2024年帰省記(08) 松山行(02) 「友達の家で遊ぶ」感覚

Pocket

松山行(01)より承前

スタバで疲れた足を休めながら待っていると、ほどなくして森くん登場。やれお懐かしや。何年ぶり?2007年に来て、ワーホリ3年フルコース(AUS2、NZ1)やって最後に来てくれたとき以来だから、13-14年ぶりかそんなもん?

でも誰と会ってもそう思うのだが(また誰でもそう言うのだが)、そんな時の隔たりは感じませんよね。同窓会で何十年ぶりかで会っても、すぐに過去記憶が解凍されて「よお!」とか言って子供時間と連続するのと同じ。
こう思うと「時間」って何なんだろう?って不思議な気がします。

スタバであれこれ喋って、「じゃあそろそろ行きますか」で、まずは森くんのご自宅(実家)に行きました。1年前の近況紹介記事でも書いたように、彼はいま実家の自分の部屋でオンラインの英語塾をやってるので職場訪問でもあります。自演のギターもアップロードしてるから、その創作現場でもある。

スタバの前で一枚

ところでこのスタバ、ドライブスルーになっていて、ローソンも並列して書かれている。スタバのドライブスルーなんて初めて見るけど(オーストラリアではスタバ自体が少ないし)、どゆこと?と思ったけど、まあいいです。そこまで真剣に知りたいわけでもないし。

彼の家は、「市駅」から3つ目。伊予電松屋市駅!とドーンとありますが、電車そのものはほのぼの系。江ノ電とか、京都の京福電車みたいな感じ。市駅の大きな建物は駅ビル的存在の高島屋の店舗でしょう。

スタバからとことこ歩いて、市駅から1つ目の土橋駅につきますが、SuicaなどICカードは当然のように使えない。そんな読み取り装置ないし、見たら一発でわかる感じの。その代わり、買った切符に駅員さんがハサミを入れてくれるという「あったなー、そういうの」というパターン。何十年ぶりかで切符にハサミをいれてもらってけど、いいよね、この感じ。

ホームに出ると当たり前のように単線。え?反対側のホームは?というと、反対側はもっと別のところにあり、上下線の離合は部分的に複線化してところでやる。そうなるよにダイヤが組まれているという。なるほど。

と説明してくれる森くん

撮ってもらった一枚

レンズに雨の水滴がついているのか、縁がぼけてるんですけど、この空気感がいいです。東京あたりとは大違いで、お風呂に入ってるようなリラックス感があって、こういうのが欲しくて来たのですから(後で述べるフェリーへの電車はもっとだったけど)。

ちょっと乗ったら、もう森くんの家の駅。
駅前も渋すぎるくらい渋くて、この真ん中の廃屋のような美容室は「僕が来たときには、もう閉まってましたからねー」と。

撮らなかったけど、このすぐ隣付近に地元民用の小さなスーパーがありました。でも中心部である市駅から2-3キロくらいだから、「普通に歩けちゃう距離ですよ」と。
駅から路地を抜けると、すぐに森くんのご自宅。ご両親も住んでおられるご実家です。出てきてくれたお母様ともご挨拶しました。

お出迎えの猫

昔から地方の方の家にお邪魔するとその豪邸ぶりというか、生活水準の高さにびっくりしてます。20歳くらいの頃、当時つきあってた彼女の福井の実家に遊びにいったときも、家が広すぎてトイレいったら迷子になったし。外から見てると田舎の普通の家だったりするんだけど、中が凄いのよね。間取りに余裕があるから玄関あがったところが相撲取れそうなくらい広かったり、そこに大きな壺やら美術品が置かれてたり。都会のマンションとは全然違う。森くんのお家もそんな感じで、玄関のところに巨大な陶器壺があり見事な花が活けてありました(写真とれば良かった)。
トントンと階段あがって、森くんの部屋。ここで仕事も遊びもやってるという。
まず、マーシャルアンプ(ロックギターを弾く人なら誰でも知ってるブランド)の横にギターが3本(椅子の向こうにもう一本ある)

オンライン教室の教材や資料

窓の外にはのどかな日常風景が

そっからとりとめもなく、互いに弾き合いながらダラダラと話は弾みました。

あーこの感覚懐かしいわー。大学の下宿時代に自分や誰かの部屋にいっては駄弁ってましたね。南砂町で会ったタニー君ともギター抱えて「ココが難しいんよ」とかやってたわ。また、小中高時代は、友達に家に皆でいって黙々と漫画読んでたり、レコード漁ったり本棚見て「あ、これ持ってんの?貸して!」とかやってたわ。まさかこの年になって又やるとは思わなかったけど、これめちゃくちゃ楽しいね、再確認。

昔とちょっと違うのは、今はネットが発達して、あの曲~といったとき、YouTubeなどで探してその場で流せることです。昔はいちいちレコードかけてその部分あたりに、息を殺して慎重に針を落としたり、カセットをきゅらきゅら巻き戻したりが面倒臭かったけど、いまは一発だもんね。いい時代になったもんだ。

ほんと時間を忘れて、、という感じ、もう無限にやってられる感じで、気がつくともう1時を廻っていた。何時間やってたんだ?

