2023年初夏の日本帰省記(7) 宮崎日向オフ(02) 初日のあれこれ

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駅からJUNJUNの家まで、車で5分くらい。「すぐそこ」って感じ。
これまで内々で話題になってた「空き家」です。JUNJUNが住んでるからもう「空き家」ではないのだけど、空き家らしい風情は十分に残ってます。
僕も今実家に居ますが、ある意味空き家にいるようなものです。父は他界し、母は施設で、基本は誰も住んでない空き家。
日本には空き家が膨大な数で存在し(国交省や統計局の資料によると850万戸とか)、これらの有効利用は未来の指針になるはずじゃーと、エッセイで10年前くらいからことあるごとに書いてます。だって現実に存在するんだから、賢く対処しなきゃ嘘じゃん。

空き家道 
ただ、今の実家の体験でもわかるのだけど、空き家に住むには「空き家道」みたいな技術体系がいるんだろうなーと。空き家というのは、前の住人の住み癖みたいなのが残置された家具什器とともに濃厚にあり、そのままでは全然使えない。かといって気合い入れてリフォームかけると数百万はすぐかかる。なのでその家がもってる独特のクセを理解し、それに自分のスタイルをどうすり合わせるかですね。なんせ、絶対あるべきものがどこ探してもなかったり、どうでもいいものが山程あったりします。実家でも、前回どこを探しても食用油が見つからずに買いましたけど、その代わり「すき焼きのタレ」は3本も4本もあるのよね。一事が万事です。住むに当たって、探検やら、創造的発想やらが沢山もとめられる。イライラもするけど、パズルみたいで面白いっちゃ面白い。

きれいに掃除してくれていたメインの部屋(ぶち抜きで二部屋)
この左隣に洋間があります。

今回皆が激しく使った台所

古い家屋は増築があったり、不思議な作りになってますが、ここにも「秘密の部屋」みたいな小部屋が。稲垣さんが気に入っていて、日曜日にここでZOOM会議やってました。

バス・トイレは普通に綺麗で、秘密の二階(笑)を見せてもらったら、JUNJUNの衣装部屋のような贅沢な使い方をされてました。ウォーキングクローゼットみたいな。あ、あと玄関横の大きな部屋が倉庫と化してました。

最初家の中入って、あ、いいなーと思った。20年以上前、Lane Coveの家をインスペクションして決めたときも同じだけど、家の外と中が仕切られてなくて、そのまま外につながる開放感があります。実際にいい風が終始吹いていたし。風水でいえば「気の通り」がいいのでしょう。Lane Coveのときも、そのスジの人がみたら、通りがすごく良いと。直感的に誰でも感じることだとは思いますけど。

草刈りトランス
ただ、外界との境界領域である庭が、雑草で埋め尽くされていたのでした。

こういうの見てると猛然と意味不明なやる気が湧いてきますねー(笑)。
一服した後、たまらずJUNJUNに鎌を借りて、雑草取り、草刈りを始めてしまったのでした。
家の縁までびっしり生えているので、まずはそのへんから。なかなか刈りにくいよね。


イマミホさんも参戦。

徐々に切り開かれていく。
イマミホさんは、前方に繁茂しているフキ(蕗)を着目し、またムクムクと別の創作欲求が湧いてきて、その晩のフキの煮付けになったのでした。

「草刈りトランス」と名付けてましたが、ムキになってしまうのよね。それに、やっただけの成果が目に見えてわかるというのは無条件にうれしい。「おおお、なんという自己実現」てな感じで、やってしまう。

しかし、「あれだけやって、これだけかよ?」ってくらい遅々として進まないです。草刈鎌は、子供の頃親父の手伝い(不動産屋で建売別荘を売ってたときに、暗いうちから川崎の家を出て、房総の館山や、鹿島の方まで、家族総出で草刈りやったりしてた)で慣れてます。別にうまくはないけど、懐かしくはある。だけど、その頃は人の背丈ほどあるカヤ(茅)が多く、稲刈りのようにしっかり握ってスパッと切る感じ。でもここのは伸び過ぎた芝生みたいにヘニャヘニャだし、サイズが小さいから一回刈って数センチ前進という。
それでトランス状態になってたので、初日のこれで足腰が筋肉痛になりましたし、滝のような汗を何度もかきました(以後、上半身裸でやるようになった)。

叔父・叔母ご夫妻への挨拶
そうこうしてるうちに、JUNJUNの叔父さん、叔母さんのところにご挨拶にいく時間になりました(17時から)。
駅よりも、さらに「すぐそこ」に、「ナチュラルハウスわたなべ」というログハウス風のカッコいいお店があり、そこでご挨拶を。

このご夫妻がいなかったら、JUNJUNの日向生活もありえかっただろうし、仮に家と畑が手にはいったとしても、彼らのアドバイスがなかったら、こうは成り立ってなかったでしょう(作っちゃ全滅をくりかえしとか)。
オンラインサロンの農業日誌で、JUNJUNが彼らのアドバイスを一句半句余さず丁寧に書き残してくれているのですが、まあ、きめ細かに、また実戦的なアドバイスがシャワーのように降り注いでます。なんて恵まれているんだと(だからやんなはれと唆したのだけど)。こういうメンター(師匠)なしに、純粋に試行錯誤だけでやってると膨大な時間がかかるし、まあ挫折するんじゃなかろか。
このご夫妻も、無農薬が話題になるかどうかって頃、30年以上昔からずっと試行錯誤を繰り返してきてるわけで、実際にやってみて得た知見、30年分の経験値というものは、本当に値千金だと思います。

