コロナ後の渡豪~手探りマニュアル

丸二年ぶりの国境開放のオーストラリア
氷河期冬眠から覚めつつある現状で、なにが問題で、なにがどうなってるかの現状報告とマニュアル

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※2022年07月06日以降、渡豪にあたっての制約がほぼ全て撤廃されました。ワクチン未接種でも渡豪することが出来ますし、渡豪前の陰性証明も不要になりました(唯一、フライト中のマスクだけ残ってます)。

オーストラリアでも徐々に国境が開放されつつあります。既に日本人の場合は、21年12月から開いてますし、22年2月21日からは全世界に対して開放します。が、それでもあれこれ条件があり、これが実際にやってみると無理ゲー的な部分もありーので、ややこしいです。
それとは別に、丸2年も国境閉鎖してきた関係で、語学学校なども厳しい状況であるし、シェア探し、バイト探しその他についても然りです。

日々刻々と情勢は変るのでしょうが、22年2月初期段階ではこうだったという状況報告と、この時点でのマニュアルを作りました。ご参考になれば幸いです。

第一、出国から入国まで(22年7月6日以降不要です)
まず国境開放といっても、2回ワクチンを射った人はという限定が入ります。

未接種の人は、事実上まだ無理だと思ったほうがいいかもです。国民や永住者であっても、2週間隔離(2月21日から1週間になるが)の他、travel exemptionという(許可)を得ないといけないというクソ面倒くさいことになってます。ましてや一般観光客や留学生だとなおさら。
この種の規制は、官僚の常ですが非常に細かくてわかりにくいし、一箇所にまとめて書いてくれているわけでもない。そして複雑で面倒すぎるので現場ではいい加減になってるという惨状ですので、ヨーロッパの各国で既になされているような「全面解禁」まで待ったほうがいいかもです。遅かれ早かれそうなるでしょう。観光業界も瀕死の状態だし(これまで手厚い補償があったけど、それももう切れてるし)、そのための解禁なんだけど、ワクチン射っていてさえ、次に述べるような面倒くさい(そして無意味な)ことを要求してるから、そんなに観光客は増えないと思われます。だから背に腹は代えられず、どんどんゆるくはなるだろう。しかし、当初から終始一貫、どこの国も全然合理的に動いてないので、正直なんとも言えません。

以下二回射った人について書きます。
詳細は政府のサイト https://covid19.homeaffairs.gov.au/vaccinated-travellersにあります。
ワクチン二回射ったことの、ワクチンの定義はオーストラリアの認可ワクチンであり、その接種証明が必要です。このあたりは日本のワクチンと、公的な証明でも大体いけるはずですし、それほど難しくはないでしょう(調べればいくらでもあるし)。

あとデジタル旅行者申告
https://covid19.homeaffairs.gov.au/digital-passenger-declaration
オンラインでやりますが、これもそんな難しくはないでしょう。

問題は、(1)出国前の陰性証明、(2)入国後の扱いです。
(1)出国前の陰性証明
72時間以内のPCR陰性証明に加えて、24時間以内のRAT陰性証明でも良くなりました。
しかし、これが曲者です。なぜなら、単にRAT検査を自分でやるだけではなく、それが陰性であった「証明」が必要だからです。
その内容は、
Inbound international travel のPre-departure testingの項目に書いてあるんですけど、ダラダラ英文で書いてあるのでわかりにくい。
https://www.health.gov.au/health-alerts/covid-19/international-travel/inbound#predeparture-testing

だけど、ここに陰性を証明するための必要条件が書かれており、これが完備されてないと、日本の空港のチェックインで弾かれてしまいます。つまり飛行機乗れないわ、航空券パーになるかもだわという、いきなりピンチ状態です。

オーストラリア政府も馬鹿の極みと言うか、要求するなら各航空会社にRATキット配って、チェックインときにやってくださいねーとかやればいいのに、個々人に丸投げ。日本語訳もなし。