3時のチェックインまでどっかで昼飯でも食べましょうってことになり、辞去し、再び松山市駅に戻りました。

朝方の雨はもうすっかりあがって青空が気持ちいい。

朝はエスカレーターが恐いとかいってた銀天街と「まつちか」のあたり

SF的無人風景だったのが、昼間にはこうなる

お城が見える横丁の風景。晴れると全然違う。

既に時刻は2時を回りつつあり、ランチタイムも終わりそう。考えてみれば、昨晩の6時に晩飯食べてから何も食べてなかった。面白かったから気が付かなかったけど、20時間くらい食べてない(森くんちでキットカットをもらったくらい)。ふーん、自分って意外と寝溜め食いだめができるタイプなのかな。

どこがいいかなーと物色する。これなんか良さげだけど、ほかも見てみようかとか言ってるうちに、ここがどこにあったか忘れてしまった。

なんかの劇団の公演みたい。感じ、いわゆる旅芸人一座みたいなものかな。

隣には映画らしきポスター。おお、シド・バレットじゃないか。ピンク・フロイド初期メンバーで、そのぶっ飛んだ感性でバンドを世界のスターダムまで押し上げたけど、天才すぎるがゆえに精神を病んで破滅。あのデビッド・ボウイに大きな影響を与えたとか、彼に影響を受けたミュージシャンは多い。ロック草創期にキラ星のように居並ぶ「神様」達の神様。残されたメンバーの悲嘆、彼に捧げたと言われる「狂ったダイヤモンド(Shine on You Crazy Diamond)」の泣けること、、なあんて語りだしたら、友達の部屋の続きになっちゃうので、ここまで。

お店を物色しているんだけど、面白いのが多くて、つい目を奪われる。大きな占いの館があった。

この写真館もすごい。こんな目抜き通りに自社ビルらしき一棟建てで、おまけに旧字体。昭和というより大正時代。存在自体がシュール。まるでピンク・フロイドのジャケットみたい。

などど道草ばっか食ってるので、どんどん時間が過ぎてランチタイムが終わってしまう。いくつか候補があったので戻っていくうちに、ここでいいやと入った所。黒板の数量限定とサバの味噌煮が気に入って。

結果的には全部品切れだったそうだけど、居心地のいい感じだったので、もういいやと。ここはメインにはチキン屋さんで、大分県中津の鶏が売りらしい。前回書いたご当地以外の店でしたけど、お腹すいたし食べよう。お値段もリーズナブルだし。21時間食ってないし。

MIX定食とMAX定食(ネーミングがいいね)でマックスを頼んでしまったのが、後刻の憂いを招く。

でも美味しそう。実際美味しかった。ご飯大盛り無料というので頼んだけど、この大盛りが半端ない。茶碗にパンパンに押し固めたようなサービスぶりで食っても食っても減らない。また見た目以上に唐揚げがデカい。もともと大喰らいの方なので、平らげるのに苦戦することなんかめったにないけど(オーストラリアにきた初期にはよくあったが)、これはひさしぶりに苦戦しました。

注文したものがことごとく品切れだった可哀想な森くん。3連敗くらいしたあとに、ようやくゲット。

ところで森くん、25キロダイエットに成功したとか書いてあったけど(実際にもすごく痩せたけど=ネット上の写真での比較でしかないけど)、どうやったの?と聞いてみました。
話は簡単で、いわゆる世間で言われている最大公約数のようなまともなことを、ただ真面目にやるだけだと。炭水化物を減らして、揚げ物も減らして。ダイエット本を読み漁って、どこでも書かれているような普遍的なこと、これを食べるとカロリーいくらという共通する事柄から、計算上こうすればこうなると出して、実際にやってみたら、本当にそうなると。

ただコツがいくつかあるようで、例えば体重は正確に測る。毎日起きたときとか(トイレ行く前とか)同じ条件で測ること。でないと他の要素で上下動する。
また、効果が出るのにタイムラグがあったり、減るはずなのに増えているとかイレギュラーは織り込んでおくべきと。スパンを一ヶ月くらいにみておき、日々の不規則性を標準化して考えること。でないと、なんだダメじゃんってやる気が無くなる。
できるだけ我慢しないようにもっていく。我慢してると思うと辛いし、それはいつか反動を招く。ちょっと減らすくらい、慣れてしまえば減らしてる感じがしなくなるくらい。
チートデーも設けて、この日は好きにしてよしって息抜きを設けないと続かない。必死に頑張っても結局続かないならゼロと同じで、あんまり頑張らないけど続いた方がよっぽどよい。
大体月に2キロくらい痩せるはずと思ってやってみたら、本当に2キロ瘠せた。結果がでると嬉しくなってモチベーションが爆増する。そうなったら自然に続く。月に2キロ、10ヶ月で20キロ、1年で24キロ、、って本当にそうなるから、それで25キロ達成しましたと。
要はこの「うれしくなる」ところまで持っていけるかどうかだと。
ただ、それを実際にやるにあたっての日々の考え方のコツとか、食べ物の工夫とかがあるんでしょうねー。

