先日、NZから菊川さんが遊びに来てくれました。
菊川さんは、2012年に最初のメールをもらってWHで来られて以来、コンスタントに近況をくださってますし、APLaC本館やこのブログで消息を綴ってます。
最直近のものは1年ほど前の菊川さん永住権12戦争コンプリであり、その前は菊川さん、NZ永住権獲得~永住権十年戦争完遂でした。前回までは文字ばっかだったけど、今回は御飯食べにいったので写真が多いです。
さて、菊川さん物語の内容としては、前回から続くのですが、前回からの進展で大きなことは、最近新しい彼氏が出来たという「事件」です。「事件」というのは、前回マッチングアプリでのあまりの不作ぶりに「一生に一人いたんだから、もういいか」と達観の境地に至っていたのが、気がついたら「いた」という。
前回の記事のメールのやりとりで、
「また、予言めかしていいますけど(笑)、「あ、こんな人、本当にいるんだ」みたいなことってありますから。すっぽり身の丈にあってて、どこも無理しない、我慢もしないでリラックスできる相手というのは、これはいると思います。どういう過程で出会うのかはさっぱりわからんけど、気づいたら目の前に立っていた的な感じじゃないかなー。」書いたのですが、そのとおりになったという。
彼女のメールを引用すると
「あれからなんとフラット経由で彼氏ができました。5月上旬に新しいフラットメイトが引っ越してきて、その人が彼氏になったという…(笑)
最初は全然意識してなかったんですが、話してみたらめちゃくちゃ優しくて、一緒にいて楽で。しかも彼の前妻がアルコール依存症で結婚生活11年目にして破綻して
一年半前に別れたという驚きの似た経歴です。
田村さんから今年二月に頂いた、予言がまたまた当たってしまいました。」
「予言」というか、そういうケース、つまり人生40代、50代以降になってから出会うということを、割とよく耳にするのですよ。なんというか、「向かい合って見つめ合ってる」フレームで探してたら、「気がついたら横に立っていた」という感じ。
このあたり考えだしたらエッセイが書けそうなんだけど、最近の恋愛事情でいえば年齢が上がるほうがむしろ良いのではないか。年は取った方がより適齢期になると。長い事生きてりゃ、あれこれあって人間もこなれてきますし、性愛的なクレイジーな要素の比率が減ってきますしね。いろいろな経験が価値観や人格を作るのだけど、経験が複雑になればそれだけ人格のギザギザも鍵みたいに複雑になります。でも複雑になった分、そこが合うかどうかがわかりやくもあります。若いうちは自分の実体と自分の理想がゴチャゴチャになってて、自分でも良く分からない。分かりもしないものが合う合わないとか分かるわけがない。
菊川さんパターンでは、パートナーのメンタル問題で10年以上死ぬほど苦労してきてるわけですけど(その経過は彼女のブログにも綴られてます)、そこでいろんなセミナーとかに出て接し方を学んだり、批判や意見を言うのはNGでまずは受容することだとか。そこでまず自分の人格が鍛えられる反面、他人に自分の理想(それも自分でも実現できないような無茶な理想)を押し付けるとか馬鹿なことは考えなくもなりますし、他者理解の度量も増えますし。
んでも彼はロシアから移住してきて、お互い第二言語の英語でやるんだけど、今一つよくわからないとか、子どもさんと前妻との養育問題とか、今度ロシアから彼のご両親が6週間も遊びにくるらしく、しかも英語が全くできないのに一緒に6週間もいなきゃいけないというのにビビっているとか、いろいろあるようです。確かに6週間は長いね(笑)。
んでも、今回のシドニー省旅行はそれとは関係なく、NZ暮らしの鬱憤晴らしが大きいそうです。
以前にも書かれてましたが、オーストラリアに比べてNZは相対的に地方だということもあってか、とにかく値段が高い、そして商品のレンジが少ない。なので、女性特有(なのかな)のショッピング快楽に飢えていて、シドニーで店歩きをしなきゃ収まらないらしいです。
また以前から、これまでお世話になったのでゴハン奢りますというオファーの実現。これまでは「永住権取れたらでいいよ」と僕が言ってたらしいんですけど(あんま覚えてない)、今回は晴れて永住権も取れたし、彼氏も出来たしで、おごってもらうことにしました。
うーんと考えて、こんな真冬で、だけど穏やかな好天の土日は、人出が激しく狂乱的なエリアよりは、のんびり寂れているようなサマーヒルがいいよねってことで、よく行くイタリア料理屋に行きました。
Summer Hillって、LeichhardtやHaberfieldというイタリア人エリアの真南ということもあって、ここにもリーズナブルで本格的なイタリア料理屋があります。Andiamo Trattoria っていうんだけど、シティ近くのCentral Parkにも店があるんだけど、あっちは車が停めにくい。サマーヒルは車停めるのも楽だし、雰囲気がのんびりしてるので落ち着くし。
