2021年にワーホリとして渡豪された三橋くんが久しぶりに会社のシドニー出張の折に顔をだしてくれました。
体験談はKenny(K.M)君のワーホリ+留学体験記にありますが(まだ直筆の頃頃ですねー)、ここでは三橋くんと書きます。末尾に彼の会社の人材募集もあるし。
彼の体験談はめちゃくちゃ面白く、ハードな修行僧モードとダークな堕天使モードがあって、「極端なんだよ」って感じ。体験談にも書かれてますが、エピソード満載。最初の一括パックの時点で、シェア見学で酔っ払ったオヤジ(オーナー)につきあわされ、ほうほうの体で逃げてきたというプチ監禁事件とか面白かったですねえ。朝の5時過ぎまでシェア探しやってたのは彼くらいでしょう(泊まった人はいたけど)。タスマニアのチェリーピッキング・ゴールドラッシュで誰よりも先に仕事を見つけ、誰よりも最後まで仕事をし、週給2500ドル稼いだとか。そうかと思うと失恋ハートブレイクでラウンド先のバッパーで地蔵と化して、「こんなレイジーな人間初めて見た」とイタリア人の友人に言われ、「彼に食べさせるゴハンを用意する人の週間担当表」まで作ってもらってたとか。
もともと大学終わる頃から公認会計士試験目指して修行僧モードで、そこは僕の司法試験モードと同じ。でもどっかの時点でやめて、それから「いろいろ」と起業したり、ジゴロやったり、あんまり履歴書に書けない系の。それが一念発起でWHに着て人生リボーンという。WH後はとある会社に入り、「海外行きたい」と言い続けてたらNZ赴任になって、NZ生活も長くなり、今は日本に戻ってますが(東京中央区=聞けば高校時代の僕(佃)の近所)。でもこれまでのキャリアでNZ永住権もリーチかけられるそうで、どうしようかなーと。クソ頑張って実績残したこともあり(水も合ってたんだろうけど)、今ではホールディング統括会社の結構なポジションにいてガチ多忙な日々。奥さんも娘さん(8歳)もいて、年収もかなりでパパ業やってるそうです。
12時予定が1時半に変更し、さらに空港でカスタムが超混んでて遅れ、結局来られたのは3時前くらい。そこからあれこれおしゃべりして、あっという間にお2時間以上の歓談になりました。
話はWH当時のことや、今現在の会社のことなどが脈絡なく入り乱れて(雑談なんかそんなもんだけど)、でも、10年以上の時間を隔てても、当時の感覚そのまんまで、人というのは変わらんもんだなーと思った次第です。
当時でいえば、未発表のものもあったんじゃなかったかなーと漁ったところ、
↑一括パックの頃で、まだ着いて二日目くらいかな。当時はスマホのGoogle Mapがまだ無くて、地図一択。でも地図で見たほうが早く土地勘はできますけどね。
↑これは記録によると、2011年の8月くらいで、三橋君が学校終わってラウンドに行く頃かなー。左の二人は去年(2010年)来た先輩でラウンド帰りor途中。真ん中の池君が体験談を書いてくれた日だったと思います。左端の礼子さんは、今はカナダで永住、ママさん業。三橋君は来てまだ4ヶ月くらいで硬いですねー。一年先輩達の物柔らかなリラックス笑顔と比べると、経験が人を作るというのは本当だなと思うわ。
過去と現在をつなぐものとして、意外にも奥さんがそうらしいです。なんと通ってた語学学校(SCE)が同じ(在学期間は違うのかな)。経緯で言えば、SCEはいって最初の彼女がSCEで出来て、しばらく付き合ったけど結局分かれて、ハートブレイク堕天使になって。その最初の彼女と今の奥さんが実は知り合いで(あとから知った)、って経緯は良くわからないけど、体験談の時点では学校時代はガチガチに勉強しまくてったように書いたけど、なんだ、やることやってんじゃんって思っただけです。でも続いているのは何より。
仕事の話とWH時代の話が共通するのは、彼は対人交渉力がある。またアイディアもある。ファーム探しのために、釣り道具を仕入れて(釣りが好きということもあるけど)どっかの川で目立つように釣り糸垂らしてると、地元の同好の士と知り合いになり、そこでコネを作ってファームを見つけると。こういうアイディアをゼロから自分で思いついて実行できる人は、そうはいない。それがあるから、今の会社でも大きな仕事を任されるようです。NZだけではなく、AUSの統括責任者になるかもとか言ってましたし、創業社長の覚えも良いようです。
NZ時代にもかなりシェアを伸ばしたようだし(4-50%までいったとか)。
今の部署の経営企画には、彼以外は、東大、京大、MBA持ちの巣窟らしく、一般民間あがりは彼だけ。だけど彼が一番稼ぐそうで、彼らは「お利口な書面」(僕の表現)を作るのは上手なんだけど、ザラザラした人間の機微が今ひとつわからんのではと。てか、わかる方が珍しいでしょう。相手が何を考えているのか、相手は何がほしいのか、何をビビっているのか、そのあたりが彼には皮膚感覚でわかるようで、逆に「え、なんで気づかないの、今言ってくれたじゃん」とか思うそうです。
創業社長も彼の力を見抜いているのか、彼の動かし方が上手いそうです。難しい案件でないと燃えないので、微妙に難しい仕事ばっか振ってくるそうです。結局燃えちゃって、朝から晩まで仕事漬けだそうです。
↓バリバリやってる風な感じ
