New Face : 秋葉小夏さん

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前回のMakiさんの帰国の数日後、秋葉さんがWHとしてやってこられました。出国直前に帰国直後のMakiさんともお話したそうです。まさに「往来」(往く人来る人)。秋葉さんはおっとりしているんだけど、行動力が旺盛で、東京でのお花見オフにも、僕が帰国時の南砂町オフにも中野オフにも参加されてます。今度のシドニーオフにも参加予定。

秋葉さんは、東京でSE(システムエンジニア)として稼働しておられました。英語もわりと出来るので、オーストラリアで稼働してキャリアップできないかって打診がまずありました。最初は僕にではなく、秋葉さんのご親戚の方がオーストラリアに長く在住されており、その方へ相談でした。一方、その親戚の方と僕とはかねてよりメル友みたいな関係があったので、意見を求められ、率直に(長々と)お返ししたところ、そのメールが転送され、秋葉さんとつながることになります。

ま、そんな細かい経緯は本筋とは関係ないんですけど、ただ印象的だったのは秋葉さんとのやりとりです。IT系で職を得るのは不可能ではないが難しい、なんせ世界中のライバルがひしめきあってるから競争率が激しい。でもITやコンピューターが好きで好きでたまらず、ことの成否は度外視してチャレンジすることに意味があるならどんどんやればいいけど、そこまで好きでないなら、狭い領域の専門技術のキャリアアップよりも、全てのベースになる人間力アップを考えた方が良いし、WHをするならその方が理にかなっているとかなんとか、まあいつも書いてるような話ですけど。

面白いのは、そのときの秋葉さんのお返事で、「その後もう一度じっくりなぜ行きたいのか考え直し、ITの仕事はこれっぽちもしたくないという結論に至りました。できれば色々な街を渡り歩くような生活をしてみたいと考えています。」と返してくれたところです。この「これっぽっちも」というところで思わず笑ってしまいました。おお、話せるじゃん、と。

渡豪前の相談メールは、もう何百通も、どうかしたら何千通ももらってますが(そりゃ30年もやってりゃね)、大体パターンがありまして、「なぜ行きたいのか(人間的情念部分)」と「行く実益と成功ルートはあるのか(将来投資価値)」という2つのテーマが渾然一体になってて、表面上でてくるのは後者が多い。ほとんどがそれ。大学在学中の場合は「帰国後の就活」に役に立つかとか、現在仕事中の場合は「帰国後の転職やキャリアップ」に有利かどうかとか。「役に立つ」「有利」という実益ベース、利害打算ベースです。

それは無理もないところで、生きていくのは大変だし、そのための戦略戦術も考えなきゃねってことで、それは全くその通りです。でも、日本に生まれ育って、いきなり「海外」って考える場合は、それも自発的に思うのは、そういうキャリアとか受験や就活の延長のような文脈ではなく、もっと言葉にならない「情動」がベースにあると思います。なんかもう、こんなところでチマチマやってても埒が明かないとか、「思い余ってちゃぶ台返し」みたいな感覚。仕事とかお金とかそんなものよりも、もっと大きな人生の感動というか、生きてる実感というか、何を言っても陳腐な表現にしかならんし、他人に言っても「いい年して、なにをガキみたいなことを」と冷笑されそうなこと。だから迂闊に口走るわけにもいかず、だから世間的に通りの良さげな「キャリア」「有利」とかいう表現で言ってるんだけど、本当はそうじゃないという。僕自身がそうでしたから、そこはよくわかります。

APLaCに来る人は、この情動部分がメインにきてることを自覚している人が多いです。「多い」というかほぼ全員そうじゃないかな。

ただ今の日本にそういう人(世間的なあれこれよりも自分の感性をメインに打ち出していく人)は少数派でしょうし、どんどん絶滅危惧種みたいになっていくのでしょう。はるか昔の海外組は情念派が多数派だったんだろうけど、それは海外=あの世みたいな時代で、半分死ぬ覚悟で海外に行ってた時代の話。
時が下ってどんどん海外ハードルが低くなるにつれ、そこまで悲壮な覚悟をしなくても行けちゃうし、世俗的な有利不利ベースの話になるのも無理ないでしょう。
それ以上に、ギラギラした生の情念そのものが希薄化してるような気もしますね。別になくなってるわけではないのだろうけど、ストレートに表現しなくなっているというか。もっとも、こっちに来ればわかりますが、世界的には情念派が多数派です。そういったナマの情念みたいなものが、英語以上に共通言語になるし、貨幣以上に通貨にもなる。

