増原さんより、写真展「四国の静寂」(シドニー開催)のお知らせ

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2016年にWHで来られた増原さん(稲垣さんと同期)から、シドニー現地で開催されている(増原さんのお友達の)写真展についてお知らせをいただきました。

増原さんは写真が趣味で、過去にも紹介したことがあります。
増原夏子さん~写真と社会学と(その1)
増原夏子さん~写真と社会学と(その2)
(久しぶりに自分で読んだら面白かった(笑)、てか写真がやっぱ良いです)。

さて、今回は増原さんの写真ではなく、彼女のお友達の写真展です(翻訳その他で協力もしたらしい)。
ダミアン・ドリューさんという方で、冒頭の写真に記されているように、
今月(24年7月)の17日から8月11日まで、
Woollahra Gallery at Redleafというところでやっています。

個展の紹介ページは
https://www.woollahragallery.com.au/Whats-On/Current-and-Upcoming-Exhibitions/Damien-Drew-Shikoku-no-Seijaku-Shikoku-Silence
です。

このギャラリーの所在やアクセスは、
https://www.woollahragallery.com.au/Visit#visit-us-accessibility
に詳細が書かれてますが、地元民的にいえば、ダブル・ベイのちょっと先、ローズベイとの間、New South Head Rd沿いにあります。

開館時間ですけど、注意すべきは月曜日と火曜日はやってません。
もっぱら週の後半がメインぽくて、水曜日は午後だけ(午後1時-5時)、木金は午前10時-午後06時、土日は10時-05時だそうです。

個展の紹介ページに記されている英文の解説ですが、Deepleで機械翻訳したものを載せておきます。かなり正確で、巧みに翻訳されているので手直しする必要がないくらいです。進化してるなー。

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「四国の静寂』は、静謐でありながら心を揺さぶる四国の風景を通して、見る者を映像の旅へと誘う。ダミアン・ドリューのレンズを通して撮影された、かつて活気にあふれていた町並みの名残は、高齢化と農村から都市への漂流がもたらす悲哀を映し出している。見捨てられた風景は、ゴシック的な素晴らしさを体現し、哀愁と「わびさび」の原理を吹き込んでいる。鑑賞者は、再生と衰退の間の微妙な相互作用を熟考し、これらの無人の風景の静けさと美しさに思いを馳せるよう誘われる。

建築家としての訓練と長編映画のアートディレクターとしての豊富な経験を生かし、ダミアン・ドリューの写真活動は、建築環境とビジュアル・ストーリーテリングという2つの興味の架け橋となっている。個性的なコミュニティの消滅、フランチャイズ化された景観の台頭、ありそうもない場所に見出される美に魅了されている。

ドリューの写真は世界的に出版され、展示されている。2020年にはPhotolucidaの「Critical Mass」、2022年にはLensCultureの「Black and White Awards」の最終選考に残り、「Shikoku no Seijaku」シリーズでは、2022年にCapture Magazineの「Australasia’s Top Emerging Photographers」にランクインした。リドリー・スコット監督の『エイリアン コヴェナント』やバズ・ラーマン監督の『エルヴィス』などのアートディレクションを手がける。

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要するに、日本の山村の限界集落やら廃村やらの風景をカメラに収めたものですが、寂れていく日本の地方を外人さんの目はどう切り取るのかも興味のあるところです。
と同時に、撮影者に「建築家」としてのキャリアがあるのも興味深いです。紹介文原文に”He is fascinated by the erasure of unique communities, the rise of the franchised landscape”と書かれているように、地場独特のユニークな集落が消え、版で押したようなフランチャイズ化された景観に置き換えられていく、ってあたりが建築家らしいです。建築家というよりも、都市工学的な視点かな。

