この帰国ツアーもだいぶ大詰めになってきて、今日は大阪豊中、蛍池という駅の近く(伊丹空港の近く)の長田くんの事務所で恒例のオフ。もう何回目なのか数えてきれないくらい頻繁にやってます、今回も長時間にわたり会場を貸していただいた長田くんには感謝です。
ここ数日ちょっとしのぎやすいかなと思ったのも束の間、また暑さがぶり返してきた。まだ6月だというのに、真夏と変わらん。
クーラー無しの部屋にいても茹でダコになるだけなので、電車内で涼もうというコンタンでちょい早めに出る。
梅田で阪急電車に乗り換え。万博のマークも一応貼ってあるけど、それが珍しく感じられるくらい、市をあげての盛り上がりって感じではなかったです。
もう見慣れた蛍池の風景。いつも買い出しにいってる道すがらのスーパー。付近の風景。あまりにも広告の幟や張り紙が多すぎて、ハレーションみたいになって、結局なんなのかよくわからんという(ありがちな)。
近くのショットバー。こんなのあったかな?ステッカーやロゴを見てると、ハイロウズなどが好きな人かな。I Love PunkってROSSOの曲じゃなかったかな(ミッシェルのチバユウスケとブランキーの照ちゃんとのユニット)。話は合いそうな感じ。
一番乗りして長田くんとお話をしてると、続々と(最初村田さんが早く着きすぎて近くの図書館で時間つぶしをしていたらしいけど)。
先日京都で会ったふじさんと村田さん。
翼さんがお子さん(2歳半)を連れて、長田くんファミリーと。
廣瀬くんは、高校時代ラグビー部で一緒(寮も一緒)だった、山野さんを連れてきてくれました。
山野さん、まだお若いのに子供3人いるそうで、明るくてバイタリティのある感じ。一年ぶりの廣瀬くん(去年の競馬場以来)も元気そうだけど、この秋にパパになるそうな。子煩悩になりそう。
揃ったところで
人も増えてきたので二階の居酒屋風セッティングで。
以後延々このフォーマットで話が進む。
各業界からのシリアスな話が続いて、中身の濃いオフになって良かったんだけど、絵柄的には変わり映えのしない絵が続きます。
ずっと現役で教師をやっていた村田さんからは、教育現場の変化。体罰禁止やパワハラ禁止が独り歩きしてて、躾ければまだなんとでもなる生徒がいたとしても、現場の教師はもうやる気がない。手足縛られて泳げというようなもので、やる気があってもやったら叩かれるリスクがあるし、そんなこんなでやるだけ損になり、しまいにはそんなの知らんもんねでないとやってられない。ただでさえ忙しいのに。
結果今どうなってるかというと、長田くんの話でもあったけど、すごくよく出来る(人間的にまっとーな)子はいつの世にもいて、彼らは全く問題ない。ただ数が少ない。大多数の人々、つまりほっとくとダメになりそうなんだけど、それを周囲がサポートして一人前に引き上げていた層が大量におって、それらが放置されているのかしらんけど、引き上げられていないから、全体としてレベルダウンしている。
しかし教育の話は僕の大学時代もしてましたたけど、あまり変わってない気もする。当時(今も)詰めて考えていくと、善玉悪玉分類論とパナセイア(なんにでも効く魔法の薬)論があかんのではないか。あるいは全員馬鹿論。体罰やハラスメントでも本当にひどい教師もいる反面、そうではないケースもあり、じっくり話をきいて調べてみないと本当のところはどうなのかわからない。それをマスメディアが興味本位であれこれ騒ぐから、釣られた人々が騒いで収拾がつかなくなる。それがイヤだから管理する学校側はなかったことにしたい。馬鹿な生徒と馬鹿な教師と馬鹿な親と馬鹿な学校があり、さらに馬鹿なメディアと馬鹿な国民が事態をいっそう泥沼化させている。
事実は、「いろんな人がいて、いろんなケースがある」という当たり前の話であり、それを全部まとめて◯◯が悪いと一刀両断に断罪する善玉悪玉世界観がそもそも間違っている。間違ってるけど頭も労力も使わないでいいから皆さん悪玉論が大好きなのよね。
でもそうしていると、引き上げられるべき多くの層が引き上げられずにアホのまんまになり、大人にもなりきれず、結局国力が落ちてビンボーになる。個々の事件は、一つ一つ個性が違い、複雑なニュアンスをもつのだから、ひとつひとつ丁寧に調査して、時間も手間もお金もかけて地道にやるしかない。けど、貧すれば鈍すでそんな余裕はない。この因果の果には、回り回ってあなたの人生も破綻して、路上で行倒れて餓死するという、トータルでいえば因果応報で帳尻は合ってるんだろうけど、ヤバイよねって話です。
夕方になって田尻くんの登場。長田くんが近所の穴場のパーキングに案内。
また田尻くんを囲んで話がつづく。初参加の山野さんと田尻くんは年も近く、また家も近いらしい。
