前回は上越妙高駅で全員集合になったところまででした。
今回はその次になりますが、初日部分を書きます。といっても初日はひたすら皆で喋っていただけで、ただ喋る場所が①上越妙高駅近くのカフェ、②海辺の公園、③直江津駅前の居酒屋に変わってるだけのことです。
笹川さんは地元キャラのシャツを着て登場し、気合入ってます。
このキャラはWelmo(ウェルモ)君というらしく、上越妙高の新幹線開通に合わせて、地元に暮らしていた(地上が賑やかになったので出てきた)モグラで、顔が新幹線というキャラ。ただ額の髪の生え際のギザギザは富士額ではなく妙高山の形らしいです(解説参照)。
駅前の駐車場スペースでやっているコンテナ利用の小さな喫茶店。でも珈琲もプリンも美味しい。ここでしばし歓談。
じゃあ次はどこ行こうと相談する図。右側の二人のポーズが妙にカマっぽいのはなぜ?
幸い雨が降らずに済んでいるので、やっぱ海は見たいよねで、居多ヶ浜(こたがはま)の展望台に行くことに。ここは僕が事前にGoogleViewを見てて、こんなんでもいいよねーと言ってたところで、行ってみたらやっぱり良かった。
でもその前に飲み物などを補充するために地元のスーパーへ。地元スーパー行きたいという希望も出してたので叶えてくれた。ここで一箇所、あと途中でトイレに行くために別にところ行きました。
車は笹川さんの車と山崎さんの車の二台に分乗し、どちらも地元民なので「あそこねー」で通じていた筈だったんだけど、それぞれ同じ系列のスーパーの別の店に行ってしまったらしく、「居るはずなのにいない」「違う世界線に行ってしまった」とか言ってました(笑)。
なかなか充実しまくっているスーパーで、ウチの近所のイオンよりも品揃えは遥かに充実してました。
居多(こた)ヶ浜の展望台に着く。
後でも触れますが、この地は浄土真宗(親鸞)が強い。もともと日本の仏教のシェア50%を誇る真宗(浄土宗は20%で第二位)なのですが、それを考えてもなお強い。なんで?というと、この石碑のように親鸞がこの地に遠流(おんる)されて数年ほど過ごしたからでしょう。じゃなんで親鸞は時の権力から弾圧されたのか?です。親鸞のお師匠様は法然で浄土宗を開き、それをバージョンアップしたものが親鸞(浄土真宗)。さらに進めたのが一遍(時宗)。法然も土佐に遠流されてます。
弾圧した直接の当事者は後鳥羽上皇らしいのですが、時代的に既に源頼朝が鎌倉幕府を開いており朝廷にそんな力があるのか?という気もするのですが、あったみたいです。てか鎌倉時代も開祖頼朝というカリスマが生きていることはまだ強かったけど、死後あっという間に途絶えますから(三代目実朝の暗殺で源氏は終わる)、まだまだ国内の権力図は新旧織り交ぜて煮えていたみたいです。後鳥羽上皇に浄土宗を処罰しろと盛んにいっていたのは奈良の興福寺勢力で、これは藤原氏の氏寺であり既存の日本仏教勢力の巨頭のひとつ。南都北嶺(北は比叡山、南は奈良仏教)。
こうなるとさらに日本史における仏教(と政治権力)という話になります。
一番最初は聖徳太子以前の崇仏派(蘇我氏)と排仏派(物部)。当時の仏教は、大陸からの先進文明をダイレクトに導く科学技術&哲学という非宗教的なもので、本来なら仏教が入ってきたら神道ベースの天皇家は真っ先に終わる筈であり、だからこそ揉めていた。だけど聖徳太子という天才が「神も仏も同じもの」「神の専門家(皇家)の俺が言うのだから間違いない」「俺以上に仏教を理解している者はこの国にはいない」と言い、事実その通りだから誰も反論できず、そのままアクロバティックにまとめてしまった。
以後日本人は本来矛盾するもの、異なるものでも、平然と咀嚼して両立させてしまう世界でも奇妙な精神文化を作ったと言われてますよね。後の神仏習合も、明治以降の和魂洋才も。
そういう精神文化に染まってしまっている僕からすると聖徳太子の「どっちもアリ」は分かる気がする。洗脳されているからなんだろうけど(笑)。僕なりに意訳すると(太子はそうは言ってないけど)、神道の本質は自然=神=崇拝であり、いくら祈りを捧げようが生贄を差し出そうが神というのは祟るときは祟る。もう暴虐で理不尽なんだけど、そもそも人間ごときが神をコントロールできるわけがない。自然を恐れよ、人間ごときが調子に乗るな、身の程を知れってことかなと(神道理解では異端なんだろうけど)。だけど神は人間がいかに生きるべきかについては何も示してくれない。それを導いてくれるのが仏であり、人間のネガティブな属性(強欲とか嫉妬とか)を戒めたり、慈悲や菩薩の心を教える。神と仏とではそもそも役割が違う、機能が違うってことなんですかね。
というわけで奈良時代から奈良仏教はアカデメイアの頂点として君臨し、藤原権力を介して学政共同体としてこの国の中枢政府と密着していた。平安時代に空海と最澄という天才がでてきて密教(比叡山と高野山)を作り、別の意味で政治に影響力を与えたけど、それも当時としての科学知識(陰陽道など)です。いずれにせよ仏教はエリートのものであって、大衆のものとは言えなかったじゃないか。仏教的慈悲心→天皇が影響を受ける→光明皇后が施薬院など福祉施設を作るという関係はあっても、ダイレクトではなかった。あくまで鎮護国家のメソッド。
