技術職は基本それ)、その最初の一歩をどうするのか、どういう感じでやるのか。
また、どんな相場なのか、どういうのを求められて、どこまでの仕上がりにするのか(レタッチとか)、機材(ソフト)とかそのあたりはどうなのか、いろいろなノウハウとがあると思うのですよね。


この写真はBondiだそうです

前田くんにはそこらへんまた聞きたいところだし(いろんな経験も)、彼も最初はなーんのコネもツテもない同じワーホリだったわけだし、一般のプロから話を聞くというよりも、同じAPLaC生で、ワーホリ~学生ビザという立場が同じって方が聞きやすいだろうし、参考にしやすいだろうと。

それでやってみるかどうか、成功するかどうかは本人次第ですけど、「やり方」という無形資産は持っておいても損ではないし、写真にこだわりがある者同志の話はそれで面白いだろうし、SwapはSwapでそれはそれで面白いけど、身近にそういう縁があるなら活性化させてもいいんじゃないかと。

近々やるオンラインサロンなんかもで、そのあたりも目標の一つにしようかとも思ってます。今もそうだが、これから稼ぎにくい、生計で厳しい局面が多くなるかもしれない。ならばその分マルチチャネルで収入の方法を得ておいたほうがいいし、それは自分の好きな分野でこれまでとは違った方法でやるのもいい。そして実際にやってみたら、多分お金よりも得るものの方が多いでしょう。ワーホリのファームと同じことです。つまりは人生の彩りで、彩りが楽しめたら、逆にお金なんかそんなに要らない。


このキスマークが

そういうこともあって、写真展の話から、前田くん紹介の話にまで僕の脳内でひろがったので実行してみました、という話です。

これで前半。長くて悪いが後半があります。
増原さんの場合だからこそ思いついたって部分があるのですよ。それが社会学とかボランティアとか写真とか、もっとディープなのところで、「面白いこの現実社会に近づき、堪能するルートはたくさんあった方が良い」ということで。

以下、後半に続きます。

後半に続く

僕は↓このキャンベラの写真が一番好きかも。キャンベラ独特の「整理整頓された空虚感」というか、でも自然は雄大ってのがよく出てて。

→後半(その2)を読む

 

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