12月国境開放によってどうなるのか?~リアル・シュミレ

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12月以降国境開放によってどうなるのか?~リアルにシュミレートしてみましょう

※トップ写真はありし日(コロナ前の)シドニー空港

第一:ビザ
前の記事で、12月1日以降、オーストラリアの国境が明きます。日韓国籍を持ってる人なら、ビザの種類を問わずフリー(検疫不要)で入国できます。
記事では、skilled workers, international studentsばっか注目されてますが、日韓は有効なビザなら良いので、ワーホリでも観光ビザ(ETAS)でもいけるでしょう。

ETASでもいけるのか?
多分いけると思います。理由は以下の2点。
(理由その1)オーストラリア大使館のホームページで、今回の件について説明しているところ、「ETAアプリをつかって申請しろ(エージェント経由は現時点ではダメ)」と書いてます。

ETAアプリ、僕も興味本位でダウンロードしてみましたが、たしかにこれで申請できるみたいですね。スマホでパスポートをスキャンしたり(最後までやってしまうとややこしいから適当なところでキャンセルましたが)。

(理由その2)経済を活性化させたいなら、数では圧倒的にまさる旅行者を除外したら意味がないこと。こんなおいしいお客を逃してやる意味あるのか?なのでETASで入って現地で学生ビザ申請というのはアリでしょう。

※ETASとかビザとかのおさらい
・E(電子式)T(旅行者)A(承認)S(システム)の最後のS(system)を入れるかどうかは趣味の問題で、日本ではイータスとSまで入れる場合が多いけど、本家オーストラリアではETAとSを省略してる場合が多いが、同じことです。
・ETASの有効期限(発行から失効まで)は1年間。滞在期間(オーストラリア入国日からどれだけ居れるか)は3ヶ月です。1年間のうちに何回も出たり入ったりできます。
・3ヶ月以内に帰国するならETASだけで大丈夫で、学生ビザは不要(3ヶ月内なら通学可)。ただしETASに就労権はないのでバイトはできない。
・3ヶ月以内に学生ビザを申請して、その結果が出る前に3ヶ月が過ぎてしまったらどうするか?ですけど、これは学ビザ申請時にブリッジングビザが出ますので大丈夫です(そのビザ申請の結果が出るまで滞在しつづけられる)。
・ワーホリビザは、オーストラリア国外でしか申請できないので、ETAS云々は関係ないです。今時点で(未入国の)ワーホリビザを持ってる人はゼロだと思われるところ(発行から1年以内に入国しないと失効だけど、過去1年入国できなかったから)、だれもがこれからの申請になるでしょう。それがどのくらいの早さで処理されるのかは、オーストラリア政府の意向次第(てか政権内部のコロナ懸念派 VS 経済復興派の闘争の結果じゃないかな)。

※住民票を抜くか問題
これは本編HPの住民票は抜いておくべきか?に書いてますけど、住民票を海外転出にすることをお考えの方で、かつ今年結構働いて収入も多いのであれば、住民税の関係で、年内に転出しておいた方がいいかもしれないですね。1月1日時点で日本にいたら(住民票的に)、来年もまるっぽ住民税かかります。年金や健康保険は月割だから関係ないです。

州によって違う
日本人だったらフリー!と謳歌できるのは、今の所、シドニーのあるNSW州、メルボルンのあるVIC州、そしACT(キャンベラ)です。空港でいえばシドニー空港、メルボルン空港。
WA(パース)、QLD(ゴールドコースト、ブリスベン、ケアンズ)は、州によってまた隔離条件が設定されているので、フリーではないです。州の要件は、猫の目のようにコロコロ変わるので、そちらを目的地とする人は要注意です。
※日系旅行会社的にいえば、ケアンズ・GC・シドニー・メルボルンを組み合わせて、7日くらいのオーストラリアパックツアーを作ってるところが多いので、QLD州が引きこもりから出てきてくれないと難しいだろうなーとは思います。

第二:実務シュミレ
次に、実務のリアルはどうなるのか?です。これが非常に多岐にわたる。

(1)空港にて
どのくらい空港でさばけるか、です。それは入国者に対して、どれだけ綿密に調べるかによるでしょう。ワクチン証明と陰性証明のチェックを徹底的にやるんだというなら、それをやるスペースを空港内に作らないといけないし、またスタッフも増員しなきゃでしょう。その予算も含めて。逆に、各種証明がないと航空券を発券しないと相手国に徹底通知しておいて、航空券持ってたら(てか飛行機から降りてきたなら)もう全くフリーパスでやるなら、格段の配慮は要らないでしょう。
ただし、これまで本当に人数が少なくして廻してたぽいので、バゲッジ扱いにせよ何にせよ休職中の職員を呼び出すか、新規採用するか、今ごろ大騒ぎになってると思われます
空港や州政府としては負担を軽くしつつ広げたいでしょうから、航空会社に対して、そんなに人数寄越すんじゃないよって言うかもしれないし、それがひいてはチケット販売の上限数などに関わってくるかもしれません。
でも、今の時点では多分誰もわからないと思うし、結果的にチケットが(いくらで)取れるかどうかですね。それに年末年始は普通にしてても高額なんですけど、そのあたりはどうかです。

