今週は日米株価が暴落しましたけど、すごーく長いスパンで見ると、90年代後半くらいからずーっとヘンなんじゃないの?って気がしてならない。
図は1980年から現在のまでのダウ・ジョーンズの推移なのですが、80-90年台半ばくらいまではマトモに見えます。地味に、じみ~に上がっている。でも2000年くらいまではアメリカや日本、先進国はまだ強かったはずです。地道に経済成長していたと思う。それでこんなもんですから、実体経済というのは、そこそこ好調でもこんなもんであり、それでけっこう皆ハッピーになれた。
ところが金融経済(投資というか投機、バクチ)が発展してきて、実体経済とのリンクがゆるんできて、レバレッジだのアルゴ取引だの新技をひっさげて、勝った負けたの鉄火場を演じはじめた。そこそこ盛り上げってるから、景気はよさげにみえた。しかし、実態的にはアジア経済の離陸が始まり、BRICSの台頭があり、逆に欧州などではPIGSなど若年失業率50%など先進国は左前になってきた。
これは町工場レベルでいえば、本業はだんだん海外勢に食われてジリ貧なんだけど、競馬に目覚めた社長が激しく入れ込んで、そこそこ勝ったりするから、社長だけは羽振りが良くなった。ベンツ乗り回したり。でも本業がジリ貧だから工員さんの給料は頭打ち。
これが2000年頃からの新自由主義経済というか、貧富格差の始まりというか、バクチで勝ってる奴はいいけど、全体には微妙だという。
そこで「んなわけないだろ」と調整がかかったのが2008年のリーマンショック。これで以後地味に仕事に精出すかと思いきや、全然懲りずにやっている。それどころか、むしろ歯止めがきかなくなった。直近数年、とりわけトランプ以降の1年くらいはヤケクソみたいな暴騰をしていた。
ほんでもって、過去20年分のヘンテコな経済のツケが溜まり溜まって、格差は広がり続けたのでしょうか。
別にそんなバクチやらんでも地道に働けばええやん、それで昔はけっこう楽しくやってられたのにとか思うのだけど、もしあの頃に戻る=これまでの歪みを修正するとなったら、途方もない大暴落をしないとならない。今週の暴落など、長い目でみたら微差に過ぎない。「こんなもんじゃない」ということ。
さてさて、経済が生き物で、長い目でみればホメオスタシスにように本来あるべき姿に回帰するとか、歴史の周期性で無理のある状態はいつかは元に戻るとするなら、それはいつなのか?です。20年来のバブルがもし本当に一回精算されるとするなら、それは過去のどの大恐慌も比較にならないくらい大規模なものになるでしょう。ちょっと想像付かないレベル。
まさかねーとか思うけど、じゃあこの変なのが未来永劫続くの?22世紀にも続くの?というとそれは無いような気がする。ならば、やっぱどっかで「清算」はあるんだろう。これって地震に似てますね。地下のマグマやらプレートやらが捻れて、引っ張られて、「いつかは元に戻る」そのときに地震が起きるんだけど、いつ起きるかはさっぱりわからん。それに似てるよな気がします。
先延ばしにすればするほどエネルギーが蓄積されて、起きるときはより大規模になるという比例関係も含めて。