2024年帰省記(4)名古屋オフ

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津駅から名古屋まで近鉄電車で一直線。1時間ちょいで着きました。
Yoshiさんと二人で、ホームから歩きながら、「ところで金時計ってどこにあったっけ?」「さあ?」「まあとにかくJRの方にいけばいいんだろ?」的にテキトーに進んでたら、眼の前に「JR連絡通路」と書かれている改札があったので、そのまま抜けたら、後ろからYoshiさんが「違う」と叫んでて。JRの改札を通ってしまったらしく、このときはYoshiさんに助けられました。ありがとー。

今度はちゃんとJR方向に向けて歩いてたら、いきなり「これじゃないすか?」「あ、ほんとだ」と金時計発見。出たとこ勝負もいいとこですけど。

ところで過去に何度も名古屋駅に来たことあるんだけど、未だに良く分からないです。白い紙渡されて地図書いてみろって言われたら書けない。全体像が頭に入ってない。
なんでだろ?と思いつく理由はいくつもあって、まず京都駅における京都タワーのようにわかりやすいランドマークがない。また2つあるメイン出口のコントラストが弱い(こっちが裏口で寂れているから一発でわかるとか)。新宿もでかいけど、こっちが高層ビル、こっちが歌舞伎町と極端に違うからわかりやすい。また名古屋駅はJR、近鉄、名鉄がごちゃっと集まってる。大阪駅はJRと阪急(梅田)がL字型になってて、ちょっと離れて阪神電車とか位置関係がわかりやすい。また昔の大阪(今はそうでもない)は北側が極端にさびれていたのですぐ覚えられた。日本の大きな駅は大体南北に出口が配置される場合が多いから頭に地図が書きやすい、名古屋駅は縦斜め。あと、名古屋に行くときは大体名古屋駅は通過点でしかなく、目的地は別の栄であったり名古屋高裁であったりで、駅周辺をしみじみ滞在する機会が少なかったこともあるでしょう。

さて金時計のエスカレーターを上がると、ちょい早かったのか、まだ誰も来てないねーとか言ってたら、山木さん登場。4年ぶり?お懐かしや。ほどなくして木崎さん登場。顔覚えてるかなーと思ってたけど、見たら一発で思い出して、こちらから木崎さーんと呼びました。

ちょっと遅れて小西くん。彼、最初お子さんと一緒にとか書いてたので、親子連れを探してたけど、息子さんはこれなくなったみたいで単身登場。

これで全員集合(僕とYoshiさんいれて5名)で、いいね、簡単で。

じゃあ、あの名古屋めし行きますか?いいですよー、道わかります?あ、僕わかります、、って、地元民は話が早くて楽だわ。

今回も初対面率が高く、僕は全員知ってるけど(その意味で一番やりがいがない(笑)=友達が増えない=のが僕)、それ以外は、5年前の1回目の名古屋オフのときに山木さんと木崎さんが同席したくらいで、小西くんは(僕以外)全員初対面、Yoshiさんもそう。

だけど不思議なもんで、すぐに仲良くなるよね。なんかしらんけど話しやすいし。
僕だけ顔を知ってるということで、そこら辺を歩き回って小西くんを探している間も、あとの3人はすでに熱心に話し込んでいて。

名古屋めしに向かう途中から地下道に入りました。きれいでアーティスティックな空間になってて、へえ、進化してるじゃんって思った。

ここ十数年、日本に帰るたびに思うけど、一般に語られない部分で密かに進化してる部分はあります。表立って語られるマクロの経済の話、個人の生活の苦しさ、生きにくさは進化どころか劣化してるんだけど、それとは別に、本当の意味での文化(商業性の少ない)はじわじわと浸透してる気がします。
戦後のある時期までは、戦前世代がメインで、飢餓トラウマの餓鬼草紙世代だから、なんでもデカくて、量が多くて、「デラックス」というマーケティングで釣れた。次に戦争を知らない子どもたちの世代になると、ベビーブームの競争世代だからなんでも競争、序列、格付けに弱い。ブランドに弱い。量より質何だけど、その質が見栄だったりするのよねー。その後の世代が増えてくると、見栄とかよりもパーソナルなフィット感がメインにきてて、別に誇らしげに自慢するわけではなく、ナチュラルにいいと思うセンスでやってる気がします。街づくりとか、商品とか感じます。

さて、目的地は、ルーセントタワーという半月型フォルムのビルの地下一階。名古屋めしはすぐに見つかりました。日曜のランチタイムだから混んでるんじゃないかという心配もあったけど、まだそれほど混んでなかったです。

オーストラリアではまず絶対に食べられない(日本国内でも中京地区にいかないとなかなか見つからない)味噌カツ。岐阜修習時代に知って、好物になったのでした。

QRコードでスマホ注文でやったのですが、3人分を発注したYoshiさんがカートにいれた段階で発注したものと勘違いしてたので、3人のものが配膳されるまでえらく間が空きました。あれ、おかしいなと思った頃に、Yoshiさんが、すんませーんと懺悔を。

