気谷商店一時休業
この話、FBのみでやってる「こぼれ話」にしようかと思ったけど、写真の枚数が多いのでブログにします。写真が多いときのFBって見にくいので。また、過去にこのブログで書いたものの続編にもなるし。
一昨年の帰省のときに、手巻きタバコを日本で探そうとして堀川五条の気谷商店を探し当てる話を書きました。
去年の帰省のときも、京都に戻ってきたらここまでバイク飛ばして買いに行ってました。
今年も買いに行ったら、がびーんという事態が。
ここはいい味しているおばあちゃんが一人でやってたんですけど、そうか、腰を痛めはったんかー。一ヶ月以上入院って、なんともお気の毒なことで、、、(写真の電話番号後半はプライバシーに関わるかもしれないので伏せてあります)
こっちとしてアテにしていただけに、ここがダメになるとほかが思い当たらない。前もさんざん探してたし。
ということでまた家に帰って、ネットで調べまくって調べまくって、電話して、見つかったのは京都駅の隣駅の山科にある近江屋酒店という酒屋さんでした。酒屋さんなのに手巻きタバコ売ってくれているのね。こちらとしては大助かりで。ほかにも色々あるんだけど、どうも珍しいタバコを売ってるといっても手巻きじゃなかったり、それか葉巻に特化してたり、なかなか無いものです。
この酒屋さんは電話しても愛想良く、銘柄をいっても見てくれて、ありますよーと。おし、行くしかないし。
近くて遠い山科ってどこ?
ここから先はタバコ物語というよりは、何十年ぶりか覚えていないくらいの山科探訪記です。
山科は「やましな」と読みます。「やまか」「さんか」じゃないよ。京阪神地区の人には当たり前だろうけど。
山科は京都市山科区(昔は東山区の一部だったらしいけど、分離独立)で、れっきした京都市です。が、なんかちょっと離れてる感じはするのですよね。JR京都駅から一駅だったら、西方面の「西大路」駅もそうなんだけど、こちらは「すぐそば」って気がする。でも山科はなんか隔絶感がある。
山科は大津と京都の中間なんで、ある意味地の利はいいんですけど、どっちも山に挟まれているから、一体感はない。「山の向こう側」です。東京方面から新幹線で来るとき、京都駅に付く直前に短いトンネルをくぐりますが、それが京都と山科を隔てる山(東山)です。また大津との間も音羽山など分厚い山地に阻まれてます。
京都は盆地だといいますが、山科も盆地であり、「盆地の中にまた盆地がある」という感じです。これが山科を「近いけど遠い」と感じさせている理由かと。これまであんまり考えたことなかったけど、これを書きながら調べて、なるほどねと思った。
山科の風景
というわけで山科へGO!ですが、京都駅からわずか一駅のマイクロ旅行。
京都駅から山科に向かう車窓。写ってる山が、京都駅と山科を隔てる東山連峰。
あっという間に山科駅につく。所要時間5分。料金190円。
ホームから大津方面を臨む。こちらも山。
ここまでは昔の記憶とあんまり変わらないのですが、駅前が再開発されていました。
↑こんな天蓋はなかったし、↓地下連絡通路なんかもなかった
おお、面目一新じゃないかって思ったけど、このあたりは昔のまんま。
でも駅南はカッチョいいオフィス街っぽくなってる。
地上げ交渉の思い出
ここで昔話ですけど、弁護士はじめてほどなく、山科駅前の地上げ案件をやったことがあります。長い事駅前の借地に住んでいるんだけど、駅前再開発で立ち退き交渉を(暴力団とおぼしき連中から)受けているけど、恐いから交渉代理してほしいという、バブルの頃はよくある話。
なんでも山科駅前に土地を借りて家を建てて住んでいるのだけど、この地代が、なんと年間800円。800万円じゃないよ。月じゃなくて年間だよ。月の借地料にしたら100円にも満たない。馬鹿安もいいところです。
