笹川さん@上越からの起業経過報告

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故郷の上越で頑張ってる卒業生の笹川さんからうれしいお便りをいただきましたので、みなとシェアしましょう。

笹川さんには、このブログでも直近の記事(今年=2018年の3月)があります
笹川枝里子さんのWH体験&後日談(1)~バイロン・ベイから上越へ
笹川枝里子さんのWH体験&後日談(2)~バイロン・ベイから上越へ

これらはオーストラリアのワーホリの最後の方から日本帰国後の経過を記したものですが、ワーホリから帰国後までの「つながり」が示されています。それがさらにどう発展したのか?が今回のメール。

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田村さん

ご返信ありがとうございます、 Discover Joetsuもみてくださりありがとうございましたm(_ _)m

> もう少し、まとめて、写真もつけて、送ってくれます?
> ブログに載せます。経過報告的に。

ありがとうございます! 4月から現在までの経過をもう少し詳しく報告します(助成金のことも詳しく書いていきます)

友達との縁

3月に保険会社を退職した後、4月から転職予定だった旅行会社(インバウンド担当)へは諸事情から入社辞退することになり、予想外の空白の時間ができたので、ともに会社を退職した友人とこれからのどうするかの作戦会議をしたり空いた時間は上越の町を散策したりしてました。

その友人とは縁があり、実は過去に2度同じ環境で働いていました。最初の出会いは9年ほど前、子ども英会話講師の同僚として。5年前、彼女は保険会社へ転職、同じタイミングで私は東南アジアにバックパッカーの旅や、オーストラリアにワーホリに行ったりしました。そしてオーストラリアから上越に戻ってきた2年前、彼女から同じ保険会社で働いてみないかと誘われ、深く考えずひとまず入社してみることに。営業のイロハを彼女や先輩方から学びました。

そして様々なご縁とタイミングにより、3月で保険会社も2人同時期に退職することとなり、ついに今度は自分たちでビジネスを立上げる流れになったのでした。英会話講師時代の自分たちが聞いたら、その時点では予想できない未来すぎて信じられないだろうなぁと。実際、保険会社で働いていた時も起業とか立ち上げとか憧れるけど、自分たちには縁のない世界だと思っていました。

写真:浴衣で町歩きイベントに参加した時。Discover Joetsuの取材も兼ねて

多くの人に背中を押され

そんな自分たちに「できる!やってみな!」と力強い言葉で背中を押してくださった経営者の方がおりまして、その方との出会いをきっかけに、沢山の人生の先輩方とのご縁が繋がりました。
一から自分で事業を始め今では大企業の代表をしている方、
長年勤めた仕事を辞めて本当に好きな事で独立した方、
長野県で外国人観光客向けのゲストハウスを経営している元証券マンの方etc…

色々な方から実際にお話を聞いたり、相談に乗ってもらう中で気づきがありました。
根本が自分の好きな事だから例えどんなに大変で辛い状況になっても、夢中になれるし楽しめるのだと。
また、自分が精神的にも金銭的にも満たされていると他の人にお裾分けしたくなる(自分の知っている情報を惜しみなく与えたり、人を紹介したり)から自然と助け合いの輪が広がって仕事もうまく回っていくのだと感じました。自分たちも将来、(先輩方がしてくれたように)挑戦したい人たちに自分たちの経験を伝えて「大丈夫だよ!」と心から言って背中を押したり、サポートしてあげられるようになりたいなぁと思いました。