でもそんなの関係なく、ぺちゃくちゃ喋ってましたねー。木崎さん、小西くんは一回オーストラリアの永住権を取ったのに、また日本に戻ってきた組。木崎さんはすでに失効してしまったらしいのですが、小西くんは風前の灯火(26年まで)状態。二重国籍認めてくれりゃ、そんな心配もなく、オーストラリアの市民権(国籍)とればいいんだけど。でも、しれっと事実上の二重国籍状態の人って多いようですね。ダメといいつつ、実際何のチェックもしてないようだし、それで何の実害があるのかよくわからないし。
ただし、前にも書いた記憶あるけど、日本のパスポートをオーストラリアで更新するのはNGです。僕も去年あたりにやってわかったけど、申請書類にオーストラリアのビザ証明書がいるのですよ。VEVO(オーストラリアのビザ記録&証明システム)あたりの。オーストラリアの市民権を取ったらビザは消滅するから、これが出せない。あ、ビザが消滅するというのは、ビザというのは「外国人の滞在許可証」ですから、自国民になったらそんなもん要らない、だから消滅するという意味です。それは日本人が日本に住むのに日本ビザが要らないのと同じ理屈です。

僕も考えるけど、母親の存命中は日本国籍残しておこうかなーと思ってます。外国人になっちゃうと、なにかと面倒くさいのよねー。

一方、山木さんとは前回、前々回の話の続きで、いったん長野の田舎暮らしを夢みて移住したんだけど、また名古屋に戻ってきたと。長野は人気の土地なので、移住してきている人がたくさんおって、たくさんいるからコミュニティもあって。そうなると日本人の常で、なんとなくヒエラルキーができて、カーストができてとか、意外と面倒くさい感じもするとか。
でも、JUNJUNの宮崎事例を見てると、日向は外部からの移住者がそこそこいるらしい(海外帰りとか)けど、風通しはそんなに悪くない感じはしましたけどね。

でも、AがいやでBをしてるんだけど、A以上に特Aになってしまう現象というのはよくありますよね。ヤンキーの世界がそれで、社会一般の上下関係とかそういうのがイヤではみ出したけど、いざその世界にはいってみると世間よりもはるかにきつい上下関係があったりとか。そういう日本が嫌でワーホリに来たはずなんだけど、日本人ばっかの蛸壺シェアとかファームにいくと、古い人が偉いとか、派閥があったりとか、せっせと日本社会を再現しているという。
ちょっと離れてみてると滑稽なんだけど、まあ、人間なんかそんなもんでしょう。そういうのわかるだけに、自分の周囲ではそうなりたくないですねー。なってないと思うんだけど。

お店が混んできたので、そろそろ出ますか、次どうしますか?で、小西くんの提案で、近所のイオンモールにいけばなんかあるでしょってことで移動。

この小西くんの背負ってるバックパック、なんか見たことあるぞ、いっときオーストラリアのTwitterでやたら広告に出てたやつのような気がするぞと思って聞いたら、まさにそうでした、フォルムが特徴的なのですぐわかった。

でも小西くんなかなかオシャレねー。最後に名古屋駅まで送ってもらった車はテスラだったし(車が好きだそうな)、この直後にノリタケの森を見ませんかと提案してくれたのも小西くんだったし。
まあ本人に言わせれば、車を停めていたのがその先のイオンの駐車場だからですよってことなんだろうけど、日本でもけっこう快適な感じでやってて適応してるなーと。日本人がオーストラリアに行って適応するのはそんなに難しくないけど、オーストラリアに住んでしまった日本人が日本で適応するのは、それより難しいとおもうので。

下の写真に深い意味はなく、このあたりになると、もう「名古屋駅前」というカテゴリーを過ぎて、前回の名古屋オフ(OLD名古屋見聞ツアー)みたいな感じ。

これまで(&この先)の道のり順路を地図で示すとこんな感じ。名古屋駅からランチのルーセントタワーまでがちょっとあって、あとはその先をちょちょっと行ったという。

いきなりキレイな公園にでました。ノリタケの森。小西くんがここを突っ切ってイオンにいきましょう、博物館もありますよと。

ここで集合写真を。トップの写真とはちょっと違います。

ノリタケのショールーム

ここでノリタケってここにあるんだーと発見し、さらに書いてるうちに興味が湧いてきて調べてみました。日本にいるときは、あんま興味がなくて名前をかすかに聞いたことがあるという程度だったのですが、オーストラリアで陶器屋とかテーブルウェアの店(Victoria Basementとか多い)を冷やかしてて、お、いいなと思って、皿をひっくり返すとNORITAKEだった。最初は、の、のり、ていく(take)?と英語読みして、あ、これ日本語か、てかノリタケか。海外では結構なブランドで通用してます。
でもなんでこんな海苔巻きみたいな名前なんだろうと思ってたら、純然たる地名だったのですね。ここが名古屋市西区則武新町。
さらに会社概要や沿革をみてたら面白く、一時間以上調べてしまった。単に瀬戸物屋さんかと思ったら、明治から続く森村財閥というのがあって、一番最初は産業用陶器、碍子(電線の絶縁のための陶器)で、日本ガイシ(碍子)は今もグループ企業、そのつながりで研削砥石。さらに衛生陶器になり、これが今のTOTO。素材部分を独立させた共立マテリアル。これも有名な企業ですよね。なるほどテーブルウェアというよりも産業系から始まったわけね。

