塾起業奮戦記 渡辺-JUNJUN-絢也通信(その1)

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APLaC卒業生達の近況報告シリーズ、今回は三重の渡辺絢也くんです。長くて読み応えあるので何度かに分けます。

略歴紹介
APLaC卒業生のなかではわりと有名人である渡辺絢也くん(通称JUNJUN)。
ですが初見の方も常にいるので、常に略歴紹介しますが、彼は、阪大→商社という人も羨む勝ち組ライフコースだったのですが、これが全く馴染めず(笑)。辛抱していればいずれいいことがあるんだろうと歯を食いしばって頑張るけど、報われず(日本のビジネスノウハウは身についたので無駄ではなかったが、ハッピーではない)。ついに退社し、規模は小さいけどプロフェッショナルな特許事務所に転職し、そこでかなり(主として人環境に)恵まれる。しかしブレイクスルーってほどではないので、むむむと思いあぐね、ついにギリホリ渡豪。今を遡ること6年前の2013年のことです。

一括パックの際のシェア探し(彼は途中で風邪で寝込んだりして3週間もやってた)の際にたまたま一緒にシェアを見て回った吉田さん(現メルボルン、彼も有名人)とは同期の桜的つきあい。JUNJUNという愛称も吉田氏命名(大体彼は何でも重ねる場合が多い)、また吉田氏を「ユウキ」とファーストネームで呼ぶのは、APLaC界広しと言えども渡辺くんだけ。

2年間の濃厚なWH体験は、彼の体験談を参照ください。ほとんどいつ会っても無一文というか(笑)、常に限界ギリギリまでチャレンジしてて、ファームに行けば腹を壊して七転八倒して病院に担ぎ込まれるわ、悪徳雇用主と対決するわ(体験談内に資料あり)、知らない土地でファームをゲットするまでの詳細マニュアル(同じく資料あり)、ラウンド中にも常に起業プランを考え、3DプリンターのShapswayに取り組んで吉田さんの紹介でTattoo用機材の3D設計にもチャレンジし実収入化するとか、最後にはカミさんの3 in 1キネシオロジー・カウンセリング技法も受講しきったり。

その後、NZワーホリを体験し、職を得て労働ビザでNZにしばし滞在。当時NZには、菊川、辻(両名とも今もNZ)、奥村(現カナダ)、水貝(日本)、渡辺(日本)など結構いましたねー。NZ時代は直に見聞してないので多くは語れないんだけど、なんか楽しそうに見えましたねー。いずれも海外3年目以上の上級者ばっかということもあり、普通に労働ビザとか取ってきてるし、それだけに悩みの質やレベルが桁違いになるんだけど、なんか楽しげに見えました。

帰国すべきか、帰って何をやるかってところで、ここで三重県が出てきます。渡辺くんは京都なんで、三重は土地勘がないのですが、なぜ今三重で学習塾をやってるか?と転機が訪れます。
キーパーソンになるのが、三重で塾をやっている尾崎さんという豪快で男気あふれる好漢(子だくさん、猫だくさんでもある)、昭和の番長的カリスマ性で地元の中学生のハートを鷲掴みにしているという。彼と渡辺くんを結ぶ接点が僕で、僕が以前帰国した際、わざわざ三重から京都まで会いに来てくれたのが(エッセイのファンだということで)、尾崎さんでした。いなたーい京都の東寺駅近くの昭和喫茶で1-2時間おしゃべりしたのが最初です。以後、帰国時にはオフなどいろいろお世話になってます。

尾崎さんは中学塾なんだけど高校生までやってくれって要望が強いけど、もう多忙過ぎて身が持たない、誰かいい人いないか?って話があって、それで渡辺くんがジョイント。細かな経緯はおぼろなんですけど、渡辺くん、帰国の際に全国各地にAPLaCゆかりの連中に精力的に会いに行ってたんじゃないかな(このあたりが彼の真骨頂で、とにかくまず鉄砲玉のように動く)。

尾崎さんのお世話やサポートもありつつも、独立した形で、新米塾経営者としてスタート。そこは中々大変だったと思います。まず、人間として、あるいは人生的にやりがいがあるかどうかってのがあります。起業ハンパないですし、一つ間違えれば普通に破産ですからね、それだけのリターンがあるかどうかは、まずもって面白いかどうかでしょう。次に保護者に対する訴求力という経営ノウハウがあり、実際の消費者である生徒たちのニーズに答えられるか、いかに信望を掴むかがあり、さらにいかに結果を出すかがあります。

扉の写真は2017年の津オフの際のもの。ドラマーの彼に僕がたまたまもってた(断捨離しようと思ってた)オモチャのドラムをプレゼントしたとき。てか、ポイントは気疲れか過労か彼が激ヤセしてた点ですね。やあ、1年目は大変だわ。二年目(下の写真)になるとふっくらしてきてほっとしたけど。

下の写真は去年(2018年)僕が帰省した際に講演会をやってもらったときのスナップ。JUNJUNの塾教室を借りました。どういう感じでやってるのか生で見れて良かったです。

一人ひとりの達成度とか、細かなケアが目に付きました。

長くなりましたが、前フリは以上で、塾経営2年くらいやって、いよいよ3年目、だんだんなんか見えてきたかな~ってあたりでの渡辺くんの経過報告です。

本編
(↓以下 渡辺氏)

【塾「オールラウンド」の件】

オールラウンドはおかげさまで年々人数も増えております。昨年までの2年間は10人~15人を行ったり来たりでしたが、今年は合格実績の効果もあってか、先週も1人入塾が決まって現在26人になりました!