シドニー在住で、お時間のある方はどうぞ。

7月25日:追記 行ってきました~

すでにFB上で山口さんがご紹介くださってますが、僕も行ってきました。
重複を恐れずちらっと報告しますね。

Woollahraカウンシルのところ(隣)で駐車場も使えるとのことで、ここに車を起きました(幸いなこともまだ空きがあった)。
海も一望にできる。

そのちょい歩いた隣りにあるのがギャラリー 

この階段を降りていくといい感じの回廊になり、すぐ展示場になる。

中で写真撮っても良いですか?と聴いたら、全然OKだというので撮りまくりました(笑)。

いやあ、写真も良かったのですが、久しぶりに伝統的な良い建物に入って、目の保養でした。このあたりからヴォウクルーズにかけてシドニーでも最も富裕エリアであり、物件も高い。普通に数億~数十億円とかしますけど、それだけのことはあります。

お気に入りになった奥の海の眺望もある室内テラス部分。

さて本題の写真ですけど、予想以上に面白かったです。
かなり四国のあちこちを精力的に歩き回っておられたようです。まずそれがすごい。
最初に撮影場所を記した地図がありました。

写真一枚づつにどこで撮ったのか書かれています。
ただ徳島県海部郡とか、高知県高岡郡とか言われてもわからないのですが、地図にしてくれるとわかりやすい。

解説もあるですが、谷崎潤一郎の一節なども引用されておりました。

閲覧は無料。おまけに無料のパンフレットまでくれたのですが、これが良くできてました。写真全部載せてくれてます。
一枚づつ写真撮ったんですけど、44枚もあるし、全部載せるのもアレなので(アレってなんなんのかわからんけど(笑))、代わりにパンフレットを撮ったのを上げておきます。読めるようにでかい画像で(横幅4000ピクセルあります)。

と思ったら、WPにUPした時点で勝手に圧縮されちゃうので(解除の方法を調べてるのが面倒くさいので)、別途、HPにUPしておいたのでLinkを貼っておきます。
https://aplac.net/misc/shikoku01.jpg
https://aplac.net/misc/shikoku02.jpg
巨大サイズで見れますので、個々の写真と解説もある程度は判別できると思います。

写真それぞれに構図も良く、さすがに完成度が高い(見てすっと違和感なく入ってくる)。
プロなんだから当然って言ってしまえばそれまでなんだけど、ただ、いかにも廃墟ってものに加えて、「なんでこんなものが?」的な、どことなく諧謔味のようなものも感じました。

特に、この写真、高知県室戸市の「スカイレスト室戸」らしいのですが、

これはもうSF的なオブジェになってますねー。

ちなみに今、スカイレスト室戸で検索したら、日本では『死霊たちが集う魔のランドマーク、室戸岬・スカイレストニュー室戸(高知)』とかいって、稲川淳二のDVDがありました(笑)。そうかー、本国日本ではそうくるかーという。

あと、分かって撮ってるのか不思議な感じがしたのが、これ。

「愛媛県今治市のコンテナ」とのことですが、ちょっと読みにくいからもしれないけど、コンテナの上にかかっている屋根みたいな部分に「夜逃げ屋グループ」と書かれているのですよね。夜逃げ屋が夜逃げして打ち捨てられているかのような、意味が良くわからないシュールな感じ。コンテナを打ち捨てるにせよ、こんなところに放置するか?てか、そもそも夜逃げ屋が「夜逃げ屋」なんて大書したりするもんか?。それとも、もとは何か別の営業をしてた店舗なんでしょうかね。もう存在そのものがミステリーで面白い。

さらに、撮影された方、「夜逃げ屋」という日本語を理解してたのだろうか?という疑問もわきます。

それと、これは「徳島県三好市の川魚料理店」らしいのですが、これ廃墟かと思いきや、営業してるんじゃないですかね?建物の上部はきれいなものだし、右手の提灯も揃ってるし、「本日終了」らしき札もかかってるし、字が読めないんだけど「◯◯員出張所」みたいな札もかかってる。
このやってるんだか、やってないんだかわからんというのが面白いのかな。

このように一枚一枚いろいろ考えたり、面白がったりできます。
もちろん本題の、大きな大きな人の世の新陳代謝みたいなものも感じます。悲しいことのようで、でも、それはあって当然、むしろ喜ばしいことですらあるみたいな複雑な感覚。

以上、追記しておきます。

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