2023年初夏の日本帰省記(9) 宮崎日向オフ(04) 二日目後半

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1日遅れて到着した、高橋さん、マリさん両名は、宮崎空港でレンタカーを借り、一路北上。稲垣さんの渚百選目的地であるお倉ヶ浜で落ち合うことになりました。
JUNJUN宅からは車で15分くらいだったかな。国道沿いの大きな駐車場のあるコンビニで待ち合わせ。

両名の登場

合流後、さっそく近くのお倉ヶ浜ビーチまで行ったのだが、車の置き場がよくわからない。駐車場らしきところには、樹木の剪定をやってるぽい工事車両が数台止まって作業してて、そちら側からは入れそうもない。手前の小道に入ってみても、駐車場の入り口のところが封鎖されている。仕方無しにトイレ横の小さな空き地に二台停める。

お倉ヶ浜って稲垣さんに聞くまでは全然知らんかったのだが、調べてみるとサーフィンの「聖地」だそうな。そういえばJUNJUNの家のトイレに腰掛けると、目の前の壁に貼られていた日向市観光マップに”Surf Town Hyuga”と書かれていた。そうなんだ、九州の湘南みたいな感じ?
にしては、この車の停めにくさはなに?と思ったけど(土曜の午後だよ)、まあシーズンオフなのでしょうか?

車からとことこと数分林を歩くと、どーんと巨大なビーチが広がってました。

このビーチのスケール感は日本じゃなくて、オーストラリアみたい。
だーれも居ないのがいい。なるほどこんくらい誰もいなかったら、駐車場もいらんわね。

これだけ人口密度が低い広大なビーチになると、シドニーには無いなー。近郊でいえば、Port Stephens のAnna Bayくらいかなー。ちなみに載せておくとこんな感じ。結構な観光地でキャメルライド(ラクダに乗る)とかあるんだけど。

ずっと前のエッセイの帰省記で「水蒸気の国」として書いたけど、日本に帰るたびに全般に「色が薄い」と感じるのですが(逆に日本からくるとオーストラリアは色彩が強烈)、水が豊かで水蒸気が豊富だからではないかと。山水画や墨絵の山裾のぼかした感じ、雲、霧、靄(もや)、霞(かすみ)など水蒸気系の天候の出現頻度が高く、また好感度も高く、洛中洛外図屏風に雲が書かれ、枕草子の冒頭にも「 紫 だちたる雲の細くたなびきたる」と書かれている。スッキリハッキリ見えないところが良いという美意識も育ったのかも。
もっとも水蒸気、湿気が高いだけなら、アマゾンや熱帯、南海の島はもっとそうだろうし、あのへんはゴーギャンの絵のように色彩がさらに強烈。だから水気だけではなく、それが宙空に浮遊するパターンが違うんかな?ようわからん。余談が過ぎた。

畑、再び
明日は雨の天気予報だったのだが直前に見ると降水確率0%になってた。しかしアテにならないので、今日のうちにマリさん、高橋さんを畑に連れて行って見てもらったほうが良いだろうとのことで、お倉ヶ浜から一路畑へ。

畑デビューの両名

今朝僕らに対して行った畑レクチャーをまた繰り返すJUNJUN氏

僕らは、昨日から数えて3度目の畑。もうお馴染みな感じ。
既に朝に収穫を済ませたので、朝の続きの草刈りをする。
お二人も参加
この人数でやると進行が早い。左側のヒメジオンが密生していたエリアもきれいになっていった。
こういう体験をすると、「人手(人数)」の威力を感じます。そうか、人数が多いということは、グレートなことなんだなーと。ということは、近年(てかずっとだけど)農業の高齢化、過疎化、人手不足が言われているわけで、これだけのことをお年寄りがやろうというのは、かなり無理があるんだなというのがよくわかります。

余談:単位の話、一反=一石=人ひとり

日頃使ってないから何度覚えてもすぐ忘れてしまう昔の尺貫法があります。
それでも農地に関して印象的で覚えているのは、「一反で人ひとり1年で食べる量」=一反あれば一人生きていけるというのがあります。ただしこれは昔の話で、この単位が生じた頃の単位面積あたりの収穫量が少なく、かつオカズが乏しいのでゴハンばっかり食べていた(1日3合食べる計算)という前提らしい。

