エッセイ書くための資料メモみたいなものだけど、溜まってきたんで出しておきます。
最近のリストラ風景
まず個々のところ目についた記事を並べてみます。
★金融
メガバンクの3万人規模削減はすでに有名
https://biz-journal.jp/2017/12/post_21684.html
★IT業界
富士通 昨年10月に5000人規模の配置転換+今年45歳以上・2850人リストラ
ジャパンディスプレイ(経営再建中で本体自体がヤバいんだけど):40歳以上/1200人削減
東芝:早期退職募集1060人
ルネサス:約1500人(応募)
https://www.asahi.com/articles/ASMB94V8SMB9ULFA014.html
★製薬医療
「まさに異常事態」国内製薬 リストラが加速―揺らぐ雇用 中堅にも人員削減の波
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/15596/
アステラス製薬600人
協和発酵キリン、中外製薬、鳥居薬品などが相次いで早期退職者
2015年からの累計でMRが5000人超減少
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=67588
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/16843/
★流通小売
セブン&アイ・ホールディングス
そごう・西武で5店舗閉鎖、2店舗を縮小、イトーヨーカ堂は全国33店舗を整理対象 2社合わせて約3000人を削減する見通し
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50842770Q9A011C1000000/
全国の百貨店数は280店(2008年)→215店(2019年7末) 20%以上減少
年間売上9兆超→6兆弱(16年以降)
百貨店がなくなる県庁所在地も出てくるだろう
https://biz-journal.jp/2019/10/post_121160.html
★アパレル
レナウン 40歳以上を対象に希望退職者
三陽商会 社員数が10年間で3分の1
https://www.seventietwo.com/…/SanyoShokaisStanceAfterLosing…
オンワード 600店閉店、
フォーエバー21 全14店舗閉店
https://www.seventietwo.com/…/apparelreiwaonward600closemac…
★傾向~早期退職年齢の引き下げ
経営が傾いているのでやむなくリストラをする場合もある反面、経営は好調なのだけどリストラする場合も多く、この場合は肩叩き年齢が若年化している。
例えば
ジャパンディスプレイなど2社で「40歳以上」対象
カーエアコン部品大手サンデン、200人(国内従業員の1割)40歳以上
半導体メーカーのメガチップス社にいたっては「35歳」以上
このあたりの解説記事は沢山あるのだが、
40歳で“肩叩き”の衝撃…業績好調でも進む早期退職若年化
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/262977
高齢法がアダに? リストラ最大の標的はバブル期入社世代 令和のリストラが始まった
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/263051
キリンが早期退職を実施、過去最高益なのにリストラ着手の裏事情
https://diamond.jp/articles/-/215955
バブル世代の「リストラバブル」はもう止まらない
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/11492
“高齢者版追い出し部屋”だけじゃない 70歳雇用義務化がもたらす「どの世代にも残酷な未来」
https://www.itmedia.co.jp/busine…/articles/…/07/news022.html
一言でいえば、バブル入社組などを筆頭に、昔採用した従業員の給料が高すぎて企業の負担になっているということ。この負担感を加速したのが、年金の支払いを出来るだけ先延ばしする法改正(=強制高齢者雇用=企業に給料を払ってもらうため希望すれば70歳まで延長)。
要は「(給与が高いわりには)使えない中高年」を国が面倒を見るのか、企業が面倒を見るのかって話で、国が企業に押し付けたら、今度は企業が防衛のために「早めに対処」しようとしているのではないかと。企業にしても、それだけの給料を払う価値のある人材ではないし、そんなに延々居てもらっても困るので、多少退職金にイロをつけてでも追い出したい(5000万払っても65歳まで居続けられたら1億以上の人件費になるので企業としては得)。
ということなのでしょう。
大きな背景
しかし、この大きな背景にはもっと大きな絵があって
(1)年金など福祉政策の破綻(の回避と隠蔽)
ただもっと世界的な潮流としてあるのは、
(2)売れる商品を創造するよりも、手っ取り早くコストカッティングで利潤を生み出そうという企業経営の劣化であり、
(3)さらにその背景には金融ファンドなど金が儲かればそれでいいんだという拝金資本主義がある
(4)技術の進歩によって、そもそもべったと雇う正社員なんか要らなくなってきており、非正規とカジュアルとアウトソーシングとロボットとITと殆ど間に合ってしまう(いわゆる「人減らし産業」の隆盛) ゆえに世界的に若年者の方が失業率が高く、給与も低い傾向になっている(上の世代は徐々に切るんで時間がかかるので、新規採用分から「最適化」しようとしている)
これに対するカウンターとなる世界潮流
(1)反ビジネス(anti business)の潮流
アメリカの民主党の次期大統領候補として(サンダースの後釜である)エリザベス・ウォーレン上院議員が徐々に支持率をあげてきて、富裕層から強烈に取り立てる富裕税や、FBやアマゾンに対する独禁法強化と解体などを唱え、ザッカーバーグ(FB)がマジにビビってるという話が昨日あたりに流れている。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019100600259&g=int
最速報ではバイデン氏を抜いてついに首位になっている。
https://www.afpbb.com/articles/-/3248667
(2)企業のNPO化
企業哲学の問題として、「利潤は企業存続の条件であって最終目的ではなく、最終目的は社会への貢献である」という、キレイゴトすぎる理念が、ここにきて逆にリアリティをもってきていること
どう考えても年収30億円などのCEOの報酬は法外すぎるし、日産の西川氏だってあれで年収5億円かよ?と誰でも思う。また儲かりゃいいんだ的な金融暴走が世界のあちこちで皆に迷惑をかけており、いい加減にしろ、という声も強い。「おまえらの存在意義は何なの?」と。
https://www.huffingtonpost.jp/yuuya-adachi/profit-is-not-purpose_b_6166754.html
(3)政府の右往左往
日本は論外だが、オーストラリアも欧州も、そしてアメリカも、静かにムカついている大多数の大衆と、やりたい放題の(しかし強大な)ビジネス層(軍産も含む)との板挟みになって、右往左往してるだけに見える。すくなくとも強力なリーダーシップを発揮してまとめ上げるほどではない。
(4) Disobedience(不服従)
無力に政治に対する怒りで、もう言うこときかないもんねという不服従ブームがあり、オーストラリアでも、グリーンピースよりもさらに過激なExtinction Rebellionが出てきている。Rebellion(反乱)と自らを言うくらいだから、かなりキレてますね。
https://www.abc.net.au/news/2019-08-07/extinction-rebellion-get-in-your-face-annoyance-tactics/11388530
香港デモや温暖化の若年層の世界デモなど他の地域でもそうだけど、政治に対して「おまえら、結局やんねーじゃん!」って声を出していうようになっている、特に若い世代がそうなってきている。
これをもう少し膨らませるとエッセイになるんだけど、まあネタだけだからここでいいでしょ。てか、ここまでは「当然の前提」で、「ここから先」を書きたいんだけど、いつも前提を説明しているだけで長くなりすぎちゃって、困ったもんです。