また、昨年に作ったプリントや仕組みのおかげで、こちらの費やすリソース(時間、労力など)はむしろ減っており、昨年に比べて、いろいろと新しいことを考える余裕ができています。

塾の教育方針に関しては、この2年間で出会ったいろんなタイプの塾生や保護者との関わりを内省していく中で、

「僕自身、体が複数あるわけでもなく、一人で何百何千の生徒を抱えられるわけではない」

「講師にも生徒にも、一人一人違った個性・好き嫌い・向き不向きがある。僕らしい教育法で、かつ『万人に効く』教育法なんてものは、ない(or少なくともまだ見つけられていない)」

「自分のビジネスなので、何をどう売るかは自分で決めるべきだ」

といったことを思うようになりました。

なので、少なくとも今年の3月からの入塾希望者には、できる限り保護者にも生徒本人にも入塾前の面談にご出席いただいた上で、

「固定時間割以外でのフォローのレベルも非常に高い塾なので(サービス内容は後述)、やる気のある生徒からしたら、こんなに得をする塾はない」

「逆に、いくら怠けても基本的に罰則や強制がないので、やる気のない生徒からしたら、表面上はすごく損に見える塾」
※長期的に成績を上げるため、僕なりにベストな戦略として取り入れている方法なので、「表面上は(短期的には)」みたいな表現をしています。

「ビシバシはしない。ビシバシで成績が上がる学生には、他に受け皿がたくさんある(あなたの成績を上げられる場所が、他にもたくさんある)。
僕は、『ビシバシでは思うように成績は伸びない(or伸びなかった)が、それでも何とか成績を伸ばしたい』という、他に受け皿のないような学生を優先的にサポートする。そうすることで、社会全体で見て救われる学生のトータル数が増えるような貢献を僕はする」

といったことを事前にキチンとお伝えし、その上でお互いにハッピーだと感じた時点で入塾いただくように意識しています。

万人受けする教育スタイルではありませんが、合う人にとっては他の塾・予備校ではまず得られないレベルのサービス(後述)を得られるので、このようにキチンと事前の親子面談で情報開示をした上で契約に至った、特に今年3月以降入塾の塾生に関しては、「こんなハズじゃなかった」といった類の「本来避けるべきトラブル」も起こっていません。
より透明性の高い、より安心感のあるビジネススタイルを今後も目指していきたいと思っています。

さて、そのオールラウンドのサービスですが、ニッチ戦略と呼べるほどではないものの、僕の塾のもっている強み(差別化ポイント)の例は以下の通りです。

・長い自習室使用可能時間(年末年始を除く、年間362日、9~22時)
・個別の目標達成シート(月ごと→週ごと→日ごと→時間ごと)の作成(毎月サポート)
・個別達成表の進捗管理(毎週サポート)
・生徒が好きな科目を好きなときに勉強できる、「質問対応&即席授業スタイル」。
・柔軟な授業時間アレンジ(柔軟な後日調整システム)
・半サブスクリプション化(定額で、授業時間以外でも質問し放題)
・独自の「勉強のアクション数減らし」サポート
・独自の「各種見える化」サポート
・理系科目の無料サポート(三重大学生の理系講師に90分×週2回サポートに来てもらっています)
・LINEで24時間365日質問対応(返事は、できるタイミングですぐにする)

などがあり、「大手(大人数)塾・予備校、集団オンライン」、「中小塾」、「個人、個別オンライン」のいずれを競合と仮定しても、僕のやっていること(価格含む)をすべてカバーすることは難しいように工夫しているところです。
他にももっと差別化ポイントを増やしていく予定ですが、これらの差別化ポイントとターゲット層との関係を正しく捉えれば、今後もより需要を増やしつつリソースもさらに温存させることができるようになると思います。

まだまだ過渡期ではありますが、引き続き、この塾のサービススタイルを求めている方にもっと喜んでいただけるような形に向かって進んでいきたいと思っています。

(↑以上、渡辺氏)

えー、ややもすると企業広報的な論調で、まるで株主総会で聞いてるみたいんだけど(笑)、言わんとすることはわかります。
てか、ほーんとローカルで起業するのは難しいです。でも面白いし手応えはあるでしょう。特に塾経営は、ユーザー消費者(生徒)とスポンサー(保護者)が違う点が難しいと思います。子供が喜んでも、親が喜ばなかったら金は入ってこないんだからね。そして親と子供は往々にして利害が対立するんだよね。子供は面白いのが好きだし、親は成績という結果が好きなんだから、そもそもニーズが違うともいえる。それを両者とも満足できる限られたポイントを模索するしかないし、実現するしかない。

そして、「一人ひとりの個性に応じて」なんて言葉にしてしまえば簡単だけど、いざやるとなったら死ぬほど面倒くさいですよ。地域掲示板の渡辺スレや彼のサイトにも個々の勉強で、今日はこう教えた、こう結果を出したとか書いてありますが、問題の解法の事細かに言い、それも違った角度から何通りも説明し本人の腑に落ちる角度を探し、さらに効果が出るまでどのくらい時間的にかかるかを見積もり、それまでのメンタルケアを行い、可視化して報奨快感をを得てもらったり、それはそれは「面倒くさい」作業の積み重ねだと思います。

細かな話はいろいろ深くツッコミたいのですが、それはまた会った時に話そう。

彼の塾のサイトは
大学進学塾オールラウンド久居
にあります。

また、APLaCの地域会議室にも彼のスレッドがあります。

おまけの一枚
同じく2018年のときの津オフの写真。真ん中がJUNJUNで、左にいるのが一つ前の記事になった田中くん(鳥取から参加してくれたのですね)、右におられるのが公認会計士であり予備校の副校長でもある高橋さん(中野~古民家オフもやったよね=親子渡豪の話もブログに載せてます)。

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