そこで仕方なく、僕の方で、求められている事項を拾って、簡単なRAT陰性証明のひながたを作りました。そういうのは元弁護士だから苦がないのですが。

参考になるかどうかわかりませんが、ここでシェアしますね。

***********
Certificate of Negative result of Rapid Antigen Test
(陰性証明の英語フォーム)

To whom it may concerned
(関係者各位、という意味で冒頭に書く場合が多い)

I, (ここに実施した医者や看護師などの名前を書く) have supervised negative
rapid antigen test (RAT) result of this person as bellow:,

Name :あなたの名前
Date of Birth: 生年月日
Test Result :Negative
Method of the test : rapid antigen test (RAT)
Brand and Make of the test : これは検査キットの商品名など適当に
Date and time of specimen collection : 実施した日時(出発24時間以内におさまるように)
The place of test :検査した場所

The specimen collection and the test itself was carried out appropriately under my supervision.

Date :これは医師などのサインをした日

Name :医師の名前 最初に活字体で書いて(読めるように)、あとでサイン(崩した感じ)ハンコは別にいらない。

**********

これ面倒くさかったら、72時間以内のPCR検査の方がまだ楽かもしれないです。あの陰性証明は英訳のものとか出回ってると思いますしね。RATみたいに自分でプリントアウトして、医者にサインを求めたりとか面倒なことしなくていいですから。

★直近で来られた方のお話によると、その方は日本の地方空港から羽田空港にいき、そこからシドニーに直行されたわけですが、地方空港と羽田空港、その両方のチェックインカウンターで書類を求められたそうです。
すなわち、ワクチン接種証明と、上に書いたRAT陰性証明。これ作ってなかったら、地元の空港で玉砕していたところだったそうです。

★ただし、これは空港により、航空会社により、さらにいえばその担当官によりマチマチだそうです。全国一律にかっちりやってるわけでもない。てか、そんなの無理でしょ。百何カ国もあるんだし、毎日変るんだし、覚えきれないよ。

★あとでも述べるが、関門になるのは日本の空港のチェックインカウンター「だけ」と言っていいです。オーストラリアはフリーパス状態みたい。

(2)入国後=州によって違う
これが連邦制度のややこしいところで、州によってかなり違います。NSW州(シドニー)とかVIC州は、一番往来が激しく経済も活発なので一番開けてます。逆にWA州とかは江戸幕府の鎖国みたいなことをしてます。

ここではNSW州の場合を。
今の所、RAT検査二回すること「だけ」です。到着後24時間以内にやり、6日以降にまたやると。

結論的にいえば、これ、政府が真面目にやってないです。シドニー空港でのチェックは一切なし。フリーで入れます。要するに厳しいのは日本のチェックインカウンターだけだと思ったらいいです。

なぜか?というと、検査が陽性だったときは、すぐに連絡して、自宅隔離7日間しなきゃならず、やらないと罰金もあります。でも、陰性だったときは何もしなくても良いのです。陰性である証明を用意する必要も無い。これ、おかしいでしょ?
だって、仮に陽性だったとしても、知らんぷりしてたら当局にも誰にもわからんわけですよ。それを防ぐためには、陰性証明を用意させて、必要とあれば提示させるとかすればいいのに、それもない。そもそも水際対策だったら日本でやってるように、オーストラリアの空港でRATテストやれば済む話です。10-15分で結果が出るんだから、飛行機内で配ったっていいくらいですよ。でも、それもやらない。

そもそも1月時点では感染者が急増して、PCR検査がパンクして、急遽RATでも良いことにしたけど、すぐに品切れになって買えない状態になってた。そこにもってきて、政府がよこから在庫を横取りしたという話があって(必死に否定してるけど、各問屋筋からの訴えからしてやってると思う)。つまりRATにしたものの、RATを十分に実施できる態勢構築が出来ていない。国内ですらそうなんだから、国外からの少ない入国者なんか蚊帳の外でしょう。考えてもいないって感じ。