翼さんはそろそろお帰り。
こちらの話も、話題が転々と変わりながらも続く。
実家の酒米(山田錦)作りの農家を継いで、もう7年だったかなの田尻くん。昨今の米騒動などを皆で聞きました。現場からはどう見えているの?と。彼によると、米の収穫量が少ないのは去年の段階でわかっていて(7割くらい?)、その時点で中間業者は儲かりそうだから走る、貯める。今年はどうなの?というと、今年も多分ダメじゃないかなーと。この時点で梅雨で雨がそんなに降らなかったのがまず悪いし、この暑さもよくない。暑いと稲が妙に育ちすぎて、一粒あたりの密度が減るし、代謝が悪くなるから、たぶん良くないかなーと。今の時点では、ですけど。
去年のオフでも田尻くん言っていたけど、お米や食料がそもそも安すぎると。今回でも値上がりした分が農家に入ってるわけではなく、農家に入るのは市場価格の何分の1。30キロ作って9000円の買い取りではやってられない。
だから他にもイチゴ作ったり、あれこれ補充しないといけないんだけど、そうなると365日休み無しになる。
あと、農家って年を取るほどに労働量が増えるらしいです。全部自分の農地ではなく、他の農家から借りて作る場合が多いのだけど、若くて実績のない段階ではそう貸してくれない。でも年々頑張って実績を作ると貸してくれる人が増える。だから年をとるほどに耕作面積が広がり、忙しくなると。でもこのループ、肉体労働なだけに本来矛盾してるから、うまいこと代かわりしないとだけど、後継者がいる農家は少ない。
田尻くんなんかレアケースだから皆にお宝扱いされているかというと、村社会のあれこれがあり、同調圧力があり、なんだかんだで、実感としては「日々戦っている」というものらしいです。
農家にもそれぞれに問題はあって、例えば農家はほとんど所得ゼロ申告をして、税務署は絶対に立ち入り調査をしないという不文律があるみたいで、だからなんでもかんでも経費で落としてる農家も多い。ウチなんか馬鹿みたいに払ってますけど、なんだかなと。
でも根本的にいって、資本主義と農業は馴染まないんじゃないの?もっといえば、馴染む産業の方が少ない。これは僕個人の意見だけど、資本主義が出てきたのは産業革命の頃です。とにかく高額で巨大な機械を使えば大きく金儲けが出来るという時代。皆でお金を出し合って巨大な機械を購入するのに便利なシステムとして資本主義になっただけのことで、要するに初期の工業には向いている。どこの先進国も農業には補助金を出してるけど、もともと向いてないんだから、まともにやったら破綻する。儲からないんだもん。だから食料確保のために国がギャップを埋める。
でも資本主義にあわないのは農業だけではなく、教育だってそうです。「立派な人間」になったところでお金のリターンはない。あるとしたら有名大学で高収入就職という一点であり、そこで資本主義との整合性がとれる。でもそこで妙に整合性がとれてしまってるから、それが問題の根本だという気もします。
だいたい人類の歴史数万年、農業らしきことをやりはじめてから数千年あるんだから、資本主義が農業に馴染むのなら、数千年前から資本主義になってた筈でしょ?それがなってないってことは、そういうことなんだろう。
ところで米ドルは、いやアメリカはいつ崩壊するの?てか引っ張られて全部クラッシュするの?という話も出ましたね。いや崖っぷちに居るつもりだけど、本当は何十年も前に崖からはみ出して、いまは皆で空中にいる。だから墜落する筈なんだけど、皆で「大丈夫だよね」と信じている、その信仰パワーや念力みたいなもので空中浮揚してるだけとも言える。まあ思い込みであり認知の歪みですね。経済的に言えば「信用」。明日銀行にいっても預けたお金は引き出せるという信心があるうちには波風たたないで空中に浮いてられるけど、どっかの銀行で取り付け騒ぎがあるとTVで報道されたら、その信仰にヒビが入り、念力は消えて皆であーっと落ちていく。恐慌です。
だもんで将来予測といっても念力の話ですからねえ、天気予報よりも難しい。
でも着実に国民の購買力の水位は下がっているらしく、長田くんからも話が出たけど、資材が上がってることもあり、ちゃんとした建物を建てられる人が減ってきている。田尻くんからも、多少高くてもいいものを買おうという人が減ってくると、本当にまずいと。
とかなんとかやってたらもう夜の9時。3時から始めて6時間喋りまくってたオフでした。え、もうそんな時間?という。
ということでお開きにしましたが、なかなか実りのあるオフでした。
長田社長におかれましては、快く会場を提供してくれたばかりではなく、いそいそとお着出しやら、氷運びやら申し訳なくなるくらいで、本当にありがとうございました。