New Face : Shihoさん、Makiさん(その1)

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2023年8月下旬にお越しのShihoさんとMakiさん。お二人まとめてご紹介します。

といっても別にお二人はもともと友人関係ではないです。来る週が同じだったので「同じ船に乗り合わせた」という関係です。「同期入社」ですね。

ただ、今回は事前に、可能ならば同じ週に他の人が居たほうがいいよ、とはアドバイスしました。

コロナ明けから最近、賃貸(シェア)物件の枯渇、物価高などもあいまって、一括パックのやり方も微妙に変えています。去年から変えてますが、より鮮明に。ということで、人物紹介に併せて最近の状況にも筆を伸ばします。

オンラインやオフの効用

まず違うのは、コロナ期に世界オンラインオフをやり続けたことに加え、事前のオンライン相談もやり始めたという点があります。それまで来る前はもっぱらメールのやりとりオンリーだったんだけど、対面会話の機会が増えたという点です。もう一つは、僕自身が私的事情(母親がボケて施設に入ったので見舞いにいくとか、歯医者通いとか)で帰国頻度が増えたことです。これが帰国オフ機会の増加につながる。

典型的なのはShiho(坂内志保)さんで、東京でオフに3回参加されています。去年(2022年8月)の中野オフでは渡豪1年前の段階で参加され、今年(2023年6月)には南砂町オフと、再び中野オフ(の前の渡豪直前セミナー)に参加されてます。生で3回も会ってるので、シドニー空港で会う時はもう友だちを迎えにいくような感じ。Shihoさんとはオンラインオフも、one on oneの相談もしましたね。
Makiさんは、わりと直前の駆け込み乗車的な感じでしたが、直近の中野セミナーオフのときに参加されてます。このあと来られるエレナさんも中瀬くんも同じように日本で会ってます。

22年8月の中野オフ(ちょうど一年前ですね)

23年(今年)6月の中野オフ

事前に会う(オンラインでも)と何が違うか?というと、何がすごい秘訣が「そ、そうだったのかあ!」と分かるわけではなく、僕あるいは諸先輩と話をして、「なるほど、こんな感じか」と分かるだけです。だけどそれって意外と大きい。人間って不思議なもので活字でさんざん読んでることでも、この目で見て、肉声できくと違う。活字だけだと、頭の中であれこれ想像(いっそ妄想)が広がってるキライもあるんだけど、リアルな現物にちょっとでも接すると「あ、なるほどね」となんか腑に落ちるのですよ。リアルなサイズ感がわかり、地に足がつくのはあります。

そういった伏線があるので、航空券の値段や個人の出発時期の事情などもあるけど、出発が近いなら同じ週がいいですと言いやすかったです。

なんで同じ週の方がいいのか?(「同期入社の効用」)ですが、
(1)こっちにきたら何もかもが初めての世界。そんな夢の中のような世界では仲間がいるとすごい楽。バッパーに泊まるにしても、一人横にいるだけで「これ、どうするんだろう?」「ロッカーの使い方がわからん」「聞いてみようか」とか話せるので、精神的にはかーなり楽になります。ひとりぼっちだとしんどい(まあ、だからこそ鍛えられるんだが)。あと、例えばパン一斤がでかい(日本の倍くらいある)から、ひとつ買って二人で分けるとか、そういうメリットもあります。

(2)シェア探しの利便性
最近の賃貸(シェア)不足によって物件が少ないので、見る機会が少なくなりがち。でも、一人アポを取れば、もうひとりがジョイントしてついていけばいいです。そういう付き添いみたいなシェア見学は普通にありますから、おかしくないです。男性に限る、女性に限るってシェアもあるからだんだんと自然と別行動になるでしょうけど、最初の頃、一人はアポがあるけど、もうひとりは無いという時間帯があったら、ついていくといいです。女性のシェアに男性の知人が後見人のように付き添いに行くのも珍しくないです。その逆もしかり。
ところで、シェアなんか50件みても結局1件しか住まないわけです。じゃあ残りの49件は無駄かというと、さにあらず。「経験値」という財産になる。たくさん見ると目が肥える。抽象妄想の「海外」「外人」がリアルな現実として皮膚感覚で理解できていく。これが一つ。また知らない所も一度行ってみたら「自分の領土」になります。これが後の仕事探しに有利になります。特に遠距離のシェアを見に行ったら、「俺のテリトリー」が広がるので、これが後々(バイトでも、趣味サークル参加でも)きいてきます。