結果、1月の段階では「無理ゲー」でした。よせばいいに「オーストラリアで認可されたRAT検査キット」とかいって50種類くらいあげてるんだけど、僕もさんざん調べたけど、こんなもんオーストラリア以外で手にはらないですよ。「同じ」って、販売元が同じだったらいいの?製造業者が同じだったらいいの?型番からなにから全部同じでないと駄目なの?全然わからん。オーストラリアのしょぼい工業生産力からして、大体が中国産とかそんなもんですよ。それを売る販売元はオーストラリアの会社です。「それと同じもの」なんかオーストラリア国外で手に入るわけもない。日本で売られているものが同じであるかどうかも検証のしようがない。そんなことするなら、「日本政府で認められているもの」と一行で済ませればいいのに、それもしない。馬鹿の極みです。

結果、まあこれが一番近いかなというのを日本で調べて買ってもらってやりましたけど、完璧は無理ですよ。僕だって、1月のはじめに、21日配送予定というのを信じて通販で買ったら、結局来たのは2月15日とかそんなもんで、何の意味もない。今は結構オーストラリアの薬局でも売ってますから、着いてから買えばいいですけどね。

ただここでは、規定を決めたものの、それを現実に運用する準備が全然出来てないし、やる気がないとしか思えないレベル、いややる気あるなし以前に、そこまで考えてない感じですね。それでも官僚の習性なのか、無駄に完璧なのを作るから(あとで責任を問われないように)、ますます無理ゲーになって誰も守ら(れ)ないから有名無実化するという、典型的な無能国家の図、です。

以上、整理するなら、いまの感じでは、最大の難関は日本の空港の、各航空会社のチェックインカウンターであり、そこで一番問題になるのは24時間以内のRTA検査です。なんせ24時間前にならないと(出発前日)着手出来ないんで始末に悪いんですよ。いざ医者に持っていったら、わしゃそんなもんサインしないぞとか言われたらたまらんし。その意味では以前のような72時間PCRの方が楽かもしれないですね。日本でいくら掛かるのかわからんけど。

国境開放といっても、まだそんなにフライトがあるわけでもない図
字が小さくて読みにくいかもしれないけど、一番上のフライトが朝の7時台、一番したが夜の9時台だから、平常時に比べたらありえないくらい少ない。

第二、規制と実際の対応策(22年7月6日以降不要です)

ここがいろいろと腐心したところですが、「もし陽性になったら」という可能性を考えて物事を決めないとならないことです。

(1)航空券のとり方
格安系の場合、そのフライトに乗れなかったら全部パーというのがあります。これだと直前に陽性になったら終わりです。なので、そういう場合には、フライト変更(多少払っても)ができる航空券の方が都合がいいです。
今の時点で、なにがどうなってるか、そこは僕にもわかりませんので、実際に買うときに電話して聞いてみたらいいです(航空会社直でも、代理店でも)。

(2)到着してからの宿
これも悩みどころです。もし陽性だったら7日お籠りをするために、ホテルを取らないといけない。そうなると一泊結構します。Airbnbだと安いけど、相手先にそれを受け入れてくれるかどうかの確認はしないと駄目です。「自宅療養」でいいんだから、一応それでもOKですが、しかし同居する人たちがいいかどうかは問題です。なんせ一回かかっても、ワクチン何回射っても、掛かる人は掛かるから始末が悪い。だから科学というよりは個々人の趣味の問題です。
それを避けるなら、一室に全部(バス・トイレ)あるホテル個室ですが、そうなると予算が数倍に跳ね上がります。
お世話する僕の方も、いざそうなったら、毎日食べ物とか必需品とか届けてあげなきゃねーとか覚悟してました。

つまり、到着して陰性になるか陽性になるかわからない以上、以前に宿をとることが出来ないということです。キャンセル料覚悟で両方取るなら別ですけど、そんな無駄もできないでしょう。
ただし、今の時点ではまだ入ってくる人もすくないので、結果が出てから宿取りしても十分OKでした。まだガラガラです。これがだんだん人が増えてきたら難しくなるのだけど、その頃にはこのやる気のない阿呆規制も解除されてるとは思います(そう願いたいよ、ほんと)。

(3)YHAの変化
コロナ前は、シドニーのYHAもたくさんあったのですが、コロナでかなり脱退しました。
これまで、Glebe YHAがベストに良かったんですけど(だからAPLaCの事務所もGlebeにした)、ここもYHAから脱退してしまいました。隣のVillageというところが経営するようになったようですが、ここにずっと住んでた人の話によると、だんだん客層が変わってきて、今ではホームレス手前のシェルターぽい感じになってて、ラウンド帰りとかだったらいいけど、来ていきなりの人にはハードル高すぎるんじゃないかって話でした。

