菊川さん NZ永住権に曙光が

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「永住権十年戦争」とは僕がネーミングしたものですが、そのくらい紆余曲折がある。菊川さんも、日本をでてから丸9年経過し、今もパートナーとともにNZで頑張ってますが、今日、うれしいメールが。永住権の目処がつきそうだと。

いやあ、最近コロナで収容所化してて、そんな永住権とかビザとかまるで動きがなかったんですけど、ここにきて、NZ政府が動き始めたようです。そういう最新事情も含めて、菊川さんのメール(の一部)をご許可を得て転載します。

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田村さん
こんにちは、お久しぶりです。お元気でいらっしゃいますか?

今朝NZ政府から、2021 Resident Visaという一回限りの永住権スキームが発表されて、来年中に永住権がおりそうです!

New 2021 Resident Visa

パートナーがそれまで雇用を保ち続けられれば、ですが…。
私は彼との関係性に基づいたオープンワークビザなので該当しませんが、
彼が該当します。
かなり緩い条件で、16万5000人が該当する見込みだそうです。
(NZの人口500万という人口比で言えば)日本で400万人超の外国人に永住権を今後一年で出すようなものですかね。

彼が今持っているビザは30ヶ月のワークビザで、24ヶ月が過ぎたら永住権申請できるものです。10月11日に24ヶ月が終わるので書類集めも終盤に取り掛かっていたところでの知らせでした。

今の与党が政権についてから永住権審査期間がどんどん長くなり、
申請してから結果が出るまで24か月待ち、というのも珍しくないレベルで、
「来月申請して、永住権が下りるのは2023年の10月、いや今移民局のオフィスがあるオークランドがロックダウンで紙ベースのビザの審査(永住権申請はすべて紙ベース)が止まっているからもっと長いかも…」と
絶望していたのですが、基準がすごく緩いファストトラック式なので、私達が申請できる2021年3月からそう遠くない日に永住権が下りそうです。それでもまだ数カ月~一年先の話ですが、2年よりはるかに短い時間になりました。

2016年5月にいただいた田村さんからのメールで、私たちの永住権について
「結果的には今予想もしてないような曲折を経てゴールに行くと思います。」
と言っていただいたのをずっと覚えていました。
まさかこんな形でゴールできそうになるとは、全く予想できませんでした。

昨晩から、「One-off Resident Visaなるものが来るらしいぞ」と
FBのNZの移民が集まるグループのポストに投稿されていて、
移民弁護士達も「今のところ、聞いている情報はこれ」と投稿していたりして、
「本当かな」と半信半疑でいたら「明日アナウンスあり」とニュース記事が流れてきて、発表は今朝の5時で、起きたら終わっていました。

昨晩からの感想は、「政権与党、ありがとう」ではなく、「勝った」でした…。
移民は本当にひどい扱いを受けてきたのでたくさん署名を出したり、デモもたくさんしましたし、メディアに顔と名前を出して話をした人達も多くいましたし、
移民局に対して裁判を起こした人達に移民皆で寄付したり、移民の側に立って戦ってくれたキウイもいましたし、与えられたものではなく、皆で勝ち取ったものという思いがあります。

2012年5月に日本を出てから9年超経ちました。
何だか今日は胸がいっぱいで、何をしても身が入りません!
まだ永住権を実際に手にするまで油断はできませんが…。

とりとめなく書いてしまいましたが、ご報告まで。

田村返信
菊川さん 田村です
まずはおめでとうございます。まあ、喜ぶのはまだ早いし、状況が流動的なので、そのあたりのバランス感覚は必要なんだけど、それでも大きな前進です。
これであとで撤回されたとしても、橋頭堡は築けているから、大きな前進になるでしょう。

> 「結果的には今予想もしてないような曲折を経てゴールに行くと思います。」> と言っていただいたのをずっと覚えていました。
> まさかこんな形でゴールできそうになるとは、全く予想できませんでした。

これはほんと、そう感じたんですよね。
始点と終点は見えているというか、始点はこっちにくるときに「やってみせます!」と言い切った覚悟です。これだけ原点がしっかりしてて、しかも何年たってもブレてないなら、どういう経緯かはわからないけど、必ずや達成するだろうと。
山奥の水源から、どこかの川を経て、やがて大海に出るようなもので、途中の川の部分はよくわからないんだけど、でも、最後には海まで行くだろう。

もっとも、ほんとうの意味での「海」は、NZの永住権ではないでしょうね。
もっと先にあると思います。なんというか、「気持ちわるいものに妥協して、自分を殺して、歪めて、生きていくことでは”ない”生き方」なのでしょう。
それは最終ゴールでもあるけど、毎日の実践でもあるのでしょう。

菊川さん再返信
田村さん お早いご返信、ありがとうございます!

>なんというか、「気持ちわるいものに妥協して、自分を殺して、歪めて、生きていくことでは”ない”生き方」なのでしょう。それは最終ゴールでもあるけど、毎日の実践でもあるのでしょう。

しっくりきました。
日本を出て九年経って、未だに?って感じですけど
毎日自分を殺すことがなくて、どんどん自分が解放されていくみたいで気持ちいいんですよね。
でも、日系の職場で働いたり(去年は寿司屋で二カ月働いてました)、精神的には日本にいるような日本人に接すると何か水が合ってないというか、悪意が多すぎて気が重くなるというか…。人の善意が信じられなくなる感じです。
自分はたまたま日本生まれ日本育ちで、日本語が母語で日本文化の影響を受けてるけど中身は西洋人なのかなとかふと思います。「西洋」って言っても広いですけど。。

今日一日ニュースや記者会見を追いかけていたら、どうも申請料が2000NZD代になりそう(高い!)だとか、彼と私の24ヶ月で出すビザは再来週申請しても審査されるのかとか、30ヶ月が来年四月上旬に来るのでその間をつなぐビザを申請しないといけないからそのビザ申請料も入れるとまさか三つ分支払いで合計5000ドル弱かかるのか?とかキャッチがちょっと見えてきました。まあ、申請料金については永住権で一生ものなので彼に貯金がなくても私が貯金をはたくつもりです。

最近ではもうNZに見切りをつけて、プランBとしてカナダの永住権申請要件を調べて、カナダの永住権申請準備ももうすぐ始めるところでした。カナダは気候変動・温暖化の影響で今後は人間が住める土地の面積が広がるので良いと聞いて…。
さらにプランCでアイルランド行きも考えて、そっちの必要書類も調べてました。

FBで紹介していただいても全く構いません!
へえー、こんなこともあるんだー、って感じで他の人に見てもらえたら。

 

※冒頭の画像は、NZの新しい簡易永住ビザを報道する世界のメディア(これはBroomberg)

ただ菊川さんも書かれているように、政府が頑張ったというよりも、永住希望のみんなが頑張った、勝ち取ったって感じですね。下は、そのためのPetition(請願)に関する記事ですけど、営々たる努力の末って側面は見逃してはならないと思います(単に待ってるだけではなく)。

 

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