李沙耶(@フィンランド)さん来訪

20歳のときにオーストラリア留学→韓国Airbnb→カザフスタンプロジェクト(流れ)→フィンエアのCAでフィンランド暮らし、そして、、、

Pocket

沙耶さんは2014年に学生ビザで渡豪。よーく覚えてます。まだ関学3回生休学時に、韓国留学のあとやってきて、歴代でもかなりトップクラスの金欠スタート、シェアも週100ドル前後絶対!と当時でも無理目の条件で探しまくり、2-3週かけて根性でフェリー通学・超海そば「部屋から釣りが出来る」部屋をゲット。ド根性度でも歴代トップクラス。後日ワーホリで渡豪された弟君も「姉は、根性だけはありますからねー」と言っていた。

オーストラリア9ヶ月留学のあとは、直後に「いま、アマゾン(本屋ではなく本物の)にいまーす」とか、「韓国でAirbnbで働いてます」とか断片的には聞いてましたが、今回超特急の「シドニー里帰り」(最近多い)の際に、あれからどうなったの?といろいろ聞いてました。折しも一括パック初日の下村くん(後日掲載予定)と一緒にちょっと「再受講」して、そのあとライカードまでジェラート食べにいって、そこでお話しました。

有為転変
一括パック後のシドニーでは、猛然とバイトしまくって金欠克服、9ヶ月の間にバイトを10軒変えていき、最初時給15ドルくらいのジャパレスから、最後時給23-24ドルのパブのポーカーマシンのコーナーまで出世魚的に上昇。その後のアマゾンは、なんでも知り合いがツアーを安くしてくれて~とかいうコネでの話。

帰国後、まだ大学三年なのでとりあえず卒業し、韓国のAirbnbの事務で働いている間に、次の話が。カザフスタンでなんか立ち上げるという日韓合弁のプロジェクトがあってその初期スタッフに当選。待機のまま準備してたら事情変更でプロジェクトそのものがフェイドアウトしてしまう。
しかし、そんなんでメゲる彼女ではなく、その後(今の)、Fin Air(フィンランド航空)のCAとして稼働、フィンランドに住み始めてちょうど1年たったところで現在に至ると。

今後このまま稼働してれば4年位で永住権取れて、そうするとEU全部いけて、どんな職種の仕事にもチャレンジできるからそれもアリなんだけど、あと3年もフィンランドにいるのもなーと。

フィンランド話
フィンランドといえば、シンイチくんが現在留学中で直に彼に聞いたり、あるいは彼のブログにもいろいろ書かれているのですが、いやシンイチ君以外からフィンランド生情報が入るとは。人が違うと視点も違うのでなかなかおもしろいです。

沙耶ちゃんの語るフィンランドは、「こんな世界が地球にあったのね」的な肌触りで、僕が聞いた印象を二字熟語で言えといわれたら「静謐(せいひつ)」。

白夜の国であり、ムーミンの国でもあるのですが、そんまんまらしい。

日常生活はどうなってんの?と聞くと、見せてくれたのが、

これが今住んでる家らしい(複数人でシェアみたいな)。

でもって、毎日の通勤路がコレらしい

なんか長野県や北海道の別荘生活みたいなんだけど、この静かな雪道を15分歩いて駅にいくのが航空会社フライトアテンダント正社員たる彼女の「日常」だとか。いやー、大阪の大学生活とはえらい違い。

そういう見た目だけではなく、「人」がぜんぜん違うらしい。

彼女のCA、つまりスチューワーデスさんの世界ですが、フィンエアの場合、「女の世界」的なあれこれはまーったく無いようで、年齢層もめちゃ高く、おばさんとかおばあさんも元気でやってる。また、彼女らが揃ってスーパーウーマン的にあれこれ勉強したり、今度看護師の資格とるんだとかやっている。
かといってキャリアにギンギラしてるわけでもなく、それどころか、話題といえば、「近くの森林にでかけてマッシュルーム摘みとブリーベリー摘み」と、あと一つなんだっけな、手芸とかそんな話題「ばかり」で、めちゃ「浮世離れ」してるのだが、本当にそういう日常を送っているらしい。もう、正真正銘そういう人生なんだと。

そういう人々に囲まれ、夏になったら夜の11時くらいにようやく数時間暗くなり、冬になったら正午前後にうっすら明るくなるだけ。

ほんで、「人」の印象ですけど、オーストラリア帰ってきてほっとした~!と言ってたけど、やっぱオーストラリアは皆明るいし、人なつこいし、人間臭い。フィンランドが冷たいわけではないんだけど、また実際にも優しい人たちなんだけど、ただ他者との距離がちょっと遠い。一人でゆっくり自足してる感じ。