昔の感覚で1日3合食べるとして、年間365日をかけて約千合。また一反で千合の米が取れるとされていて、これが基準になり、1石(こく)という。一石=ひとりの食糧。「加賀百万石」は百万人を養うだけの食糧生産能力があるということなんでしょう。
今は収穫量が格段に増えるのと反比例してゴハンを食べなくなった。1960年の収穫量(一反)が350kgくらい→540kg(22年)と1.5倍増えているのに対し、一人あたりの米の消費量は、114kg(60年)→50(20年)と半分以下に減っている。1960年の段階で一反3人分だったのが、直近では10人分に増えている。(出典)

余談ついでに単位の話を続けると、
一反は10畝(せ)であり、10反が1町。畝→反→町と十進法的に進む。
なお1畝の30分の1は1歩であり、これは1坪とほぼ同じ。
1畝=30歩=30坪=60畳であり、大体テニスコートの半分くらい。1a(アール)とほぼ同じ。
10畝である1反は、小中校の体育館2つ分、ないし50メートルプールくらい。
10反である1町は、甲子園球場よりもやや小さいくらいで、1000平米=100a=1ヘクタールになる。

ここで思うのは、それらの単位のベースや根拠はなにか?もう一つ、なんで西洋のインチやフィートと近似値なのか。これは同じことだと思う。
基本は常に「人間のサイズ」なのでしょう。「一寸」を「ちょっと」と言いますが、最小単位で「このくらい」が一寸であり、1インチになったのだろう(約2.5-3センチ)。男性の親指のつけ根の幅とか諸説あり、そんなもん個人差ありすぎだろーとも思うのだけど、多分、指関係のなにかでしょう。
尺は、親指と人差し指(中指説もあった)を伸ばした距離の2倍とか言われているけど、そうなん?なおフィートは踵から膝までって言われている。ヤードは腕一本分くらいとか。
まあよくわからんが、10寸=1尺であり、10インチ=12フィートなど(12進法)、計算しやすいように適当に整えていったのでしょう。
坪は畳サイズ=人間一人が寝るサイズであり、これはわかる。細長いので二枚並べて正方形に近くし、単位として数えやすくした上で、これを「坪」にするというのもわかる。

ところで1坪=3.3平米だから、坪と平方メートル変換は、「0.3をかける」「3.3で割る(orかける)」とか言われてます。しかし、これ使えないよ。弁護士時代、不動産や農地事件で現場にでて見るときに、会話しながらだから電卓叩いてる暇がなく、暗算でやる必要があったけど、このやりかたは暗算に向いてない。2500平米を3.3で割るなんか暗算できないでしょ?なので別の変換で「3倍して10で割る(平米→坪)」「10倍して3で割る(坪→平米)」方がいい。これなら概算だけど暗算でできる。2500平米なら3倍して7500、その10分の1だから750坪。2500を3.3で割ると757坪だから正確には違うけど、現場感覚では大雑把に分かれば良いし。

なおメートル法の根拠は明快で「地球」。もう個人差のある人間なんかアテにならないじゃんってことで、北極点から赤道までの長さの1万分の1が1キロ。その千分の1が1メートル。てか、「キロ」が「千」を意味するので、赤道までの百万分の1が1メートルという方が正確かな。逆にいえば、身体実感や生活実感からはかけ離れてしまったけど。アールとヘクタールはメートル法を基準にしてる(10m四方、100m四方)ので尺貫法的な共通点はないはずなんだけど、1畝=a、1町=ヘクタールと不思議と一致してるのが面白い。人間が現場でなんかやるとき、そのくらいが「手頃なサイズ」なんかな。

メルヘン要素ゼロ
JUNJUN家に戻って、長旅のお二人は、しばしまったり。

程なく、マリさん主唱の近隣の温泉「かどがわ温泉心の杜」に行きました。公民館的なスパセンターみたいな感じなのかな。
僕は行かなかったので、ごめん、この間の経緯も写真もありません。行った人に聞いてください(良かったらしい)。
僕も温泉は好きだけど風呂はキライなんですよね。温泉「行為」「イベント」は好きなんだけど、入浴はカラスの行水で3分が限度。だってヒマなんだもん。血行が良すぎるのか、のぼせて身体がしんどい。
オーストラリアにいるときはシャワーオンリーで不都合ないし、今回も1ヶ月ほど日本に居るけど湯船を使ったのは宇賀神さんちと、あと自宅で一回だけ。湯を貯めるのかったるいのよね。