席上、買ってきたという「カメノテ」をごちそうになり、また、今日釣ってきたというイサキなどを沢山いただきました。ついでに、叔父さんも「初めてみた(釣れてしまった)」というコバンザメも見せて(触らせて)もらいました。頭の上の小判(吸盤)が、まるでゴムの工業製品のようでした。天然にこうなってるというのが嘘みたいな。

木目がきれいなログハウス、ここのところ長田くんのところといい木目づいてますが、叔父さんの話だと、これを作るには役所とかなり戦ったそうです。なんだかんだ「前例がない」攻撃を死ぬほど食らって、えらい苦労したそうです。未だに憤懣やるかたなしって感じで。

お店には自然食品のほか、取れた農作物なども売られてました。JUNJUNの作物もときどき売られるそうな。

しかし、畑を始めた段階で、すでに「販路」があるというのは、望外の僥倖というか、そんな話めったにないでしょう。

そして畑へ
家に戻った後、畑の下見に行くことに。靴カバーとか手袋とか、必要だったらあとで買いに行くためにも見に行こうと。

車で10分くらいうねうねと走り、山のふところのようなところに畑がありました。理解が正確がどうか怪しいけど、ここはもともと地元のどこかが産地直送的な企画でやってた畑なんだけど、企画自体がポシャったかなにかで使わなくなった。誰か使いたい人がいたらどうぞ、という話があったので、借りることになったそうです。これがなければ、JUNJUNは叔父さんたちの畑(もっと奥にあるそうな)を一緒に手伝ってたとのこと。

これ弁護士業界でいうソクドクですね。普通都会の弁護士は、仕事を覚えるために師匠に弟子入りするような形でイソ弁(居候)を数年やって、業務を覚えて、個人客もつけてから独立。その過程をすっ飛ばして、いきなり独立するのが即独、ソクドクです。ソクドク大変なんですよ、右も左もわからんし、客筋なんかついてないし。
で、JUNJUNは師匠はいるけど、ソクドクで、自分で最初から全部やるという、異様に大変なんだけど、学習濃度も異様に濃い過程にあると思います。そりゃ疲れますよ。

Welcome to MY畑へ

このへんはもう収穫済みだったかな

農業日誌に書いてあったけど、このネットひとつとっても、ホームセンターに行ったり来たりして、いざやるとなると大変。

JUNJUNの説明に聞き入る一同

この支柱も書いてあったな。竹の入手から、うまくバランスがとれなくてバッタンと倒れて、キーっとなったり。

かぼちゃくんがすでに

これはズッキーニ。

ズッキーニってカボチャの仲間らしく、実際見たら葉っぱや蔓の感じがすごく似てる。これは、、どっちだっかかな。

ということで下見はこのくらいにして、畑をあとにし、晩飯の買い出しを。

晩餐会
楽しい買い出しです。オフっちゃ、買い出しばっかりやってる気がするけど、面白いもんね、食料調達は。

近所のスーパーへ。

ふむふむと物色してたら、なんか変だぞ、この店
なぜ焼きそばが「カイザーナックル」なんだ?

そう思って気をつけてみてると、「羽交い締め唐揚げ」ってなに?

さらに「往復平手打ちチキン」「これでよいよフライドチキン」
このプロレス風味は店長(オーナー)の趣味なのか?客が喜んでるようにも見えなかったけど。
そういえば店入った時点で、

この「徹底報復」というのが意味不明だった。
バス、飛行機、電車を乗り継いで、たどり着いたのがこれかい?って、でもおもしれー。いやあ、旅って本当にいいものですね。

帰宅して、盛り付け、そして酒盛り。
最初はパックを広げただけだけど、だんだんムキになってきて、倉庫部屋を探検して素敵な大皿を二枚発見。これだから空き家は面白い。

どーんと盛り付けた図

手前中央はJUNJUN畑でとれた、赤皮の小さなジャガイモ(アンデスジャガイモというらしい)、中央寿司の向こう側の小鉢にあるのが、イマミホさん採取と調理のかかるフキの煮付け。左の黒い物体が叔父さんのところでもらってきたカメノテ。その向こうの小鉢ももらってきたお煮付け。
Readyになったところで、お約束の写真を。

徳ちゃんのお土産だったかな、ザビエルなんたらというお菓子にちなんで、ザビエルを熱演するJUNJUN氏、演技指導の稲垣氏。

お腹が膨れたところでお酒タイム。徳ちゃんが買ってきてくれた、へべス(こちらの柑橘類でライムやスダチのようなもの)酒がうまかったです。あとは焼酎ね。

家飲み、しかも泊まり確定なので、のんびり~語りタイム。

とは言いながらも、明日は畑出社、朝5時起床とのことで、適当に切り上げて就寝。

以下翌日に続く。

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