今回は、菊川さんが好きだというラザニア、
サラダもつけようかと思ったらサラダが結構高いので、そんなに出すならもう一品で頼んだニョッキ(スペルはgnocchi)。小麦粉ではなく、ジャガイモのパスタみたいなもの。食感が良い。
そしてピザ。昼間っから本格ピザを出してくれる店は少ないのですよね。ピザ職人に限りがあるので夜だけの店が多い。この店は、パスタもピザも小麦粉それ自体が美味しいです。
その後、近所のカフェへ。ENVYって店だけど、コートヤード(中庭)の席がいい感じです。雨降ったら台無しだけど、晴れてる日はいいよね。
ここ、前に菊川さんとWHの人を連れてきたことがあります。
飲み物も水準以上だし、なによりケーキが美味しい。
ケーキといっても、日本で食べるモンブランとかいちごショートではなく、もっと本格的で国際色豊かな。middle eastern orange cakeとか、persian love cakeとか。なかでもbasque burnt cheesecakeはオススメです。焼きチーズケーキだと何がどう違うのかとか、なんでバスクなのか(スペインの地方)詳しいことはわからんのだけど、ここの焼きチーズケーキは美味い、と。実践的にはそれで十分かと。
冬の柔らかい日差しが気持ちいいです。
冬~って感じの写真
穏やかな日曜の昼下がりの写真
とりとめもなくペチャクチャ喋っていたのですが、そういえば男女の性差論になるのか、菊川さんも元彼も今彼も、ゆくゆくはド田舎に住んで自給自足的な生活に憧れているけど、都会派の菊川さんにはついていけないと。
これは彼女だけではなく、一般的にそうなんじゃないかな。僕もそういうのには興味があるけど、男性の方がそういうのが好きな気がする。まあ女性でも好きな人は多いとは思うんだけど、どこに快楽を求めるかで違ってるような。
女性は消費生活をエンジョイしやすい、その親和性が高い傾向があるように思います。女性はウィンドウショッピングとか楽しむけど、男は純粋に買い出しみたいな感じで、ちゃっちゃと買ってくる。面倒くさいけど、仕方ないから買うくらいで、買い物を楽しむという感覚が薄い。服でもなんでも。オーストラリアの新聞のエッセイで昔読んだけど、女性はたとえ今着ない服でもあれこれ見て楽しむけど、「ウチの旦那なんか30分くらいで向こう2年分の服を全部買ってきてしまう、何が楽しくて生きてるんやら」とか書かれていた。男が金や地位に執着するときは、贅沢したいからではなく、ハイスコア取って自慢したい的な部分が強いと思うし。
一般に女性の方が物事の楽しみ方が上手いというか、僕も女性にずっと教わってきたような気がする。美味しいもの、かわいいもの、楽しいもの、美しいもの。自分一人だけだったら、メシなんか食えたらいいんだとか、美しい風景をみても「このあたりは坪幾らくらいするのか」とか、野暮天で実用一辺倒になっているでしょう。現に、今でもカミさんとメシ食うときはお金使うけど、自分一人だけだったら最小限で済ませるし。贅沢しても楽しいとは別に思わないし。そういえば、よくショッピングセンターやデパートなどで、彼女のショッピングにつきあわされた男達が、階段とかに所在なげに溜まってたりするけど、あんな感じ。
その分、男の消費は「遊び道具」系で、子供の頃の野球の道具、ゲームから、バイクから、楽器から、ヨットに至るまで遊ぶためのギア系が多い。田舎暮らしも「遊び」で、遊びを満喫するためには、ラグジュアリーの対極にあるような、ほっといたら死んじゃうような環境の方が遊びとしては面白い。いかに飲料水を確保するかとかレベルから始まって。
まあ男女差というよりも、何に楽しさを感じるかという価値観の差なんだろうけど、でも、大雑把にいって男女で楽しさのツボは違うような気がします。
しかしパートナーとのすれ違いの項目は、細かく数え上げれば、おそらく数百から数千というオーダーであるでしょうから(子どもの教育とか、死生観とか、味覚の差とか)、こんなのは可愛い部類だと思います。
さて、ついでに菊川さんが見つけたけど書いそびれたというショッピングバック(エコバック)を探しにライカードのColesへ。そのものズバリ(イタリア語が書いてあるやつだったかな)は売り切れてたけど、代わりに感じの良いものを見つけてゲット。「やったぜ」的にご満悦な菊川さんの図。
最後は近所の宿まで(ウチの近くでもあった)お送りして。エアビーかな。
ペチャクチャ喋って、いい日曜の午後をご一緒させていただきましたー。
もう連ドラみたいになってて、次の展開が楽しみです(笑)。