田口千夏さんの結婚忙話

日本の鎖国的実務~海外裁判の翻訳文やらインバウンドインターフェイスやら

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田口さんは2016年に来られて、取り上げるのは今回で4回目?New Faceワーホリ終了時そして先日水貝くんや小西くんと一緒のとき

また「来訪」にしちゃうとタイトルがかぶるので「結婚忙話」にしました。「忙話」なんて日本語はないんだけど、その逆の「閑話」はあります。ヒマにまかせてのおしゃべり(「静かな対話」って語義もあるけど)。
「忙話」とつけたのは、なにかで「あー、忙し!」ってなってて、なんでそんなに忙しいの?ってことに関する話ってくらいの意味です。なんでこの言葉ないんだろ?

さて、田口さんが忙しいのは結婚諸事雑務。お相手はワーホリの最後の頃にちらと言ってたオージー(アジア系だが頭の中身はオージー)、金融系とかでバリバリやってて、シティに住んでて。配偶者ビザを申請したんだけど、それはもう出したっきり、ここしばらく音沙汰なし。ひたすら待つしかなくて、そこは忙しくない。
何が忙しいかというと、日本での戸籍実務とか、あと式や披露宴。

まず日本の戸籍。とにかく海外対応インターフェイスがダメダメすぎる。かねてから非難轟々なのだがあまり改善されてないようですな、まあ戸籍に限らず日本のあれこれの海外対応はほんとダメ過ぎ。実質鎖国よね。海外からなにか申し込もうと思っても、日本の住所がないとダメとか、海外でもOKとか言っておきながら、郵便番号の欄で対応してないから結局ダメとか、日本の携帯電話がないとダメとか、先進国とは思えないくらいぶっちぎりでダメ。でも、僕もかつてはそうだったけど、「海外 = almost 宇宙」みたいな感じで、何が必要だとか、海外目線で思いつけないのだと思います。わかるよ。よく。

だけど、羽田や成田の電車の切符販売機なんか、日本人の僕が見てさえ「なんじゃこれ?」と思うくらい複雑で、まるで飛行機のコクピット仕様みたいで、デザインした人に聞きたいが、お前、長時間のフライトでフラフラになってるとき、これが全部タイ語で書かれてたらどう思う?って視点がない。数年前の羽田の京急乗り場では、このコクピット仕様自販機の前で若い中国人の集団が中国語で書かれているアンチョコ本を見て切符を買っていた(この機械のどこを押せとか書いてあるのよね、図解入で)。

インバウンドだなんだとかいっても、目線がダメだからこれも実は海外から非難轟々で(日本にいると聞こえないだろうが)、次世代唯一の金づるがコレじゃあかんやろ。逆に言えばビジネス的には宝の山なんだろうけど。そのあたりの事情は、例えば、最近のNewsweekで「日本の観光地、なぜこれほど「残念」なのか 優先すべきは情報発信より中身の「整備」」という記事があるのでご参照あれ。

話はそれたけど、田口さんがストラッグル(四苦八苦)してたのは、彼が法律婚可能であることの証明(年齢とか、重婚ではないとか)。そこで以前、相談があって、オーストラリアのシングル証明(例えば過去の離婚があった場合、その事実の証明)を日本語に訳さないとならず、そこで悶々としておられたそうな。
簡単な英語の裁判証明文とかだから、文書を写メって、メッセで送ってもらって、その場で大雑把に翻訳してあげました。

このあたりは日本語の「それっぽい」法律的なフレーズをどれだけ知ってるかとか、一般に裁判所が発行する文書だったら、こういうことや、ああいうことが書かれているだろうなーという一般的な知識がないと難しいかもしれないです。また、どうでもいいようなお役所の責任逃れのような文言が延々続きますよね。ビザの交付のメールなんか90%以上はどうでもいいような注釈ばっかだし。

例えばですね、”NOTE”と記されている注釈が一番長くて、これはどんな書類にも付記されるので個人情報とかプライバシーに関係ないから載せてみますと、

このややこしい英文で頭がどかーんとなるのはわかります。大したこと言ってないんだけど。参考までにこれを「それっぽく」翻訳すると、

注:
1,本婚姻における当事者が、オーストラリア家族法1975に基づき、管轄ある裁判所に対して、資産ないしその維持等に関して申立を行う場合は、本離婚判決が発効してから12ヶ月以内に行わなければならない。上記期間を徒過した場合、裁判所から特別の許可を得ない限り、これを行うことはできない。
2,この離婚によって、遺言が失効し、あるいは影響を受けることもありうる。各当事者は、それぞれの州ならびにテリトリーの法律において、いかなる地位になるかにつき、法的助言を得られたい。
3,本婚姻の当事者が、本離婚の効果が発生する前に他の者と婚姻をなした場合(他方が死去した場合を除く)には、重婚罪に相当する
4,本離婚が効力を発する前に、もし一方当事者が、他方が死去してしまったことを知るに及んだ場合には、その死の日時と場所について記載した宣誓供述書ないし証明書を法廷に提出しなければならない。