ということで、値段と利便性を考えて、YHAのセントラル駅周辺のところ、2軒ありますが、YHA Centralではなく、YHA Railway Sqにしました。ここはほんと駅そば、というよりも駅構内にあるような利便性で、シェア探しの拠点には向いてるかなと。今回再訪してみて、昔に比べて、なんか良くなってる感じはしました。結構ひろびろとしてるし。写真参照です。

と思ってたら、セントラル駅の改装工事に伴って、一時的に閉鎖されてしまいました。やがては再オープンする予定らしいのですが、現在も閉鎖中なので気をつけてください。
結局、シドニーのYHAは、従来からのセントラル駅(Sydney Central YHA)と、オペラハウスの近くのロックス(Sydney Harbour YHA – The Rocks)の2つだけです。コロナ前にはシドニーで7つもYHAがあったのですけど。

もっとも、YHA=バックパッカー宿ではないですよ。YHA以外のバックパッカー宿は他にも沢山あります。そのあたりの関係は、ワーホリ実践講座:ラウンドのススメ(その3)宿についてをご参照ください。

ま、また人々が増えてくるにつれて、Glebeも復活するかしらんし、そこは様子見ですね~。

(4)語学学校
氷河期のように2年で、大分潰れましたもんね。SCEしかり、SELC(語学学校部門)しかり、Abilityも潰れし。残ったとしても、オンラインメインだったり、併設するビジネス学校で食いつないだり(コロナ前から滞在してる人々が滞在延長で需要はある)。だから対面授業再会になっても、まだまだ少ないです。だからクラス分けも荒くなるのは仕方ないです。もっともこれから増えてくるのを予想してるから、生徒数1人であってもクラスを作るとかいう感じではあります。

逆に言えば、早ければ早いほど人口密度が低いので、先生独り占め出来たりして、美味しい感じはしますね。それにこのまま人数減って死滅するというなら気が滅入るけど、どんどん増えてにぎやかになっていくんだから気持ち的には明るいでしょう。一番の古株として、先輩ヅラできるチャンスでもある(笑)。

(5)シェア探し
2年前のコロナ前と基本は同じですけど、ちょい安くなってる感じはしますね。
出物は少ないんだけど、でも全然売れてないから、同じこと。つまり、前は、西エリアに毎日10軒とか出てたのが、毎日数件に減ってる。でも前はすぐに売れたから3日前の広告だったら、It’s goneが多かったんだけど、今は一週間前でもまだ余裕で売れ残ってるから、アポ取り易いです。

これから学生さんが増えるにしたがって、また復活するところも増えるだろうし、最悪氷河期開けのいまの時期でこれだけだったら、そんな心配することはないでしょう。

(6)バイト探し
去年の12月でビジネス補償が切れたのですが(またNSW州でやってるけど、一部だけ)、それによって猛烈に店が潰れてます。ひどいもんです。でも、それ以上に、数十万人以上の留学ワーホリ生が消えてるので、職はあります。てか、全体にひどい人手不足です。景気は、インフレだのなんだので確実に悪くなってるんだけど、でも人手不足。これは世界的に同じなんだと思うけど、高給取りは要らないからリストラ、低給取り(そんな言葉ないけど)は欲しいから人手不足って感じです。

それが証拠、、、といえるかどうか、カフェとかにくと、不慣れな手付きで、タドタドしくやってる人が多いですもん。つまり新規採用がすごく多い。カフェとか、「オールラウンダー募集」とかいって、結構キャリア重視なところがあって、ウェイトスタッフもできれば、バリスタもできるし、簡単な料理だったら作れるし、カフェ歴5年ですみたいな人がゴロゴロいるんだけど、今は、そんなにいないから、狙い目でもあると思いますね。

最初によるジャパレスでも同じことだでしょう。

以上、また変化があったらお伝えしますが、ご参考になれば幸いです。

 

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