ここで語るべき点が2つでてきて、一つは、なんで彼はわかるのか?ですけど、僕が推測するに、先天的なものもあるんだろうけど、履歴書に書けない期間があるからだと。「極道時代」と僕は表現してますが、極道といっても別に犯罪的なソレではなく、僕が司法試験受験をやってた頃も「極道」だし、中高時代、勉強もそこそこにロック聴きまくったり、本読み漁ってたのもそうでしょう。芝居でも、音楽でも、旅でもなんでも、かーなりムキになって好き勝手やってて、世間のレールからはみだしてる時代です。ディープな恋愛なんかもそうかもしれない(不倫も含めて)。この時期にすごく大きなものを学ぶのだと思う。思えば、ワーホリ時代こそが最大の極道とも言えます。
なんせ、お手本やルートがないから、全部自分で考えて、自分で決断し、自分で責任を取らなきゃいけない。何をやれば正解というのもない。面白いかどうかで動くから感性も研ぎ澄まされるし、それを無力な自分がやろうというのだから、他の人たちの協力を仰がねばならないから、人間関係のあれこれを学ぶ。
よく言いますし、いずれまとめてエッセイ化してもいんだけど、「バックヤード」です。スーパーや量販店の在庫品の置き場のような部分。よく高校時代の友達にやたら面白いヤツとかいませんでしたか?話がとにかく面白い友達。で、聞いていくと、「お前、なんでそんなこと知ってるの?」という知識が山程ある。多分好きが昂じてあっちを見たり、こっちを噛んだりしているうちに蓄積されるんだろうけど、それがバックヤードです。この膨大で肥沃な後背地があるからこそです。それは豊かな森のめぐみが近くの河口に流れ、その海域の魚たちの格好の餌になり、結果そこで捕れた魚は美味いというのと同じことです。
第2点はミッドライフ問題です。ギリホリできて2回目もなかった彼は、今はもう44歳とかいってました。で、聞いてると、充実と虚無が点滅している感じ。まるで量子力学の「あるけど無い」みたいな感じで、すごい頑張ってる、仕事おもしれーとは思うんだけど、振り返ってWH時代の燃焼感からしたら全然大したことない。仕事も家庭も充実してるんだけど、なんか足んない。そこへもってきて、だんだん身体もしんどくなってくる。うーむ、というね。
ま、どっかで赤い玉がコロンと出てきて、打ち止めでーすってときがくるんじゃない?とは言っておきましたけど。そうなったら一家揃って熊本の阿蘇山麓あたりで養蜂業でもやったらー?とか無責任なことを言ってました。
バックヤードから蔵出ししてくると、小学校の頃に読んだ司馬遼太郎の「国盗り物語」に書いてありましたが、巨大な業績を成し遂げた英雄というものは、巨大な野心と同じくらい巨大な虚無感を抱えている。成功すればするほど、充実すればするほど、虚無感も大きくなる、と。最初に読んだ小学生の頃、なんのこっちゃと思ったけど、だんだんわかるようになった。だから、虚無感との戦い、、、というのも違うな、馴染めませていく感じ。それがうまくいくと、あんま執着もしなくなるのでしょう。
役職的にもだんだん「他人にやらせる」部分が多くなり、これが自分がやるよりも何倍も消耗します。わりと人間通である彼をもってしても、ここが難しくて苦労しているそうです。まあ、ゲームとしてはまたレベルがあがって面白いとは思いますけど、身体は気をつけてください。
で、彼からの伝言で、人材募集広告です。
彼のいる会社は、日本の会社(東京)で、日本の中古車をオークションで落としてきて、海外の顧客に売りさばく仕事だそうです。
良い点は給料が高いこと。初任給で、優に30万円を超える。稼ぎが良ければ、ボーナスだけで一千万超える人もいるらしい。
悪い点は、表裏一体ですけど、仕事がキツい。ブラックというほどでもないんだけど、楽ではない。てか彼自身が激務になってるのは、自分でそう仕向けてるというか、自分でムキになってるからであって、そこは人それぞれでしょうけど。
面白い点は、海外のバイヤーと直接話せるし、一つとして同じ案件はないので、それが飽きずに面白いと。あと海外と接するので海外が好きで、コネもできてくるので将来のキャリアのタネにしたいとか思ってる人にも面白いかも。
彼は、今、NZに2週間いたと思ったら、東京に戻って、またオーストラリアにいって、またNZいってとか、行ったり来たりだそうです。
今の日本で人材を得るのは本当に難しいらしくて、教えても教えてもすぐ辞めちゃう。なので、ワーホリ上がりくらいの人がほしいと。
↓困ってる風のポーズ
仕事がキツイといって、ラウンド先のファームに比べたら全然楽だと言ってましたので、あれを体験してたらそれほどにも感じないでしょう。それに彼自身がAPLaC卒なんで、ブラックのためのブラックみたいなのが大嫌いだろうから、そういう感じではないんでしょうね。
なので、バリバリ働いてがっつり稼ぎたいって人は応募してください。随時OKだそうです。彼が採用もやってるそうで。
僕宛に送ってくれたら転送しますし、直に彼にメールしてくれもいいです。ken_corleone717@yahoo.co.jp です(メアド出してもらって構いませんって言ってるので)。
一応30歳までとなってるけど、「それじゃ、自分自身駄目だったじゃん」「ギリホリでWHやって、そこで覚醒して、超サイヤ人になった人も駄目なの?」と言ったら、30は目安程度ということです。
我と思わん方はどうぞ。
ということで仕事柄、オーストラリアに来られることも多いだろうし、またおいでませ。それに、僕が帰国した折にもオフにおいでって、激務だし、日本に居ない場合も多いだろうから、タイミングがあえば、ですね。