なんで?といえば、これを借りたのが戦前か戦後直後か忘れたけどかーなり昔の話。その頃の相場です。その後地主が亡くなって相続したはずなんだけど、誰が新地主かわからない。誰も何も言ってこない。なんでも埼玉県あたりに住んでいる子供さんが承継したとかしないとか。でも相続人だってここにこんな土地があるとは知らないか、あるいは知っていてもわざわざやってきて管理もできない。だからほったらかしのまま。それで何十年も過ぎた。こういう場合、借り主としてはどうしたらいいの?といえば、「債権者不確知(ふかくち)」ということで法務局に「供託(きょうたく)」することできるので、それをずっとやっていたようです。おお懐かしい、民法494条(多少改正されたみたいね)。
ということで、ほとんど無料同然で山科駅前の一等地を借りてたんだけど、このたび地上げになった。恐いお兄さんが事務所にやってきて(猫撫で声で言ってくるからなお恐いんだけど)、要は立ち退き料交渉です。最初200万とか400万とか言ってくるから、ふざけんな、ケタが違うやろ?で、殺生でんがな、年間800円で何十年も借りてるだけで丸儲けやないですか、それをまた立退き料とか強欲すぎまっせとか、儀式通りみたいな、ボケとツッコミのようなやりとりがあり、結局4000万円くらい(額はうろ覚え)引き出したのかな。ま、それでも安いくらいだけど。駅前のこのあたりは今坪いくらくらいで、更地価格にしたらいくら、借地権割合はだいたい70%というのが相場だから、更地が1億だったら7000万。ここは幾らか覚えてないけど、その種の計算でやるのが当時の(今もだけど)パターン。
でも4千万もらっても、そのままだったら税金でほとんどもっていかれるから、節税対策もしなきゃねーで。バブル期だったから買換え特例とかあったし。次の移転先を買うのがまたそれ以上かかるので、大学の同級生が親を継いで山科で不動産屋やってたから、紹介して、ええとこ見つけたって~とお願いして、結局琵琶湖畔に5000万くらいで家を買ったらしいです。
などという思い出があるのですが、そうかそのときの駅前再開発がこうなってるわけね。
タイムマシン散歩
しかし、再開発~ってオシャレな一角はワンブロックくらいで、それを過ぎていくと、昔ながらの風景になります。
日本の普通の市街地を歩くのが面白くなっているのは、半分外国人の視点で客観的に見てると(100%日本人視点になってしまうと、見慣れてしまって違和感に気づかなくなる)、数百メートルごとに町の姿が変わっていくのが、まるでタイムマシンに乗ってるような感じがするからです。
この上の写真は昭和っぽいけど、まだ昭和の後期から平成にかけてくらいの風景でしょう。
だけど↓この下の写真になると、、、昭和も中期、30-40年代の雰囲気ですよねー。雪印牛乳ドーン、とか。
サザエさんが始まった頃で、まだドラえもんがこの世になかった頃くらいの。
そうかと思うと、電気自動車用の充電ステーションがあって、ここだけ令和です。
駅前再開発とマンションブームでガンガン建てたのね~って感じのマンション群。
そしてそのマンション群の右手はまた古い町並みで、そこにお目当ての近江酒店があったのでした。駅から徒歩10分くらいです。
先日お電話さしあげたものですが、、はいはい、よう来とくれやっしゃと京都弁対応で、お目当てのアンバーリーフ・オーガニックをゲット。
気谷商店ほどではないですけど、手巻きタバココレクションがずらりと。
一袋25グラム(=普通のタバコ一箱のグラム数)で、手巻きにすると一週間は持つ。今回4週滞在で4袋、さらにオーストラリア土産で持ち込み規定の2袋、都合6袋は欲しいのだけど、そのときの在庫が5袋しかなかったので、とりあえず全部ゲット。さらに追加発注してもらいました。10日くらいかかるというので最後の週にまた来ますということであと3袋。多すぎだけど、次回帰国したときのための予備で買っておこうかと。
これ、一袋730円だったけど、オーストラリアでまともに買ったら5000円くらいするのですよ(この銘柄はオーストラリアにないけど)。もう一回足を運ぶ価値はある。小一時間もあれば行って帰ってこれますからね、
帰りはまた違うルートで駅に向かい、往路では使わなかった地下道を通って帰りました。
プチ旅行、、、というより、「ただの買い物」なんですけど、知らない所、何十年も行ってないところは、なかなか面白かったという話でした。