安藤大さん訪問

メルボルンの歯科医の安藤さん、2012年に日本に居て渡豪を考えている頃から、2015年に永住権を取り、そして今にいたるまで、よいメル友状態です。オーストラリアで会うのはこれが初めて(日本では一昨年の西日暮里オフでお会いしてます)

Pocket

 

旧年中のことですが、メルボルンの安藤さんがシドニーに立ち寄った際、お越しになられました。

安藤さんとは、2012年以来のメル友です。
日本で現役の歯科医としてバリバリやってて、でもオーストラリア行っちゃおうかな~って思ってるときにメールでご相談を受け、以下折りにふれご質問をいただき、あるいは経過報告を、そして2015年にめでたく歯科医として永住権をゲットされました。

特に歯科医の試験のくだりは、「こんなに大変なのか」ってくらい「凄絶」ですし、やった本人が書いてるだけに「手に汗握る」迫真性があります。
これは私メールとして私蔵するのは勿体無いと思って、書簡集をまとめて体験記扱いにしようとしました。安藤さんにもご同意いただけたのですが、最後に僕が欲を出して追加質問をしたあたりから、双方忙しくなって、いつのまにか忘却の彼方に、、、そのままお蔵状態になってました。
あまりにも勿体無いから追加質問部分はもうナシにして、UPしました。過去のメール集ですので、特に編集する必要もないし。

というわけで、
歯科医移住奮戦記 安藤大さん
2012年渡豪前~2015年永住権取得までの書簡集

一般のワーホリ・留学体験談のところに入れておきますね。殿堂入りです。
長いのですが、お時間のあるときにお目通しを。

———-

さて、この日は永住権取った後、奥様のご出産などもあり、日本とオーストラリアを行ったり来たりのさなか、メルボルンでの転居地候補を探す際に、シドニーに立ち寄られたものです。

安藤さんとは実は一回会ってます。
もう一昨年になるのか、夏の東京/西日暮里オフの際にお越しいただきました。2017年のことです。その時点で、メールを始めてから足掛け5年たっていたので、「ついに!」って感じでした。今回は、「ついに(その2)」で、オーストラリアで会えましたねー、という

この日は、いわゆる世間話というか、もうお互い永住権も取ってるし、こっちでの生活も出来てるし、だから、これから先の人生、日本とオーストラリアとの「比重配分」をどうするかみたいな話になりました。
といっても、そんな真剣に検討とかいうのではなく、「日本はどうなっちゃうんですかねー」「いやあ、ヤバイっしょ」とかそんな感じで(笑)

ただ印象に残ったのは、同業・業界話で、やたらお金儲けに走る人、やたら虚栄というか資産ステイタスとかに走る人がいて、「あれ、なんでですかねー?」と。

安藤さんはもちろん違うんだけど、同じ歯科医でも、やたら高い治療法を勧めてガシガシお金儲けて、仲間内では「いやー、今度◯◯(高級外車とか不動産とか)買っちゃってさー」とかブラグ(brag 「自慢する」という意味)する人とか、「結構いますよー」って。

弁護士もそうだが、歯科医だって、やってりゃ普通に周囲からチヤホヤされたり、そこそこ優越感に浸らせてもらう機会には事欠かないわけで、それ以上、金とかステイタスとか欲しがる心理がよくわからないです。「そんなに満たされないのか?」「その欠落感はどこからくるのか」と、そこが不思議で。

まあ、クルマとかヨットとかは、こちらでも”Big Boy’s Toy”って言われたりするから、いわゆる男の子の無邪気なオモチャ的に理解可能なんだけど、オモチャ的な路線から離れて、「金持ちの俺」を演出するみたいな発想が、ようわかんない。そんなに人から「すごいですね」って言われたいですかねー?何回言われたら満たされるのかしら?

僕なんか6年弁護士やっただけで、満たされるどころか、もうお腹いっぱいを通り超えて、もう一生分チヤホヤしてもらって(てか人生2回分以上だよな)、これ以上「先生」とか呼ばれてると、あまりに分を過ぎた不当利得感というか、詐欺やってるみたいな罪悪感ぽい感じでうんざりしてました。
ディスられるのは子供の頃から慣れてるし、それがバネになって頑張れるという生産性はあるんですけど(人生の原動力は「こんちくしょう!」だ、という名言もある)、実体を超えて評価されるのは、ひたすら居心地悪いだけです。
だからこっちきて、ノータイトルになって、名実ともに単なる「英語の出来ないアジア人」になったときは、せいせいしたもんです。あー、やっと身の丈に合ったわーって。