真っ暗になってバスをぽつんと待ってるときとか、横に相棒がいると楽です。そして楽な分だけ、遠くまで、深くまでいろんな体験ができます(一人だとビビってやらないこと=バッパーの連中とパーティに誘われたとか=が出来るようになる)。
もちろん、それぞれに事情があるでしょうから、無理はする必要はないです。違う週でも全然OK、対応しますよ。ただ、どちらでもいいくらいの感じならば、同じ週のメリットはデカいと。

何れにせよ一緒に動くのは最初の数日くらいです。あとは自然とバラバラになります。アポも取り慣れて、独立するようになります。だけど、最初の初動部分こそがメンタルに厳しい時期で、ここで変なクセ(ビビって結局やらないという逃げグセがつくとか)になったらまずいので、そのリスクはできるだけ減らしたいということです。

長々書いたけど、実際に、ShihoさんMakiさんから話を聞いていると、2-3日でバラバラに動くようになったとはいいながらも、かなりいい感じに化学反応が起きていたような気がしますね。次に書きますが、思わぬトラブルが多かったので、これ一人でやってたら、バッパーにベッドで鬱になってたかもしれない(笑)。

しょっぱなからトラブル続き

まず飛行機が遅延します。2時間半。シドニー空港の処理キャパが廻らないのか、同じJAL便(JL51)で2か月前の僕のときも出発前に遅れましたね(シドニー空港から遅れてきてくれと)。今回は出発の朝に連絡がきて、まだマシとはいえます。僕は羽田についてから遅延連絡がきたし(空港アナウンスで知った)。

最近はGoogleで便名をいれるだけで結構わかるようになってて便利。

 

それでも無事に到着。空港にて

次に携帯が開通しなかったのですよね、1日半も。やるべきことは全部やったのに、なぜか繋がらず。これまでもよくトラブルは起きたのですが(携帯は難しいのですよ、設定やらSIMロックが実は外れてなかったとかいろんな原因があるので)、これは完全に電話会社の(しかも上流のネットワークの)原因でした。最近よく聞きます、これ(上流が駄目っての)。
そこで、おっかしーなーで、調べて、コンプレイン(苦情)やら、チャットやら。コンプレインが通って、1日半ほどしたらつながりました。下の画像は僕が文句をいうためのURLを調べ、参考記入例を書いて彼女たちに送ったものの一部(番号や名前はボカシてます)。

皆にとっていい経験になったのは、「こういうときどうする?」です。
「絶望は愚か者の結論」ですし、愚痴ったり、腐ったりしてても始まらない。それはそれとして、でも他にも出来ることはあるので粛々とやるしかない。
このブログの帰省記でも書いたけど、僕も帰国してる最中、車の修理や保険をめぐって払ったのに払ってない、合計3000ドル以上二重払いをしろとか無茶言われてバトルしてましたし、戻ったら今度は京都の区役所と入れ違いがあったり。こんなの生きてればザラにあるわけで、いちいち「なんて運が悪いんだ」「呪われた星の下に生まれて、」とか大騒ぎするのはアホです。誰もが平等にドツボってる。