「どうなるか分からないけどそれでも挑戦したい!」という気持ちと、ご縁のあった方々のサポートのお陰で起業を決意することが出来ました。

インバウンドに関わる事がしたいと思い起業を決意したものの、果たして自分達に何が出来るのか実際どうやってお金を稼いでいくのかの柱が決まらず、、ふわふわしてました。

初仕事~日本酒英訳
そんな時お世話になっている方から地元のお寿司屋さんを紹介して頂き、外国からのお客様向けに英語メニューの作成(フードとドリンクメニューの翻訳・日本酒の説明、デザイン)をさせて頂ける事になりました。
上越市に「インバウンド助成金」制度があり、外国人誘客に対する事業に対して経費の半分を市が負担してくれる事も分かり、インバウンドに対する需要は今後もっと増えてくると確信しました。 ちょうどフェリペ(チリ人パートナー)が1年ぶりに日本に来て3ヶ月上越に滞在していたので、彼に手伝ってもらいながら翻訳とメニューデザインを完成させました。
全てが初めての経験で、完成するのに2ヶ月程要しましたが、完成したものをお店の人にお渡しできた瞬間は本当に嬉しくて、初めてのお客様になって頂いた事の感謝でいっぱいになりました。

写真:作成したドリンクメニュー 日本酒の説明が苦労しました。もっと色々勉強しなくては、と痛感

またこの時期に、インスタグラムFacebookで “Discover Joetsu” を作り、英語で上越情報を発信し始めました。何気ない風景、美味しいもの、地域のイベントなど、自分達がいいなと思うものを自由に発信していく事にしました:)

助成金
同じ時期に、メンターの経営者の方から「起業チャレンジ助成金 (公益社団法人 にいがた産業創造機構(NICO) が起業をする人を対象に行っている助成金制度制度)」の事を教えて頂き、調べてみるとちょうど今年度の募集が始まった所だったので、応募してみる事にしました。

応募資格は開業届や法人登記をしていない起業予定の人で、助成金の交付条件は「創業に必要な経費(下限額50万円)について、その1/ 2以内、100万円を上限に支援します」との事。 助成対象事業が、「1年以上の事業計画が見込まれるもの」「3年以上の事業計画を策定するもの」とあるので、申請書の事業計画をしっかり書くことが大切でした。
地元の商工会議所の方に相談すると、助成金申請書(事業計画書)の中で特に大事なのが「創業または新事業立上げの動機」「セールスポイント」の項目で、ストーリーを意識してなるべく沢山書く事、写真や資料等のビジュアルも使って自分達のやる気をアピールするべし!との事だったのでその部分は特に力を入れました。
「今後3年間の事業計画(損益計画)、(売上高、売上原価、経費の計算根拠)」の項目が難しすぎて(経営の事が分からなすぎて)、申請の締切が目前に迫っても完成できず諦めかけました^^; 最後は商工会議所の方に夜の8時まで かかりきりで教えてもらい何とか完成し、締切当日になんとかポスト投函しました。採択方法は、「外部専門家である審査員が事業計画等の提出された書類をもとに審査」をして、点数加点方式で、点数の高い事業計画書から順に、助成金の枠がなくなるまでの事業計画が採択されるそうです。8月に起業チャンレンジ助成金に無事採択された連絡が来た事で、もう一段階腹をくくって、開業届を出しだり、銀行からお金を借りたり、トランスのロゴと名刺を作ったり、HPを作ることを決めたりと一気に動き出しました。

↓名刺(裏面)、ロゴはトランスのT と世界とを繋ぐ橋を表してます。上越

つながりと始動
またそんな時にシドニー時代の友人(栗原)つよしさんが上越に遊びに来てくれて、上越PRも兼ねて私たちのビデオを撮ってくれました!「上越いいところじゃん!」と言って外国人向け体験ツアーのアイディアを沢山くれて、本当にありがとうでした。

また8月にはオーストラリア仲間の(稲垣)慶子さんが”オーストラリアお話会”を上越で開催してくれました。オーストラリアで縁があった人達が上越に来てくれて、人と土地が繋がって刺激になったり新しい何かに繋がったり、何か面白いなぁと思いました^^

色々な方のサポートや紹介のお陰で、トランスとして色々な所から声をかけて頂けるようになってきました。 地元の旅行会社と連携して外国人向け日本体験ツアーの企画から携わらせて頂いたり、妙高・赤倉エリアでホテルやゲストハウスを経営しているオーストラリア人オーナー向けサポートサービス立ち上げに関わらせてもらっています(今年の冬から始動予定)