オンライン塾のほかにダイエット教室をやろうとビラとか配ったんだけど、なかなか反応がなくてーと言ってましたけど、確かにこれをマネタイズするのは難しいね。
非常に当たり前のことを当たり前にやって、当たり前に効果が出てるんだけど、ダイエットにお金払う人って、それが出来ない人、チート(楽してすぐに効果がでる)を求める人なんで、人間のタイプが真逆。そしてそれができる人は、他人の助力が要らなかったりするのよね。

でもって世の中、チートを望む人が圧倒的に多数で、お金稼ぎもチート詐欺ばっか。ダイエットもそうだし、素人向けの投資話なんか、まず詐欺だよね。最たるものは博打だけど。とかく人は数字に弱い、というか客観数字と主観数字が全然違う。違いすぎる。コロナの場合はエッセイでも最初のころ必死に計算して書いたけど、死ぬ確率が0.01%以下だとなった時点でバカバカしくなって、「事実上ゼロと同じ」と判断して以下興味もなくなったけど、主観的には100%に思ってしまう人が多い。宝くじやバクチでも当たる確率が0.01であっても100に思ってしまう。その弱みに付け込むのが詐欺であり、金儲け。

余談続きで、僕は生まれるとき超難産だったらしく、死産ないし障害児の確率が99%とか言われて両親も覚悟したらしい。だから人生の運を最初に使い果たしたと、、、と考えたのが小学生の頃。お年玉年賀はがきがあまりにも当たらないので(確率論以下すぎる)なんでだろ?と思って、おふくろから難産話を聞いていたので、ああ、そういうことか幼い心に思ったです。
以後それは変わらず、バクチをしたら絶対負けると思ってるし、近道をしようとしたら絶対損するとも思ってます。だかやらない。愚直に王道をいくだけです。ただし、生きるか死ぬかの大勝負にはなぜか絶対勝つとも思ってます。どうでもいいことは全部負けるけど、ここ一番だけ勝たせてくれたらそれでいいと。それがあるから司法試験も通ったし、永住権もとれた。

というわけで森くんとも話してたけど、教えると言うか一緒にやる、MeetUpみたいな金の絡まないサークルのほうがいいかもねー。そこではお金は生じないけど、似たような感性の人と知り合えるし、そこからなにか生まれるかも。オンライン塾でも「紹介」が多いんじゃないかな。弁護士業の営業も同じで、ほぼ100%紹介だから、いかに最初に人のつながりを増やすかがポイント。だから若いうちから地元の商工会議所青年部に入ったり、ロータリクラブとか。つきあい必須アイテムのゴルフやったり。でもそれって「ナイショ!」の世界(最近では意識高い系とか表現を変えてるけど結局同じこと=金と権力にすり寄るだけ)でそれが嫌いな人は、自分の好きな世界を作るしかないよ。それに昭和でとまってる松山の場合、そのあたりの構造はガチガチ昭和っぽいから、つまらんと思うよ。森くんの場合、英語やダイエット以外に引き出し多いし(もとはイタリア料理のシェフだし、バイク乗りだし、ロックギターやってるし)その方がいいかもねーとか。ここまでメシ食いながらしゃべったわけではないけど、話の続きで書いておきます。

この店、千円でお釣りが来る値段で、21時間断食の僕をココまで苦戦させたくらいサービス量で、美味しかったです。松山いいね。どこも美味しそうで。というか、これだけ店が競合してたら不味いもの出してたら即潰れるんじゃないかな。
なんか不思議な絵がかかってて、ここはいったいどういう店なんだろう?と思ったけど、追求してる時間はなかった。

さてお腹がぱんぱんになったところでチェックインタイムを廻っていたので、ホテルまで行きました。明日のチェックアウトは遅めで11時なので、11時にこのホテルで待ち合わせしましょうとして、別れました。

ホテルは、前回も書いたけど、良かったですよ。
10階というから期待してたけど、期待通りのヴュー。

しかも窓が開くのがよい。ずっと開けっぱにしてました。風が気持ちいいのよね。

結構広いのですよね。これは翌朝のチェックアウト時に撮ったもの(忘れ物をしたとき後で確認するためによく撮る)。

これで4900円なんぼは安いですよ。ま、多少中心部から外れるけど(徒歩数分くらい)、全然許容範囲。松山ネストホテルだっけな。おすすめです。まあ常にこの部屋というわけでもないし、つまんない部屋になる可能性もあるけど。