てな感じでしょ?
でもほとんど意味ないっつか、こんな場合かなりレアケースだと思いますよ。まあ万が一を考えて親切に書いてくれているのかもしれないけど、普通の人が単に英語ができるだけだったら意味わからんかもしれないです。

でもさ、こんなの英文なんだから、そのまま写メったのを日本の戸籍係にメールで送ったら良いくらいにしてほしいよね。そりゃスワヒリ語とかタミル語だったらダメだろうけど、世界中で話者が1億人以上ある言語については、すべての役所企業で原文のまま対応できるくらいにしておいてほしいですね。それが夢物語だと思うこと自体、致命的に世界から取り残されているんだと思うよ。すべての言語話者をすべての役所に揃えなくても、警察における科捜研みたいに、どっかのセンターに日本人とそれぞれの言語話者(+特殊技能)を雇って、オンラインで結んだり、現地に外注に出したりすれば足りるし、それがネット時代の生産性でしょう。こんなの大した金かからんよ。無意味な天下り外郭団体一つリストラしたら、いくらでも資金はあるだろうに。
てか、日本で働いている多くの外国人だって、彼らの中には本国に帰ったら医者だとか弁護士だとか建築士だとか専門スキルがある人も多いだろうし(僕がこっちでバイトしてるみたいに)、逆に裏社会に異様に詳しい人だっているだろうし、そういうスキルをもっと掘り起こせば経営コンサルタントなんかにクソ高い金払う必要もないと思うけどなー。宝の山ってのは、そういう意味もあります。

話はボンと戻して、田口さん、先日帰国してあれこれ式場とか段取ってきたようです。どこでやんのー?って聞いたら、なんと明治神宮。おお、故郷の輪島じゃないのかっていうと、世界中から参加者が来るのでアクセスの便宜を考えたら東京だろうと。たしかに輪島はきついものがあるなー。七尾線とか風情があっていいんだけどなー。しかも最近輪島をつなぐ電車が廃線になって、JRでいけるのは和倉温泉まで、そこから「のと鉄道」で穴水ってところまで、さらに路線バスを乗り継がないとダメだという。どこがインバウンドやねんという。

でも明治神宮って高いんじゃないの?って聞いたら、意外と普通らしいです。ただ、その「普通」にしても日本の式は高い。以後、おばちゃん同士の会話のように、高いわよねー、意味わかんないわよねー、写真で30万円ってどゆこと?みたいな話になったのでした。

あとは、普通にってか、意外にってか、政治経済とかの話ばっかしてました。田口さんも興味あって、日本とオーストラリア、どっち住むべき?とか、リアルに実現性ある選択肢が眼の前にあるし、将来も考えなあかんし、故郷の輪島塗り(実家が卸)でカフェをという当初の夢もあり、そんなこんなで世界の情勢を見極めないと進路が決まらんという。

先日のオーストラリアの連邦総選挙の「意外な」結果とか(政権交代になるだろうと誰もが予想してたら、首の皮一枚で現与党が勝って、勝った側も「ミラクル」とか言ってたくらい)、やっぱオージーも変わるのが恐いのかねー、結局先進国っていうだけですでに全員が既得権者みたいなもので、世界の流れに合わせていくほどに、自分の既得権が減っていくことでもある。だから変われば変わるほど損だという、変わりたくないよーって無意識的・防衛的な気分もあるかもねーとか、そんな話もしばらくしていました。なかなか語りごたえがあったぞ。

さて、田口さんの日常は?といえば、バリスタやってるそうです。なんせカフェが夢だったしね。日本帰国時も修行して、今は、Neutral Bayのカフェでやってるそうです。Neutral Bayといえば、オーちゃんもやってたな(そういえば先日日曜の早朝に立ち寄ったらまだあいてなくて残念)。

とかなんとか小一時間くらい喋ってました。

 

 

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