ここではとりあえずコンプレインやチャットなど「やるべきこと」はやっておいて、その他の時間は、いずれにせよやるべきこと=バイト探しの履歴書づくりを先にやってしまうことにしました。過去の職歴や特技など送ってもらって、僕が英文に仕立て直すと。同時に、初日二日目は僕と一緒にいる時間が長いので、一緒にいるときは僕の携帯のデザリングでネットはつながるし、バッパーにいるときは館内のWifiがつながるから、さしあたって一両日は困らない。二日目の夕方まで待って埒が開かなかったら、もうバカバカしくても別のSIMを買ってまたActivateするしかないねとか言ってました。結果的には二日目の昼にはつながりましたけど。

学校の支払いでも、こちらからWISE利用で直に送金しようと思ったShihoさんは、住民票抜いてマイナナンバーが休眠状態になってるので出来なかったというトラブルがありました(ただし、本人確認に何が必要かは現場で混乱があるような気がします。後発の人々が日本にいる段階でトライしたときは何の確認もいらなかったとか、サイトの説明と実際が違う。サイトのなかでも説明が矛盾してるとか。もともと日本政府が余計なマネロン防止法とかやったり、新しいパスポートが身分証明に使えないとか、なんかメチャクチャなんだよね。混沌としてます)。

またShihoさんのシェア先はベッドがついてないので、別途IKEAで購入するとかいう場合の注意点もお教えしました。例えば、マットレスは普通車で運びにくいでいけるかとか、Futonベッド(折り畳める)というのがあるとか、シェアを出るときに持ってでろといわれると厳しい=マットレスは廃品回収でもっていってくれない場合が多いとか、ベッドがあってもリネン(シーツや毛布)がないと駄目とか、万が一ベッドが来なかった場合に備えて今のうちにラウンド用に寝袋(2500円くらい)をK-MART買っておくと良いとか。

「犬が吠えても隊商(キャラバン)は進む」という中央アジアあたりの古いことわざがありますが、なんか行く手を遮るようなトラブルがあろうが、誰にディスられようが、黙々とやるべきことをやって進んでいくしかないんだよってことです。そういうメンタルがないとシルクロードなんか踏破できるわけがない。

Makiさんも、これじゃー!と思ったRandwickの物件に「決めました、入りたいです」SMSと電話をかけてもシカトされ続け、結局立ち消えという悪夢のような展開になってますけど、「ま、しゃーないわ」で淡々とシェア見学を続けて最後まで辿り着いてます。
延々シェア探しが続くのを楽しいと思えるか、しんどいと思うかですが、Makiさんは前者で、見れば見るほどいろいろな家が出てくるので面白くなってきたと。

大体ですね、「なにしにワーホリに来たの?」といえば、日本では得られない「色々なものを見聞し、体験し、視野を広げ、人間性を強く、豊かにするため」でしょう?だとしたらシェアなんか一軒でも多く見たほうが良く、その意味ではむしろ決まらない方がいいくらいです(笑)。無駄な苦労をしているのではなく、まさにど真ん中ストライクのことをやっている。遅かれ早かれ見つかるに決まってるのだが、「乗り越えたハードルの高さがその人間の背丈になる法則」でいえば、簡単に行かないほうがむしろ良いとも言えますからね。

ただ、このトラブル続きを、この二人はけっこう楽しんでる感じでした。
僕は渡豪掲示板でも面談でもなんでも、「うまくやろうと思うな」「ソツなくこなそうと思うな」とか言ってますが、ワーホリは「仕事」じゃないのですよ。そりゃ高度な事務処理能力は必要だけど、事務処理をしにきたわけではないでしょ。要は「夢の冒険とロマン」を求めてきたのだから、大事なのは夢と冒険とロマンがあるかどうか、それを味わってるかどうかです。難しいことではなく、今リアルに感じている外国の路上の現実を「堪能」すればいいわけです。堪能といっても、「おー」とアホみたいに思ってればいいんです(笑)。コレをやりたかったんでしょ?と。