でもって、森村家六代目の森村市左衛門というのが偉くて、ここで一気に大きくなったようです。この人の生涯がすごくて、江戸は京橋の生まれ、7歳でお母さんに死なれ、呉服問屋で丁稚奉公、16歳で江戸の大火で全財産と家を失い、必死に再起したら17歳で安政の大地震で再び全焼。日雇い仕事をしながら必死に金を稼ぎ、家業である武具商にもどる。折からの幕末開国で横浜あたりで外国人から小間物を買受け、これを売りさばく。そこで大口の販路である土佐藩と中津藩と知り合う。中津藩といえば福沢諭吉で、以来森一族は慶応と仲良しになる(大口寄付ももちろんしている)。また土佐藩の板垣退助と知り合い、戊辰戦争で馬の鞍や軍服を売った。いまでいえば軍産複合体ですね。このままいけば政商になったんだろうけど、小樽で漁網を売ろうとして失敗、四国で鉱山開発をして失敗、結果破産してしまうところが面白いです。
以後書いてると長くなるので割愛しますが、ほーそうだったのか?と、企業の歴史は面白いです。

それはともかくイオンについて、気持ちの良さそうなテラスが見えたので、あそこまでいきましょうと。
あがっていくと眺めがいいです。

あれ、ここから名古屋城、見えるんですねー。

え、どこ?ほら、あそこ

ここでドーンとズームで、金の鯱まで。

ひさびさに16倍ズームの活躍。コンデジ買うときにズーム優先にしてたのは、オーストラリアでの野生動物とか撮る機会があるので、ズームが強力だといいんですよ(最近撮ってないけど)。

雨も降りそうで降らないまま、外のテラスでコメダ珈琲でまたおしゃべりしてました。

昨日、中村くんからお土産でもらったお菓子があったので、皆でシェアして食べてました。

いいですよねー、日曜の昼下がり、屋外のテーブルで他愛のない話をしてるというのは。何の話だったかあんまり覚えてないけど、なんでもいいんですよね。気の置けない友達とくっちゃべってるというのは、なんともいえず贅沢な時間って感じで、気持ちよかったです。

頃合いを見て、名古屋駅へ戻ります。
イオンの駐車場にある小西くんのテスラで。オーストラリアはテスラがやたら多く、石を投げたら当たるってくらい沢山あるものの中にはいったのは初めてでした。だいたい自分で乗ってると、他人の車に乗る機会ってそんなにないし。でも、ノートパソコンのような巨大なディスプレイが印象的で、規制さえOKになれば、このまま自動運転にいけるんだろうなーという画面が面白くて、見入ってました。
名古屋駅に付けるというのがなかなかむつかしいとおもうのだけど、小西くん、ありがとうございました。

最後にJRの改札のところで。

Yoshiさんに撮ってもらった。

名古屋駅のホーム

事前に調べたところでは、名古屋=京都は、昔よりも便利になってて、米原までの新快速、米原からの新快速と2つの新快速を乗り継ぐと2時間12分でいけた。昔はそんなに新快速がなくて、いちいち停まってたのでもっと時間がかかったもんです。京都から米原まででも20くらい駅があったけど、新快速だと10くらいしか停まらないから早い。安土とか栗東なんか停まらんもん。1時間かからないで京都までつく。このあたりは、エッセイでも書いたけど、遠距離恋愛やってる最中によく通ったので詳しいのだ。

あと名古屋からだとほぼ30分に一本、15時半、16時、16時半ってな感じで。もちろんその間に沢山電車は出ているんだけど、結局米原で待つ時間が長くなったり、米原までの所要時間が長くなったりで、米原発の時間は変わらず。意味があるのは30分単位だと。

Yoshiさんと二人で、うとうとしながら京都着。
Yoshiさん、これから西院の水貝くんと会って、夜のバスで東京に戻るという過労死モードに入りつつあります。最初、地下鉄→阪急とか教えてたけど、良く考えたらバスの方が簡単だし、早いし、楽だなと思ってバスルートを検索して、乗り場まで案内しました。その前に、ふたりで喫煙所まで歩いていって、おっかしーなー、このあたりに、、、ああ、あったぞ!とやってました。

あとで掲示板を見ると、水貝くんが無事にYoshiさんと一杯やれた旨書かれていて、良かったです。

ゆるーい感じで流してきたけど、けっこう長い一日でありました。Yoshiさんには、さらに長い一日だっただったろうなー。

 

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