New Face:内藤さやさん

音大出のフルート奏者の内藤さん、ワーホリから学生ビザに

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コロナで国境閉鎖になってからNew Faceも全然なかったので、ひさしぶりです。

内藤さやさん、1年前にワーホリで来てて、残すところあと3ヶ月という段階で、将来的に学生ビザに切り替えようかなーということでご連絡いただきました。

最初にお会いしてから結構時間がたってしまったのですが、一気にドンと申し込んで学生ビザ申請にはしないで、少しづつ確かめながら進んできたからです。
というのは、内藤さん、まだオーストラリアで語学学校行ったことないし(来る前にフィリピンでちょっとやってたし、ある程度できるし)、着いてから生活のためにあれこれバイトに励んでたこともあってラウンドはおろか旅行もろくすっぽいってないというし、「これでワーホリ終わってしまっていいのか問題」があるな、と。

ご本人にも言ったのですが、WHビザが切れるまであと3ヶ月くらいあるのだし、ちょっと軽くラウンドでもしたら?とか、シドニー近郊でもHelpX体験も出来るし、学校も一気にドンと申し込む前に「どんなもんか?バイトと両立できるのか」で数週間でもお試しで行ってみたらとか、そのあたりを話してたわけです。

こういうのってエージェント的には愚劣なことで、カモが葱背負ってやってきたんだから、思いっきり高くて長いコースを申し込ませてがっぽりコミッションを貰うのが、「経済的合理性」「生産性」があることなんだけど、でも、それ、なんかイヤでしょー?そんなもんが「ビジネス」だというなら、ビジネスなんかせんでもええわ。

ということでいくつかの学校を一緒に見て、あれこれ悩んでもらって、結局そのときはボンダイのSELCに5週だけ申し込みました。懸案のラウンド旅行は、その頃から地域エゴ丸出し的に州境が封鎖されだして、こりゃーヘタに動かないほうがいいかな?的な感じになってお預け状態です。そのあと、逐次的にシェア物件をピックアップして送ったり、履歴書作ったりといういつもの付帯サービスも。

初めてオーストラリアの学校は、「めっちゃ楽しい!」そうで良かったんですけど、今度は御存知の通りSELC(の英語学校)がコケてしまって、僕のところにも管財人から分厚い書類が送ってきましたが、とりあえず「お試し」=オーストラリアの語学学校に1年通っても大丈夫そうか?はOKでした。

で、またイチから学校見学をやって(笑)、今度はIHのボンダイ校になりました。やっぱボンダイが好きになったのと、もう一つはIHはダーウィン校とかあるし、途中で転校できるので、ラウンドできなかった分を取り返せるかも、という期待分もあります。

でも、今はどこの学校さんも大変で、授業料なんかも半額くらいですよね。え、この値段でいけるの?嘘!って僕も思ったもん。週400ドル近辺が週200ドルを切ってたりとか。これって、ある意味チャンスですよね。遅かれ早かれ国境は開くだろうし、完全に開いて平常に戻ったらまた料金も上がるだろうしね。日本で無駄に待ってるくらいなら、オンラインでも開始しちゃえばいいという話もあります。永住目指す人だったら年齢点があるから、一刻も早くIELTS7は取っておきたいでしょ(7くらいないと戦えないよ)。かといって申し込んだわ、国境が開かなすぎて潰れたわでも困るし。だからそのあたりは「相場」みたいなもので、時局を見極めて行動ということですね。

話戻して内藤さんですが、彼女は音大出身です。フルート奏者。
フルートといえば、実はAPLaC界隈に意外と多い。今もこっちにいる鎌田さんもそうだし、先日永住権とった中田美洋子さんもそうだし、去年に日本に帰った方そうだし、実はAPLaCを一緒に立ち上げた福島もフルート奏者。多いですよね。

もっとも、クラシック演奏者がプロになるのは、弁護士や医者になる百倍は難しいでしょう。漫画家やプロスポーツ選手になるよりも難しいだろうなー。なんせ稼げる業界エリアが狭いですから。それに前任者が引退するまで長いですからねー。楽器にもよるだろうけど、「10年に一人」くらいの才能じゃ無理かも。N響なんか超エリートの集まりでしょう。

ということで音楽一途でやってきたんだけど、卒業とともに(てか在学中から周囲が鬼と化物の巣窟過ぎて)、一般世間に出るわけですが、内藤さんの場合、これがまた時代の最先端である若い労働者使い捨ての世界。もう年々すごくなってるみたいで、今日のオーストラリアの新聞にもあったけど、シドニーでも西の方の若年失業率は20%を越えている、全国平均で6.7%とかいっても意味ないし、前よりも多少失業率が下がったのはほとんどがUberなどギグ・エコノミーをやるから改善されてるだけの話。

内藤さんの場合、あれこれ就活やるけど、IT系のカスタマーサポートとかそのあたりのやつで、これってあんまりスパイラルであがっていかず、同じ地平をぐるぐる廻る感じで、どうしたもんかでワーホリに。こちらに来てから、日系の会社で営業とかやるけど、これもインターンみたいな扱いで結局無給のまんま。こらあかんわで、もともと物怖じしないこともあり(そう見受けられます)、ローカルのバイトをいろいろと。生活のmake ends meet(帳尻を合わせること)でやってるうちに、気づけばWHも終わり、これでいいのか、、、で冒頭に戻ります。

内藤さん、お母様がフィリピンで、その意味では三浦ロナルドくんと同じですね(先日はITのアドバイス、ありがとうでした)。内藤さんのお母さんも実は英語ペラペラだそうで、将来的にそっちに住むことも可能性としてはあり、またお母さん好きだから来たるべき介護も考えて、英語学校の次はAged Careを勉強しようと考えておられます。昨今のコロナで注目の。てか、僕だっておふくろの世話がだんだん近づいてる感じだし、誰もが当事者でしょ、こんなの。もう、中高時代から正規に介護とか科目を新設して教えればいいのに(骨粗鬆症対応とか、お風呂の入れ方とか、初期の認知症への対応とか)、そういう教育論ってないね。

しかし、国境も早く開けろよって感じですよね、本来なら内藤さんのような出会いが今年はあと十数ないし数十あった筈なんだけど。それ以上に、国外にいるオージーが戻ってこれなくて、中には資金も尽きて外国でホームレスになってるオージーもいるらしくて、可哀想すぎますよね。早く開けてくれい。

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