それを大革命をしたのが法然親鸞の師弟であり、仏と民衆一人ひとりを直結させてしまった。念仏を唱えれば良い(法然)、いや形だけ念仏唱えてもダメで要は信心があるかどうかだ(親鸞)、その信心を形に表すために現世利益を放棄しなきゃダメだ(一遍)となる。いずれも既存の宗教権威からしたら大脅威です。
これはキリスト教におけるプロテスタントの発生と弾圧に似てます。カトリックは教会が圧倒的に強く、「キリストのことならウチを通せ」という神との専任媒介契約を言っており、人と神を直接結びつくのを否定したからこそ絶大な教会権力というのを持ち得た(カノッサの屈辱とかね)。だから「神を利権のネタにするな」というプロテスタントが出てきたら存亡に関わる危機であり、意地になって弾圧しまくったのも無理ないです。
長くなったけど、法然と親鸞というのは日本史においてもかなり革命的な存在であり、またその教えの性質上、時の権力と結びつくことはあまりしなかったみたいで、だからこそ今日まで延命しているのかな。どっかで結びついてたら、鎌倉北条氏、室町足利、織田豊臣徳川、戦前の軍国など数ある栄枯盛衰に引きずられて終わっていたような気もしますね。
ま、そんなこととは関係なく、ここでは海が見える展望台ってことで。
雨が降り止んだ海がきれいでした。
上の写真を撮ってる僕
それを撮っている笹川さん
Google Viewで見たように、屋根付きの休憩所があり、ここが喫茶店につづく第二のオフ会場。
同じ新潟といいつつ、南青沼郡というコシヒカリの聖地から車二時間飛ばして参加してくださった山崎さん。お土産のお餅。この餅が美味かったです。なんというのか肌理が非常に細かくて、ツルツルしてて、それでいて味わい深い。さすがコメどころの本場は違うわって。
山崎はほかでも紹介しましたが(今年のシドイー訪問とか)、キャンプ系のYouTuberで、佐藤さんも知らずに見てて、「え、あの?」とびっくりしてました。山崎さんは幕張メッセのアウトドアショーで自分のブースをもって、ちょうど昨日からこの週末やっておられます。詳しくはここを。
ここで結局2時間くらいうだうだ喋ってたのかなー。開放的な場所で、気持ちよかったです。ただトイレが近くにないので、行きたくなったら車で行くという。
直江津駅前の「みゆき」という居酒屋に移動。笹川さんがいくつか紹介してくれて店で、7時から予約もいれておいてくれました。直江津駅。掲示板にも書いたけど、僕が20歳の頃、東京から新潟経由で福井、京都と全部鈍行でいくという暴挙をやったときに、直江津止まりの電車でしばらくこことで待ってました。当時の面影(淡い記憶だけだが)はまったくないのだけど。
でも、お宿の地元本で予習したら「なおえつものがたり」、直江津駅はかつて屋根が真っ青に塗られており、それ自体大きな船をイメージしたものだったそうです。今でも船モデルは継承されており、なるほど船に見えますね。
車を駐めて徒歩30秒で店。
店の前で。始まる前から写真撮るのも変な感じなんだけど(笑)。
いい感じのお店で、座敷を用意してくれておりました。
このメニュー(食べログにあった)に惹かれたのですよね。珍しいものが食べられそうだし。また日本酒のバラエティがすごい。全国あるんだけど、特に地元系がすごく多い。これも米どころだからでしょうかねー。でもって安い。
既にハイテンションなマリさん。「犯人はお前だ!」ポーズですけど、僕の背中側の壁に貼ってあるお品書きを指さしてるところです。
さっそくビールその他で始まる。
最初はモツの酢の物らしいんだけど、モツの臭みは一切なく、さっぱりしてて美味しい。
これが食べたかった「かんずり酒盗」。唐辛子を雪にさらしてアクを取り、糀や柚子で熟成させたもので、塩辛いんだけどその辛さが純な感じで美味しい。
食っちゃ、飲んじゃ、喋っちゃの三拍子状態が延々続く。
これは、いぶりガッコというらしい。秋田名物で、大根の沢庵なんだけど燻製にする工程が入る。クリームチーズとの相性が良い。よく思いつくなー。
お待ちかねの刺し身の四種盛り。
切れちゃったけど、右端の「生タコ」がめちゃくちゃ美味かった。他もわざわざ来た甲斐があった的にうまい。
なぜか焼きそば。だけどこれがまた美味かったのよね。あっさりした味で、つるつる入る。
もうだいぶ盛り上がってくる
最後の方に日本酒も行こうと。壁に貼ってあった1日10本限定の八海山。
これが絶品で、日本酒独特の重みや質量はずっしりあるんだけど、でも味にエグみやトゲが一切ない。完璧ミュートって感じ。これだけエグみがないと吟醸ぽいのだけど、吟醸にはない重さがすごくあって、うわ、こりゃすげーやって、皆で利き酒やってました。
とかなんとかやってるうちに、あっという間にお開き。
お会計も予想を遥かに下回るリーズナブルさで、いいなこんな店が家の近くになったらなーという。
最後に一枚。てか何枚もとったんだけど、フラッシュが焚かれなかったり、タイミングがズレたり、これが奇跡の一枚。
ついでにダメだったやつ
イマイチのやつ。ピントはあってるんだけど光量が。
山崎夫妻には、幕張出店間際という忙しい時に、往復4時間の車移動で参加してくださって、ありがとうございました。数年に一度であってもこういう機会があるとうれしいですよね。また来ます。
二日目編に続きます。