写真妙高DMOの人達と打ち合わせ(オーストラリアと台湾の方)

写真和菓子作り体験、実際に自分達で体験して感想をシェアしてる所。

また10月は、高田ロータリークラブの例会にて、オーストラリアで体験した暮らしを紹介させて頂く機会がありました、依頼があった時は「人前で話すなんて、、、避けたい」と恐れの感情が湧いたのですが、慶子さんが上越でオーストラリアお話会をしてくれて、それを間近でみれたお陰で、自分が体験を話しているイメージが湧き、断らずに挑戦する事が出来ました。全ては繋がってるなーと実感しました。とてもいい経験でした

9月、10月と 新しい出会いや 挑戦すべき事が盛りだくさんで、着実に前に進んでいるように思います。が、経営の先輩方からは、「全然動けてないじゃん!もっと動きなされ、頭で考える前に行動して何でもやってみなさい!」と咤激励されているので、もっと行動力つけてスピーディにやっていかなければという所です。
英語メニューの営業を(大半のお店に断られながらも)、続けていた所、少しずつですが仕事を頂けるようになってきました。

地域情報誌の取材を受けたとき

最終目的である、上越にもっと沢山の人を呼び込むというゴールにはまだまだ時間がかかりそうなので、インバウンドにこだわらず、自分たちの出来ることならば、何でもやってみようと思ってます。 小さな子ども向けの異文化体験イベントをしてほしい!というお声も頂いているので、そういう需要にも答えていけるようにしたいです。

現実にはまだまだ安定的な収入は得られていなくて、副業しながら何とか暮らしていけている状態です。でも毎日必死で夢中で楽しいです。笑

バイロンベイにいた時、心が自由になれなくて何故か不安で毎日モヤモヤしてしていた時に、サイキック能力(人のスピリットガイド (守護霊的な存在?)からのメッセージを伝えてくれた) のある方に、「今は安心して不安になってて大丈夫。孤独を感じているけど、この先同じ志を持った仲間に沢山出会える。地に足をつけてその土地に根ざしたことをやっていく事になる。あとあとになって、今私の言っている事が本当に理解できる時がくるよ、」と言われたことを最近よく思い出します。それって今のことなのかも、と思ってます。

5月に三重県津市に遊びに行った時の一枚

全てに意味があるんだなぁーと、自分がそう思えればそれでOKですかね。

まとまりのない文章で失礼しました><

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以下、田村雑感
最初のメールは、ほんの10行足らずの簡素な報告だったんですけど、これいい話だからシェアしようよ、もっと詳しく!ってリクエストして書いてもらいました。

直近では、日本に帰国したばっかの水貝くん(三重)と渡辺JUNJUNくんの二人が遊びにいったそうです。でも、あまりにもキャッキャ楽しくやりすぎて写真撮るのを忘れたそうで、写真はなし。

あと栗原くん(つよしくん)が上越に駆けつけてビデオ撮ってくれたってのを読んだときはほっこりしました。もともと来た時期が近くて、ふたりともまだシドニーの語学学校にいる時期に、和葉さんも一緒にNewtownとか遊びに行ったことがあります。FBの記事にしてます。2015年の10月のことですから今から3年前の話。https://scontent-syd2-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/12074502_1660317194206069_8598021698980389878_n.jpg?_nc_cat=103&_nc_ht=scontent-syd2-1.xx&oh=c8235ab18412976c75ba3b8260f3bbab&oe=5C76F5BC

今年になって、誰から聞いたのかな、石川ミナミさんだっけな、栗原くんまだシドニーにいて、ビデオとか作ってるらしいですよとか。でもって教えてもらったリンクで見たら、これがまた良い出来栄えで。
そして、その栗原くんに、僕がばったり出会うのです。今年の前半、まだ日本とかスイスに行く前、Colesで働き始めたころ、そのColesのマルーブラ店のガランとした夜のフードコートで、休憩とってたら、栗原くんが買い物に来て、え!お?と奇遇ですねーって話して(これはそのときの写真)
そのときに、同期の笹川さんの話をして、上越で起業するとか言ってるよー、栗原くんビデオすごいから、今度帰ったら手伝ってあげてよとか話してたんですよね。