そのあたりのカンドコロって、分かる人は一瞬でわかるけど、分からない人は一生わからないのかもしれない。変なたとえだけど、あなたが女の子で、彼氏候補の男性が、「そつなくこなそう」「ここで気の利いたセリフでキメてやろう」ばっかり考えている人だったら、イヤでしょ。「ロマン(不思議な感動)」という化学反応は起きないでしょ?そして気づかぬうちに自分がそうなってたりする。その意味で、彼女らは一瞬でわかるタイプだったみたいで、トラブルに遭いながらもケラケラやってたように思います。

ここで人物紹介になりますが、Shihoさんのキャリアは、早稲田の院を出て、小学校の国語の先生をやり、さらに障害児童の先生になってしっかりじっくり実務を積んできています。Makiさんは、作業療法士(リハビリ系)という専門職種で6年だったかな、じっくり現場経験を積んできてます。

障害教師にせよ、リハビリ現場にせよ、想像するにそんな麗しいだけの世界であるはずもなく、「いろいろ」あったことでしょう。しかも軍隊みたいな日本の現場ですからねー、そりゃあ鍛えられたでしょう。そこで安定して、てか削られてしまって、人生こんなもんかで小さくまとまるわけでもなく、全部ほっぽりだしてオーストラリアに身一つで来てるんだから、まあ、携帯が繋がらないくらい「それがどうした?」くらいのことかもしれません。

その意味では理不尽修羅場の日本の現場も、あながち無駄ではないですよね。僕も最初に来た頃、きゃー!の連続でした。なんせネットない、携帯ない、情報ない、水先案内人もない、そもそも日本語というものが全くない。家に電話をつけるだけも一苦労で、さらに日本に電話するための国際電話申請をするのにボンド(保証金)がかかり、つながるのに1ヶ月以上待ちましたもんね。「なんでこんな目に、、」という感じでしたけど、でも翻って考えてみれば、日本で仕事して駆けずり回ってた頃に比べてみたら、「遊んでるみたいなもんだなー」とは思えました。なんせ仕事しなくていいんだもん。もうそれだけでスーパー天国ですよ。

生活ノウハウ
さて、話戻って、一括パックの最新ヴァージョンですが、昔のように、「安いよ」「美味しいよ」「量がすごいよ」と気楽に買い食いをオススメできなくなりました。美味しさは変わらないにせよ、安くないし、量も年々減っている(実質値上げね)。もう日本でお金稼ぐの大変すぎるし、こっちの物価高すぎです。昔はオーストラリアの何を見ても安かったのに、今は真逆。

なので、一括パックでは安くて簡単な自炊の方法とか教えてましたけど、だんだん真剣度が上がって一緒にスーパーに買い出しにいって、量り売りはこうしろとか実地で教えるようにもなりました。切実度があがってるし。

ということで学校見学の前後に、お二人をつれてスーパーをハシゴして、あれこれと。大体の相場とかね。幸いこちらは高くなったとは言え、日本よりも価格のバリエーションが広い。探せば安いものもあるし、生鮮モノの質は良いですから、いくらでも手はあります。

これは二日目の最後に、ついでに教えてあげるわってことで、アジア系スーパーを。冷凍餃子とか、現地で人気爆発のインドネシア焼きそば(ミゴレン、超安い)とか。

話があちこち飛んで、とっちらかってしまってますが、初日の進行は、空港お迎え、OpalCard購入(使用方法説明)、携帯電話SIMのActivation、学校見学(スタッフの方の都合で初日に回した)、そのためのバス移動の実地体験、バッパーのチェックインと内部探検、最後に荷物を車で運ぶ、ということをしました。

タウンホールにて

初日のバッパーのチェックイン

YHAのセントラル。昔はYHA Glebeがよかったけど無くなってしまったし、後述のようにシェア探しが広範囲になるなら、アクセスの良いセントラル駅横のほうがいいかと。
一棟まるまるバッパーなので、安宿というイメージではなく、普通にホテルみたいな。

これは四人部屋の風景

長くなりそうなので、ここで一回切ります。
後編はシェア探し物語を書きます。

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