New Face : 前田将希(まさき)くん

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前田さんから最初のコンタクトがあったのは、なんと前田さんが出発する直前、いよいよ日本の空港から飛行機に乗るとかいう時点でした。「明日着く」と。僕が返信して、空港お迎えの段取りをやってたのが、彼の経由地のクアラルンプールというド直前ぶり。

もともと前からエッセイなどを読んでおられたらしいのですが、一括パック頼めるほどお金も貯まらず(35万とか)。というのも仕事(カメラマン)頑張ってたら、準備を整えるヒマもなく、気がついたら「来週で32歳」という瀬戸際の超ギリホリ(最近多いよね)。

ということで、直近の伊藤さんと同じパターンで、1DAYでカタチにする臨戦パックで。

前田さんはカメラマンですけど、大学時代は法学部で司法試験やって、論文試験までいってます。おお、ということは短答式に合格してるわけで(しかも法科大学院経由ではないソリッドな予備試験ルート)、もうこの時点で日本の大学の法学部における上位1%でしょう。論文試験は、一般学生からみたら「神々の争い」みたいなレベルですので、ここでひっかかるのは仕方がないです。それに昔と違って3回制限あるし(まだやってるのか、こんなクソ制度)。話が合って面白かったです。最近、基本書何使ってんの?芦部憲法?とか。そのときの「道中のお土産」みたいな感じで行政書士の資格ももっておられます。

その後一般の会社に勤務するも、うーんと思い、一転してカメラマンになることを決意。数年の修業(プロのカメラマンのアシスタント)。僕の友人もやってましたし、かつて来られた吉田宏隆さん(体験談あり)もプロのカメラマンで、当然アシスタント経験アリで、もうなんでも屋。TV局のADと同じく、アシスタントと言う名の奴隷みたいなもので、「シャッター押す以外の全て」(前田氏の表現による)。まあボッコボコに鍛えられたと思いますが、カメラ本体の腕も伸び、フランスと日本で2回づつ受賞しておられるそうです。

賞を聞いてどんなの?って思って調べてみたら、フランスのはSalon d’automne(サロン・ドートンヌ )ってやつで、百年以上続く国際的にメジャーな賞。Wikipediaの解説レベルですけど、日本人もやるもんで、前田さんに限らずガンガン応募して賞を取ってるそうで、心強いですねー。

余談ですが、最近思うんですけど、かつては日本は企業とか組織が強かったけど、それはだんだん凋落してきて、その逆に個々人が世界レベルで伸びてきてますよね。オリンピックのメダルなんかもそうだけど、「お家芸」とかマスコミ受けしないマイナーなところで頑張ってたり、そういう人が増えてきてる気がする。そういうのってメディアはあんまり取りあげないので分かりにくいけど、でも着実に個人レベルでは伸びてると思いますよ。いいことです。

あとは日本映像スタジオ協会でも二回受賞で、どんなん?って調べてたら前田くんの作品も載せられてました。

というわけで、前田くん、目標めがけて急降下していく猛禽類みたいな、ぐわっと集中して頑張る力は一流なんですけど、かといって目が吊り上がってて見るからに鬼って感じじゃないです。それどころか、笑顔以外は見たことがないくらいにいつもニコニコしてるし、腰も低いし、人当たりも柔らかいし。

それにこういった実績とかキャリアは前田くんの本質ではないと思います。僕も輪をかけて似たようなところがあるので、その類推でいえば、「自分の納得」への欲求が多少強めなだけだと思います。「そこそこ」じゃイヤなんですよ(僕はそうだし、彼もたぶんそう)。まあ、どうでもいいエリアはそこそこでいいんだけど、操縦桿握ってるフロントガラスの真正面に映ってるものに対しては、きちっと納得したい。その欲望が強いだけと。

じゃなんでその欲望が強いのか?といえば、その納得にハマッたときの快感が、そのへんの「そこそこ」に比べてケタ違いに強烈で鮮烈だからですよね。アレを知ってしまったら、もう中途半端なものでは満足できないという、ジャンキーめいてくるのですよ。なにかに打ち込んでる奴らは基本みんなジャンキーだと思う(いい意味でだよ、もちろん)。

彼が司法試験やめて普通に就職したのに、せっかく「真人間」になれるチャンスがあったのに、またカメラマンみたいな「極道」(笑)に走ったのも、わかるような気がします。アレが欲しいんじゃないかなー。

そんな前田くんがオーストラリアにWHにきたのは、本人いわくは「日本国外での活動の基礎体力づくり」だそうです。あー、さすがよう分かってますねー、なにかBig Oneを目指そうと思ったら、まずは黙々とランニングですよね。「足腰づくり」です。強靭な。華麗なワザとか、シュート得点数とか、そんなんはずっと後の話であり、まずは雨が降っても風が吹いても走って走って足腰づくり。超地味なやつ。本格を目指すほどそう。思い出づくりとか、お土産だったら、華麗なワザもいいでしょうけど、でも、それ観光地でのフォトサービスみたいなもので、鮮烈な快感はない。アレではない。ジャンキーは満足しない。

ということで、前田くんのシェア探しは、なんだかんだで50件以上。気がついたら18キロ歩いてたとか、理想カリキュラム通りの進行で、受ける印象は手抜きや近道がない。てかわざわざ味わうように遠回りするくらいの感じで、最初の1週ちょいで50くらいいって、あと数日かけて入念に複数候補を順次再訪問して一つづつ切っていったって感じ。仕事ぶりが丁寧というか、もう皿をペロペロ舐めるくらい、味わえるものは全部味わう、学べるものは全部学ぶって感じがしました。普通「早く決めて楽になりたい」的な葛藤もあったりするんだけど、彼の場合、「そんな勿体ないこと出来るか!」って感じです。まあ間近に見てたわけではないけど、断片的な動きを見てるとそんな感じがするし、多分そんなに外れてないでしょう。

さて、とりあえず学校4週はいきつつ、これからバイトも探しつつで始まるわけですが、ちょうどいい感じで金も無いわけで、これからが楽しみです。どういうメニューで足腰づくりをするか。

着いた初日の1DAYで、近所バッパーのチェックインまでやったところでの一枚。同じく同席して受講された浅田くんと。さっそくプロカメラで撮ってみる。「これ、いくらすんの?」とか聞いちゃいましたよ。

ちょうど一週間くらいたった時点で、晩飯でもって。手帳にびっしりシェアのメモが書き込まれて、「今、候補は、、、」って

今日、朝から食ってないんですよーって。

幾つかいいところがありながらも悩みに悩んで、Summer Hillのお家。田舎の親戚のおじさんおばさんみたいなチャイニーズのご夫妻がいい感じだった。

写真撮るのは慣れても、撮られるのは慣れてないんじゃない?
いや、ほんと、緊張しちゃいますよって、緊張気味な笑顔で

しかし、そんな緊張もつづかず 破顔一笑

 

 

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