—–

さて、安藤さん、今はメルボルンのどこかの歯医者さんで勤務医やっておられるのですが、将来独立するとか?「それはないですねー」って言っておられました。

そうだよね、大変だもんね。
開業医の人とか、へたに機材とか揃えちゃったら、そのローンとかリースで死にそうになりますもん。僕が日本を出る20年以上前の話だけど、MRとか3億くらいするし、買わないまでもリース料が月に凄い額になって、毎日死ぬほど働いてもローンとかリース料払って終わりとか。もう「じっと手を見る」世界だとか。病院や医院の倒産とか多いですもん。

とか書いてたら、
「医療・福祉事業の倒産が最多に 経営難を暴力団が食い物に」

とか、
「医療機関の倒産は40件、前年比6割増 18年、帝国データ調べ」
とかありました。2019年1月10日(きのう)のニュ=スです。

ま、経営やばくなると暴力団が食い物にするってのは定番だし、そのメカニズムと手法は僕の前職のプロパーだから分かる気がする。まあ、医院乗っ取ったら美味しいよね。勝手にあれこれ診断して、国から障害年金やらなんやら奪い放題だし、極論すれば人を殺しても病死扱いできるもんなー。バブルの頃は、非課税特典のある宗教法人がマネロン手段として激しく活用されてたけど、今はマネロンやらなきゃいけないほど暴力団も儲かってないでしょ。

それはさておき、こちらの場合、GP(一般開業医)は診察だけをして、検査は全部外注、レントゲンでもなんでも全部外注。患者は、別の日に紹介状もってレントゲン取りにいかなきゃいけなくて、そこは大変なんだけど、でもお医者さんのリーズナブルな経営という意味では優れてますね。
メディカルセンターなどは、複数の医師がかわりばんこにブースに入ったりして、受付も会計の設備もスタッフ費用も、おそらく皆でシェアしてるのでしょう。開業と勤務の間のフリーランス的なやりかたが上手にできてて。

検査も日に何度も検査宅急便みたいな人が取りに来てくれるし、検査結果は患者にSMSで送ってくるし~”Good! you don’t have to come again”とか)、メディケアカード(保険証みたいな)あれば、これまでの全医療履歴と検査結果がDATA共有で一元管理されてるから医療過誤の証拠隠しとか出来ないし。

————-

僕はもう弁護士やるつもりないけど、安藤さんは”まだ”(という表現は失礼だが)歯科医の仕事に可能性や情熱をもっておられて、ただ、これからはもっと広げて、自分がえいや!でやってきた軌跡や経験、そして日本で悶々としている過去の自分的な人達の力になれないものか、と模索中です。

これは安藤さんに限らず、「対岸まで泳ぎきった人」が振り返ると、思うことです。
表現はちょっとアレかもしれないけど、ドラッグ中毒から立ち直った人が、過去の自分の辛さや共感力を資本として、リハビリ業務として他の人を助けたくなるのと同じことだと思います。

一般化すれば、自分のこれまでの体験知識が他人の役に立つとなると、それはそれはうれしいもんです。僕のAPLaCも、なんか役に立てばいいなというのが原点だし、今もそうだし、その充実感や楽しさっていうのは、お金とかステイタスなんぞの比ではないよね。もう比べもんになんない。自慢快感なんかめっちゃ底浅いし、あとで虚しくなるし。

安藤さんも、どんどん、経験還元をしてくださいまし。

それと、永住権とってからの戦略とか、今は「道なき道」になってる感じなので、一緒に開拓していきましょう。
日本とこっちと半々というのがいいよねって誰もが言うんだけど、それを経済的、社会的にやっていく方法論はまだこれといって開発されてないとは思うし。

あ、そだ、経済的で思い出した、安藤さんからAPLaCを会員制にして、年会費1万円とかとったら安定した経営資源になるんじゃないですか?とか言われたんですけど、どうなんでしょうねー。

ま、それよりはセーフハウス作るほうが面白そうな気もするけど、ま、結局同じことなのかもしれないし、まだまだ考えなきゃいけないことはたくさんあるように思います。

また語り合いましょう。

写真は最後にまとめて撮ったもので、「いやあ、写真苦手で苦手で」って照れるわ、証明書写真状態になるわで、ナチュラルにならなくて(笑)

いや、ナチュラルって言われても難しいっすよ~って状態↓
でもこれがナチュラルだよなー

なかなかキリッとしててカッコいいです 名探偵みたいな 茶目っ気あって素敵

これもキリ!系でいいすよね、お使いください。

これが普通っぽいかな~

やっぱ笑ってる顔はいいですよね

Pocket