そんな背景があるので、秋葉さんの「これっぽっちも」という表現に笑ったわけですし、あ、ここにも仲間がいるぞと思えたわけですね。

さて、いつものようにシドニー空港でお迎えしてからの一連の写真を。
2つ前の記事にも載せた、いきなり空港から直行の買物講座の写真。
なんせ1豪ドル106円とか円安なので、なにをするにも厳しい。狂乱物価で値段は上がるわ、バイト探しも大変だわで、のほほんとやってたらすぐ破産しちゃう今日このごろ。とりあえずは1日10ドルあったら十分食べていけるだけのオススメ食材とか料理とか、それはどのスーパーのどのコーナーに売っているか、どうやって買うか(量り売りの英語表現やら、野菜の重さをセルフレジで測るやりかたやら)。

初日は、すんなり携帯電話も開通。Makiさんのときは携帯会社の不手際で2日くらい待たされて難産したけど、ああいうことは10年に一度くらいで、その後はいずれも順調。

翌日は学校見学と、恒例のシェア探し用の予行練習、バス電車の乗り方講座。
秋葉さんのYHAまで行くまでの途上のセントラル駅Railway Square。先週一週間曇天&雨天続きだったのが、爽快に晴れた。でもその分放射冷却で寒い。

まず拠点となるセントラル駅に行く。

↑上のグランドコンコースはおなじみでしょうけど、↓この下の写真は最近リニューアルして出来たところなので、昔のシドニー住人からしたら「え、ここ、セントラル駅なの?」と思うでしょうね。でも、こうなってしまうと、元がどうなっていたのか思い出せない。

それにリニューアルして便利になったのか?と言われると、あまりそうでもないです。僕としては、サウスコンコースのクソ長いトンネルの途中に改札を作って、直にホームに行かせてほしいんですけどね。改札まで延々歩かせて、改札くぐったら、また戻るとかあまりにも無駄過ぎるので。

タウンホールまで行くのにわざわざ遠回り(逆コース)を通ったのは、サーキュラキー駅の風景がいいから。

お約束のタウンホール

その後Chatswoodまで行く。このあたりもバイト先が多いし、ノースの拠点だし、

ChatswoodからMetroという路線に乗り換えてEppingまで、そしてEppingからStrathfieldまで。

Strarhfieldから、今度は超長距離バス移動で、小一時間かけてHurstvilleまで行く。450番バスの始点から終点まで。

これが今どき珍しい旧型車両。ちょっと見かけないくらいの。

やっとこさHurstvilleまで着いたところで、遅いランチ。南のチャイナタウン(と僕は呼んでる)で無数にある中華料理屋のなかから。
今日は、ラクサ。 中華でラクサは珍しいけど(タイなど東南アジアの料理)、ここのはちょいスパイシーでした。大体甘め(ココナッツミルクの甘さ)なんだけど。そしていつもの福建炒飯。福建炒飯は炒飯の上に中華丼みたいにあんかけ炒めが乗ってるもので、日本人の食べさせてまず間違いがない一品。

秋葉さん、乗り物酔いをするタチらしく、乗り物酔いの薬はあるかどうかを薬屋に一緒に行ってチェックしました。車酔いはcar sickness、船良いはsea sickness、その上位概念みたいな乗り物(全般の)酔いはmotion sicknessといいます。薬の箱に車とか船の絵が描いてあるからわかりやすい。

ちなみに他人が運転する車では酔っても、自分で運転して自分で酔ってる人はいない。おかしくないか?また、三半規管が揺れるから酔うのだったら、歩いていても酔っても不思議ではないけど(揺れることに変わりはない)、それは無い。そのあたりにヒントがあるような気がしますね。

さて、Hurstvilleからセントラル駅まで戻ったところで、ついでにチャイナタウンのアジア系食材スーパーまでいって、日本食材やらアジア食材をチェック。日本の製品は高いんだけど、冷凍うどん(結構使える)5玉6ドル、冷凍納豆3個で3ドルくらいだったらそれほど高くはない。ラーメンの乾燥麺だけ10個で3ドルくらいだから、これも使い勝手あります(焼きそばに使うとか)。真剣に探したら、結構安くて使えるものはたくさんあります。

さて翌日からシェア探しの旅が始まるのですけど、秋葉さん、ちゃっちゃと動いてさくっと決めてました。
サポートしてて思ったんだけど、秋葉さん、物静かだけど行動力は獰猛なくらいありますよね。結構満遍なく廻ってるし(Hornsbyよりも遠いアスキースまで行ってるし)、手を抜こうという素振りは一切ないし、Seven Hillでアポが途切れたところで、僕のサジェスチョンに応じて、Blacktownもみるし、その帰りにParramattaから長駆フェリー(River Cat)で帰って来るし、なかなか盛りだくさんな。
また、いわゆる「仕事が出来る」タイプだと思います。それは、最後の段階で候補を4つにしぼって比較対象するときに、自分で対照表を作ったのを見たときに思いました。会社でも仕事でも、これだけきちんと整理してくれたら、上司としては楽だわなー。