Colesでばったり出会ったときの一枚

それが本当に上越まででかけていってビデオ撮ってくれて、いやあ、なんて律儀な奴なんだって。
彼のエピソードでは、笹川さんが参加したいイベントかなんかあるけどバイトがあるから行けなくてとか言ってたら、栗原くんがひとりでそのバイト先のジャパレスにいって、オーナーに直にかけあって、大事なことなので休ませてあげてください、本人は責任感強いから自分の口からは言えないだろうから、友達としてお願いしますって交渉してくれたそうです。
僕は、彼の、熱くて優しいところが大好きで、いやあ、変わってないなーとほっこりした、ということです。いいよね、オーストラリアの仲間っていうのは。

それともう一点、前回の記事に(WHから日本への体験談)で、WH最後の方のバイロンベイで、「楽しいけど寂しい」と悶々となってた頃の話。この「楽しいけど寂しい」って感覚、わかるような気がするのですね。
WHもやっていくうちに、どんどん感受性が鋭敏になってきて、表面的なお祭り的な感じ、とりあえずイケイケでイエーみたいな感じでは食い足りなくなってくる。もっとずしっとした本物が欲しくなってくる。でも無い。寂しい。まあ楽しいちゃ楽しいんだけど、でも欠落感。
そんなときに、町の公民館の飾り気のないイベントがあって、単に地元の人が歌って踊ってるだけで、設定も仕掛けもなく、いっそダサいくらいなんだけど、それにガビーンときて、自分が何を求めているのかのヒントが得られる。「素朴の本物」がいいんだって。

それがキーワードになって、上越を紹介するに際しても、見栄えがするとか、舞台映えするとか、絵になるとか、観光資源が~とか、そういうことじゃなくて、普通の人が普通にやってることなんだけど、それが本物であれば人の心を打つんじゃないか、そんな別に観光観光してなくてもいいんじゃないか、それなら自分らでも見つけ出して発信できるんじゃないかって感じにつながっていく。

前回の記事の最後の方に、
「ダイヤの原石のようなピュアなものが良いのでしょう。誰でもそうでしょう。でも、ダイヤの原石って要するにただの石ころですからねー。それが原石だと見抜くにはそれなりの鑑識眼がいる。キラッと光ってくれたら誰でもわかるんだけど、全然キラキラしてないんだけど、それでも気付く。ピュアさのカタチに囚われないというか、バイロンでの楽しいけど寂しい時代が、それを磨いていったような気がします。」
と書きましたが、ちゃんとつながって具体的に結実していってるのがうれしいです。

起業しました、Aやりました、Bやりましたってのも凄いことだしめでたいことなんだけど、僕としては、その「つながってる」って部分が、一番凄いなーって思うのです。

やっぱ一生懸命やってることや、自分の本当の感性に素直にやってることって、長い時間をかけてつながっていくんでしょうねー、、、、とか言葉にして書いてしまうと「たしかに本当に見えたものが、一般論にすりかえられる」((C)真島昌利)という危うさを孕む。
陳腐な一般論に落ちることなく、よくある感動ほのぼの物語やら、「おお頑張ってるなー」的一般記号的な反応に落とし込むこともせず、その内実や意味、その奇跡性をしっかり理解するのって、けっこう難しいですよ。自分が試されると言うか、それなりの精神のテンションと清冽さみたいなものが要るように思います。

あと、多分このままスクスクいくとは思うのですが、なまじ儲かり出してからが微妙というか、結構そこでぷっつんと糸が切れたりもするんで。経営って面白いんだけど、でも経営って言葉に騙されてはいけないというか、やっちゃいけないことをやるときのマジックワードも「経営」なんで。その意味では儲からないくらいのほうがいいですよ(笑)。

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