年を取るほどに、湯船でどうとか、癒やし系とか要らなくなってきてる気がする。普通逆だと思うけど(年取るとそういうのが欲しくなる)。おそらく、ワガママが増強してるから(=ストレスが減ってるから)じゃない?ストレス溜める→癒やしが必要ではなく、ストレス溜める→ストレスがあるようなライフスタイル(仕事とか)を変えるでやってるからでしょう。なかなか難しいかもしれないけど、弁護士やめてオーストラリア行くくらいのことが出来たら、大抵のことはできますよ。7LDKのでかい家のレントがきつくなったら、超断捨離をやってシェアに毛が生えたような部屋に移って家賃3分の1にするとか。そのための損得勘定であり、選択肢戦略。

田舎空き家と農業なんたらも、癒やしとかメルヘン的な要素は皆無で、ゴリゴリに合理的な損得勘定と選択肢(を増やす)戦略論です。今のシステムがどの程度存続するのか全く見えないからね。今回の訪問も、現地調査という「仕事」みたいなニュアンスが強い。その気になればビジネスレポートとして仕立てられるくらいの。
農場でもどのくらい頑張ってどのくらいリターンがあるかの感覚。トランス草刈りも大きな家を一人で管理するとどのくらい疲れるのか、無理なのかを身体で知っておきたいというのが大きい(Lane Cove時代に大体わかってるけど)。キーパーソンである叔父・叔母さんにお会いしたのもその意味合いもあります。皮膚感覚で一次情報を入れておくと、あとでシュミレーションするときに誤差が少なくなりますから。

金ヶ浜食堂
さて、一同が帰ってきてからお待ちかねの金ヶ浜食堂です。
何がお待ちかねなのかというと、JUNJUNが日向に引っ越してほどなく、叔父さん夫妻に連れて行かれた地元でも超人気のある食堂で、えらく美味しいという話を、サロンでの日誌で読んでいたからです。おし、行くときはここにも行くべと。

JUNJUNに予約を取ってもらって、おっとり刀で二台分乗で乗りつけて訪問。
見た目普通のドライブイン、というか民宿でもあり、地元の食堂でもあるみたい。
6/17という夏至近くの7時ころ。うろこ雲がきれい。

赤穂浪士のように、いざ討ち入り(笑)。「各々方ご油断召さるな」って感じ。

窓際なナイスな席を取っておいてくれたのだがテーブルが別れるので、窓からは離れるけど全員座れる奥の座敷へ移動。

メニューなのですが、さすが「食堂」、定食メニューオンリー。夜の部は居酒屋みたいになるのかと思いきや、さにあらず。

どうしたものかと鳩首会談。結果、盛り合わせ3つと、定食3品各1,それに地鶏を1つにしてシェアすることに。

飲み物がやってきて定番の。

まずこれ、マグロのレアカツ定食。個人的にはこれが一番美味かったです。

次に牡蠣定食。生牡蠣を誰が食べるかでジャンケン。「最初はグー」でチョキをだした僕は即時失格(笑)今の日本は最初はグーが全国規格になっているのかいな?僕が日本に居た頃(昭和から平成)、それは子供時代の田舎ルールで、大人でそれやってると、「かっぺルールでやってんじゃねーよ」と言われたもんだが。ま、直ぐにまた変わるだろうけど。
カツオを漬け汁丼。

で、どーん!の時節のお刺し身三人前。どれも美味しかったっす。

これが地鶏のなんたら(平仮名5-6文字の名前忘れた)

熱心にむさぼり食う一同

基本定食だから、居酒屋みたいに追加でダラダラもなく、あっという間に終了。
僕は高橋さんの車にいたのだが、先導するJUNJUN車が先にいってしまい、ナビしてなんとかたどり着きました。

で、家飲みまったりダラダラ二次会。 

このあとマリ先生のお灸大会があり、皆が順繰りに「お灸を据えられた」わけです。僕はパス。昔っから凝らない体質で、それは年をとっても変わらないから、余り食指動かんのですよね。あとでマリさんに聞いたら、昔から凝りがひどくて、それで自分でも覚えたと。そういうのはあるだろうなー。必要はすべての母になる。

とかなんとかで二日目も終了。

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