これだけ出来たら、一生仕事には困らんですよ。太鼓判をぽーんと押しておいてあげます(僕に押されたって効能はないかもですけど(笑))。
日本でバリバリやってる風な人でも、右も左もわからん外国に放り出されて、数日間に20件近く自力でバス電車乗りこなして(秋葉さんも激しくバスを乗り間違えたらしいが(笑))、見ず知らずの外人の家に行って、その人となりを見て、街の雰囲気を吟味し、条件を聞き、予算と照らし合わせ、候補を絞り、比較対象してみろって言われたら、なかなか出来ないですよ。

今回は過去に行った人の物件が何件か出てきて面白かったです。2年前の武田さんが行ったっぽいFivedock(違うかもしれないけど)、2012年に上谷さんがいったLindfield、あとからわかったんだけどSummer Hillの物件は過去に上越の笹川さんが行った物件だったようです。そして最終的に決めたのが、2019年に高見さんがいったEarlwoodでした。シェア移動のとき、僕はその家の犬と5年ぶりに再会したのでした。

さて一週間で楽しい我が家をゲットした秋葉さん、これからバイト探しですけど、この人だったら大丈夫でしょう。

以下、秋葉さん本人が撮影された写真を。

シェア探し初日に言ったお家。 玄関開けたらベッドという1番衝撃的なシェアでした(田村注釈:ここはMcMahon’s Ptというハーバーブリッジの北詰の超高級立地なんだけど、なぜか200ドル出てたもの。部屋=ベッドというのは広告文に載ってたし、シェアメイトがナイジェリア、ソロモン諸島、日本、中国というのも面白いとりあわせ。まあ最初にこれはハードル高いけど、こんなのもあるんだーといきなり視界が広がったとは思います)。


シェア探し中に見つけた花。私が一番好きな花でストレリチア(日本名は極楽鳥花)と言います。歩いて気分が上がりました。北に行くほどいっぱい生えててノースに住みたいなーと思いました。結局住んでないですけど。


Google Mapで道を調べながら歩いていて、転けそうになった道。 二次災害で死ぬな!というのはこれのことか!とハッとしました。木の生命力とそのままにしておくオーストラリアの国民性にもびっくりしました。

下の3枚は、Blacktownのどデカいショッピングセンター。 シェアのアポ取りに失敗して暇になった日で、田村さんの勧めで行ったところです。四方八方に通路が伸びているので迷路みたいでした。

ユニクロの写真は、こちらに来る前に短期のユニクロのバイトをしていた時は夏服を扱っていたので、こっちに来たら冬服ばかりで南半球に来たー!と言う気持ちになりました。

Blacktown-Parramatta-Circular Quayと帰ったときに乗ったフェリー。 ちょっと時間があったので、街の中をうろちょろしていたら乗ろうとしていた船が行ってしまい1時間待ちました。でも綺麗な夜景が見えて良かったです。ただ凍えるほど寒いので覚悟して乗らないと駄目ですね。

下の2枚は、YHAで一緒の部屋だった韓国人の女の子と一緒に行ったCircular Quayのフェスティバル。 花火見る予定だったんですけど打ち上げ場所を間違えて見ることができず、近くのステージの演奏を聴いて帰りました。

シェア先の風景

シェア先の犬たち、とても人懐っこくていい子たちです。温かいから湯たんぽ代わりになります。

オーナーが歓迎としてごちそうしてくれた日本食。もっと日本ものに近いお寿司もあったのですが、けっこう海外のSushiも好きなのでこのチョイスになりました。

以上です。

蛇足:もっぱら実践的な話ばかり集中してパーソナルな趣味話をやってる余裕はなかったんですけど、ひとつだけ。英文履歴書作ってる際にわかったのですが、秋葉さんはプロ野球観戦が趣味だそうです(巨人ファン)。今巨人の監督って誰?ときいたら阿部監督だということで、誰それ?みたいな感じで、全然話が続かなかったという(笑)。オーストラリアに来てからプロ野球も高校野球も全く接する機会がないので情報途絶が凄まじいことになってます。子供の頃は「巨人の星」に洗脳されてよく見てたけど、中学の頃から熱も醒めたし。もっとも日本に帰ったときに、何かの偶然(電器店の店頭など)で野球中継の画面を見ると懐かしいです。秋葉さんには、現在のプロ野球と観戦風景の楽しさについて一席語っていただきたいですね。

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