やれやれようやく寝れるわで、いきなり墜落睡眠。4時間くらい寝たのかなー、起きたら夜の8時くらいでした。
おし、なんか食べに行こうか。ホテルからは近所のおすすめ店のクーポン券も出てるし、ネットで調べると良さげな店がいくつもある。

、、と夜の街に繰り出すウキウキタイムだったはずですけど

とにかく店の数が多い。目移りしまくり。

ずっと先の方まで延々続いている

瀬戸内らしく鯛が多いです。

馬刺しの店なんかもある

結局、小一時間くらい歩いたけど、どこにいかずトボトボとホテルに戻りました。

なぜかというと、「お腹が全然減ってない」からです。
最初は、ちょっと一杯くらいいけるだろと思ったけど、昼間のサービス大盛り定食が思った以上に効いている。なんせ3時前くらいにあれだけ食べて、あとは寝てただけだから、まだ満腹感が続いている。
でも夜中腹減るのは見えてるし、軽く入れておこうかと思うけど、今度は帯に短し襷に長し、とくに「襷に長し」部分です。いい店が多いんですよ。だからちょっとやっても5000円くらいはいくなー、それでもメニューの凝り方などやレビューを見てると、この質だったら大阪で1万、東京で1.5万はするなというのも何となくわかる。だからお値打ちなんだけど、そんなに食べられない。
また火曜日ということもあって、こじんまりした店は誰も客がいない。基本、一人で飯食うのは好きじゃないので(暇だし)、なんとなく気が進まない。

でもってこのエリアの特質がわかったんだけど、大街道は若者向け、サラリーマン向けだけど、ホテルのある東側はちょいディープでアダルトになるのですよね。風俗系の店も多いし(無料案内所がいくつかあった)、ラブホテルもさりげにあるし、でもって料亭も多い。ちょっと一杯といっても基礎レベルが高い。
岐阜で弁護修習やったとき、「夜の修習」といってあちこち連れて行ってもらったんだけど、岐阜の夜の政財界の社交場みたいなものも見聞してて(柳ヶ瀬とかね)、大体どんなもんかはわかる。風俗と高級店がモザイクのように入り混じってるのは不思議なようでよくあります。大阪では北の太融寺あたりがそうで、風俗ばっかのようだけど、隣が弁護士村の西天満とか旧名梅ヶ枝町だから、あのあたりで弁護士同士の会合とか、一杯とかもやる。それなりのお値段のいい店が多い。
僕がほっつき歩いてたのはそういった感じのエリアだから、ちょっと気合がいるけど、そこまでしてまで食べたいかというと、お腹パンパンだからそうでもない。かといってこれといって対案もない。こういうときは無理せんとこと思って帰ってきました。
幸いというか、ホテルの両隣がコンビニだったんで、夜中どうしても腹減ったら行けばいいかと。

結果論でいえば、帰ってきてまた寝て、3時位に起きてメールチェックとか返信とかして、また寝て、起きたら8時位でした。4時くらいに寝てから16時間くらい経っている。途中夜中の散策があったりしたけど、もう寝溜めって感じですね。また16時間くらい何も食べてないけど、まだお腹が減ってない。どんだけ昨日がランチが強烈だったかです(笑)。

翌朝の風景

結局、朝お金を払ってホテルの朝食を食べました。前日までに買うと1300円、当日は1500円だけど、その時点ではわからんかったので当日券。
ここビッフェ方式なのですけど、松山名物、鯛めしやらじゃこ天やらもあるのですね。鯛めしも食っておきたいなと思ってたから丁度いいじゃんってことで。

ホテルの朝のビッフェは、昔からなぜか燃えるのですよねー、お代わりしまくりで。なかなか良かったです。

とりあえずの一膳目。右上が鯛めし。中央の更に、じゃこのカツとジャコ天。結論的にいうと、上方の「じゃこ」そのものがめちゃ美味しかったです。じゃこ天は、ふーんくらいですね。鯛めしは、まあ美味しかったんですけど、これを食べるためにはるばる松山まで~ってほどでもないです。ここでリーズナブルに食べておいて良かったです(もっと高いところにいえばもっと美味しいんだろうけどね)。

さらに追加で二皿目
最初気づかなかったけど、反対側に和食のコーナーがあったのね

総じて和食のほうが美味しかったです。1500円分のもとは十分とった気がする。

そして11時でチェックアウトして森くんと再会。

ここから二日目の松山城とフェリー旅と夜の宴があるんですけど、ここで一旦切ります。

Pocket