思うに、トップ写真のように、コロナ前は、朝イチとか混んでるときは芋の子洗うような混雑なんだけど、ここまで戻らないと本当の経済復帰はない。しかし、ここまで戻るとなったら、その全員にコロナチェックとかやってられるのか?という素朴な疑問はあります。

 

(2)一括パックに代表される到着後のあれこれ
★最初の宿
バッパーですけど、この鎖国氷河期でけっこう閉まってます。YHAなんかシドニーで7つくらいあったんだけど、今は2つだけ。Glebeも隣のVillageに併合されたとか。そのVillageも年末年始は予約が取れない感じです。
国境開放のリアルが浸透するにつれ、どんどん増えてくると思います。AirBnBもシェアも大分廃業してたりするんですけど、また復活してくるとは思います。予約サイトその他で、しばらく経過観察しておくといいです。

★語学学校
氷河期を生き延びた学校も多々あります。が、多くはビジネス学校併設してて、そちらで収益を上げているからでしょう。語学学校オンリーでは1年以上通う人はマレなので、やってるとしてもオンラインでしょう。
さて、これからどんどん人が増えるとしても、最初の時点では人が少ないでしょう。そうなると対面授業をするにしても、クラスが編成できるかという問題がありますね。人数少ないからクラス内のレベル差が大きくなる問題はあるでしょう。徐々に増えてくるにつれてそれが解消されるとは思います。
ここで選択としては、そういう草莽期のゼロから立ち上がっていくワイルドな感じが好きだというなら早めに来て味わったらいいし、いやある程度品質を高めてと思うなら、ちょい待ったほうがいいかもしれないです。このあたりは、今の時点では誰もよくわからないと思いますねー。

★バイトとシェア
バイト探しは、そんなにハードではないでしょう。人手不足ですし。シェアも物件は増えてくるでしょうね(今は安いけど、だんだん上がるとは思うけど)。そこはそんなに心配はしてないです。

★総じて言えば、2年近く凍結してたんだけど、開放になって、さあ再開となっても、チンして解凍すればいいってもんでは「ない」ということに気をつけてください。
語学学校にせよ、カフェにせよ、ビジネスというのは物と人の融合体なので、収入が途絶えた時点で、家賃払えず撤去するとか、スタッフも休職ないしクビです。日本人カウンセラーも多くは失職してます。英語教師も、オーストラリアにいる限りプロとしての収入は得られにくいだろうから、早めにアジアとかヨーロッパにいってる人もいるだろう(英語教師というのは非英語圏の仕事はたくさんあるし、海外活動は大きなキャリアになる)。
チン解凍すればOKとかいうものではなく、またゼロから立ち上げ直しです。レストランだってそうだと思います。優秀なシェフ、バリスタ、ウェイターがいなくなったら、また探すのは大変ですもん。
(その意味で、本当は去年の7月に開放すべきだったと今でも思いますね。多少なりとも開放し続けてれば、収入もある程度はあるし、組織存続の方法はあったけど、2年近くゼロだったらどんなビジネスでもかなりヤバい)。

よって、そのあたりは暗中模索になるでしょう。
僕の一括パックも、これまでのように、決まりきった手順でやるというよりも、一緒に歩いて、一緒に考えてやるような感じになるでしょうね。そうせざるを得ないし、そうした方が確実だし。それはそれで面白いよね。

ただね、オーストラリアそのものは何も変わらんです。その自然も、人々も。
大体、留学エージェント的な立場でこんなこと言ってはいけないのかもしれないけど、留学だのなんだのいうけど、勉強が第一目的ではないでしょ?「海外」という環境に揉まれること、視野をバコーンと広げること等がメインだと思います。特にワーホリさんはそう。留学→労働→永住コースを考えてる人は、これから先の波浪の高さ&激しさを考えれば、この程度の流動的な状況などさざ波レベルですので、いい予行練習になるんじゃないかなー。

結局何一つ明瞭にわかることはないのですけど、それでも、こういう視点で見ておくべきかもって視点をいくつか出しておきます。ご参考になれば。

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