ノルウェーやスウェーデンなど北欧三国との比較で言えば、あとの二カ国は、やっぱ都会でエネルギッシュな感じがして、フィンランドはそれに比べて田舎感があると。でも、寂れているとかではなく、独特に高度に洗練されている。「鄙の洗練」とでもいうべきか。

なあんて話を聞いてて、出てきた単語が「静謐」でした。

あ、いくら貰ってんの?とか生臭い話を平気で聞いちゃったりして、でもって又「えーとね」とか答えちゃったりして(そこは大阪もん同士というか)、フライトのシフトによるけど、大体25万円くらいだけど、家賃の補助が国から出るから不自由はないと。またかなり楽なスケジュールで、12月なんか半分くらいオフだったとか言ってましたね。身体はすごい楽だと。ああ、もう日本で絶対働けないですよーって。

聞いてて思ったけど、「やんちゃ」な沙耶さんには微妙に違和感あるかしらんけど、こういう生活、こういう人生にしっくり収まりそうな日本の人って沢山いるような気がします。行けばいいのにって思うし、可能不可能以前に選択肢として思いつかない環境自体に問題だとも思う。が、そもそも日本でそういう理想的な生き方が出来るようにしちゃえばいいじゃんとも思う。これも可能不可能を言う前に、選択肢として真剣に入れればいいと。

なんで?&今後の展望
そもそもなんでCAやってんの?なんでフィンランドなの?というと、すごい話は明快でした。

航空券が安くなるから~安く世界を旅行できるから

これに尽きると。
つまりCAが目標でもなんでもなく、要はもっともっと世界を見て回りたい、行きたいところも山程ある、まだまだ足りない!

そのためには安く世界旅行できる手段が必要だ、航空会社に入ったら安く行けるぞ、よしGO!で、片端から世界の航空会社(日本の会社はカルチャー的に無理だと思ったらしい)に応募し、本命はエミレーツ(アラブ首長国連邦)で、理由はとにかく世界中に飛んでるからいろいろ行ける。フィンエアもいいけどやっぱ少ない。エミレーツもいいところまでいったんだけど最後で落ちて。だけどまだトライし続けてて、エティハドも狙っているとのことです。

要は超格安の航空券ゲットのためだと。
そんなに安くなるの?と聞いてびっくり、フィランドから日本まで1万ちょっとくらいとか、10分の1とかもっとじゃん。いいじゃん!って、それを聞いて、僕も一瞬その気になったもん(笑)。あー、納得。なるほどねえ、その手があったか。

というわけで相変わらずバリバリとマイウェイを突っ走ってる沙耶さんなんだけど、それだけに、大学時代の友達とか、もう話が通じなくて、、と言ってた。まあ、通じないだろうな(笑)。

だけど、活発な彼女が静謐なフィンランドでおさまるタマとも思えず、世界中旅して、そんでどうすんの?とさらに聞くと、最後はオーストラリア永住ですよ!と、これまた明快な。いろいろ世界見てきて、住むならココだと。もう決めてるらしい。

色々やってきてるよううで、なんせまだ26歳だから、ワーホリいけるのですよね。
ワーホリやります、絶対。前回来たときは、もったいないからワーホリ使わないで、あえてお金がかかる留学にしたくらいだし、ラウンドもやってないしって。

永住権難しいけど、でも、彼女ならやるでしょうねー。なんつか、道なき道を見つけるのが巧いのよね。なにかを見てとか誰かをお手本にしてとか全然思ってないよね。僕に似てる気がするのだが、宿題を仕上げるためにどっかに解答がのってるアンチョコがないか探したり、まんまパクれる文献がないか探したりしない。そもそもどっかに正解があるとか最初から思ってない。だから探さない。無いものを探してもしょうがない。全部自分でゼロから作ろうと思ってる。作れるとも思ってる。道なき道は、発見するものではなく、作るものなのだ。

んでも、彼女も述懐してましたけど、やっぱ百ドル絶対極限条件でシェア探しで粘ったのが、いい原体験、成功体験になってると。「そんなの絶対あるわけない」ってことを執念でもぎとった。実際には140だったらしいが条件考えたらバカ安ですもん、本当に部屋から釣りが出来る、ほとんどボートハウスみたいなフラット。僕も「あるもんだなー」って思った。あのときは、覚えてるけど、オーナーのオージーに電話しても電話しても全然つながらず、殆ど諦めかけてた頃にようやくコンタクトが取れてって細い糸を手繰り寄せてって感じ。

その原体験でいえば、ターゲットに入ってきたものは「執念でもぎとる」のが流儀になってるのでしょう、実際それでできてるし。またそのための準備もしっかりやるし。20歳でオーストラリアに来た時点で既にIELTS6点取ってたし、それがその後の資源になってる。やることはやってるのですね。

でも、活字にするとギラギラした肉食獣的なんだけど、沙耶さん、実際にはふうわり春風みたいな柔らかい人です。

Pocket

コメントを残す