2023年初夏の日本帰省記(14) 私的ノート(2) 自炊研究

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前回滞在時(22年8月)に引き続き、空き家化した実家での自炊研究です。
前回は、本当に久しぶりの日本自炊で(親が健在時は食べるだけだった)、各品物の値ごろ感の激変、オートの落差に戸惑っていましたが、今回はもう少し先まで行ってみようかと。

肉類はオーストラリアのほうが質量・コスパともに良く、野菜も物によるけど概ねオーストラリアの方が割安(そうでない旬の野菜は日本の方が良い)。

お手軽で安い魚料理

だけど何と言っても魚です。これは日本の圧勝、、というほどのこともないけど、一人分をテキトーに調理するだけなら日本の方が全然楽だし、安い。オーストラリアのFishMarketなどは一尾まるごと系が多く、シマアジを捌いて刺し身にしたり、凝ってスズキの奉書焼き風(あくまで”風”、Taylorという魚を使うのは過去に何度か書いた)とかは良いが、大げさ過ぎる(だから最近は全然やってないなー)。

今回はやや目が慣れてきたこともあって、小分けにして売ってる安い魚に着目しました。これがイイんですよ~。

なぜ良いか?というと、オーストラリアで大衆食堂的な魚料理ってなかなか食べられない。せいぜい鯖の塩焼きくらいだけど、それだって結構な値段がする。アジの干物なんかまず無いし。だから余計に食べたくなるのですよねー。ああ、ブリの塩焼き食いて~って。

また、調理器具が無い。日本のガスレンジには魚を焼くためのグリルがあったりして(下底に水をいれたりするアレ)、めちゃくちゃ簡単。オーストラリアの家で魚なんかやこうとしても、まず網のゲットから大変だし、下手に焼いたら煙で火災報知器が鳴り響いたり、煙や匂いで近所で騒ぎになるリスクもある。だから、だいたいホイルでくるんでオーブンで蒸し焼きにして、最後にホイルをほどいて表面を炙って焦げ目をつけるとかやるしかない。でも、日本のグリルは放り込んでおけばOK。途中でひっくり返すくらいの手間しかかからないし、上がるのも速い。これはやらない手はないぞと。

そう思って見てみると、結構、お手頃の魚が、その日によってあるのですよねー。無い日もあるけど、大体はあるな。

小アジの塩焼き
まずはこれ。アジが3尾で98円、しかもさらに割引で78円。一尾あたり26円のリーズナブルさ。いってみようか。
軽く包丁を入れて、、って、ついゼイゴ(尾の付け根の棘が出てる部分)を取ってしまったけど、別に刺し身にするわけじゃないから、そのままで良かったわ。

軽く塩をふって、コンロに放り込んで、はい出来上がり~。スーパー簡単。
キッチンテーブルは、居候していた甥っ子の私物に占拠されて使えないので、スキャン作業をしている作業台でメシ。色気ないわー。おまけに適当にその辺の皿にしたら、病院食というか、刑務所食というか。でも、ま、てめーが食うだけだから気にならんけど。

チキンカツともやし炒めはあとで書きます。
アジの塩焼き、美味しかったですよ。こういうのが食べたいんだわ、海外居住者は。ま、オーストラリアでもアジはあるし(イエローテイル)、鮮度が良ければ刺し身もタタキも出来るけど、買いに行くのが面倒だし(普通のスーパーでは絶対に売ってない)、上述したように「焼き」が出来ない。だから結局無いのと同じ。

魚食い作法(?)のとおり、頭からまるかじり。ハラワタも取ってないし。目玉から脳みそから内蔵まで全部食うから意味があるって理屈はどうでもよくて、このくらい小さかったら苦味もないし、固くも無いです。歯がヤバい老人の僕でもOK。今回は、なんでもまるかじりで、骨も尻尾も全部ぺろりでした。
他のおかずと併用すれば、一回1尾でいいくらいで、3尾あるから3回分食べられた。

カレイの煮付け
焼き物ばっかではねーと思い、煮付けも。
お手頃なカレイの切り身が288円。肉厚な感じといい、いいじゃん。

煮付けはオーストラリアでよくやってたので(Ocean Perchとか、キンメダイぽくて(違うんだけど))、手慣れたもので。鍋に水、醤油、砂糖を入れて(分量テキトー)沸騰させてから魚を入れて、あとはグツグツちょっと煮込む。酒も味醂も使いません。使ったほうがいいんだろうけど、経験上、入れても入れなくても結果の味にそんな大差ないし、安い料理酒やみりんの化学合成なんたらをそこまでして使う理由もないだろうし。
魚に火が通るのはあっという間。鍋料理でもそうでしょ。問題はいかに味を染み込ませるか。だけど長くやると煮崩れる。強火にしてもダメ。とろ火で。汁を煮詰めると濃厚になっていいけど、面倒だからこんなもんで。右手前の切り身は鍋から移し替えるときに崩壊してしまった。
味噌汁の豆腐がやたら巨大なのはまたあとで書きます。

ぶりの塩焼き
これもよかったですね~。近所のイオンのスーパーでたまに売ってて。一切れ128円。大体二切れ買って、2回に分けて食べた。

こんな感じ。

ぶりの塩焼きが一番美味しくて、滞在中これだけリピートしました。

サンマの丸焼き
サンマはオーストラリアでも韓国系のショップにいくと冷凍であったりするんだけど、最近はどうかな?しばらく食べてなかったので、季節外れではあるのだけど、ちょい高いんだけど、割引になってるから食べてみるかと。

まあ、美味しかったですよ。サンマの味、懐かしいわ。
手前のゴハンは、釜飯の素が家を探索してたら出てきたので、使っちゃえで作ったものだが旨くなかった。これだったら自分で作ったほうが良かった(ゴハン炊くときに麺つゆ入れて、あと適当に具をいれるだけで出来る)。インスタントもんはダメっすね。

イワシの丸焼き
わりとイキの良さげな鰯があったので。そこそこ大きくて4尾で128円。
ミョウガは、オーストラリアにないので、なんとなく買ったもの。

鰯も当然頭から完食だけど、うーん、これなら手で捌いて、梅干しと紫蘇の葉で天ぷらにした方が良かったですね。でも揚げ物系は設備がないので次回へ持ち越しです。ミョウガは結局上手い使い道が見つからず、鰯焼きながらネットで検索したけどこれだというのにヒットせず、適当に他の野菜と炒めたもの。でもミョウガを入れた意味がなかった。次回の課題ね。

アジの干物
これはですね、アジの開きの干物が5枚で398円(1尾80円)なので、買ったものです。そこそこ持つので5回にわけて食べました。

えと、こんなもんだったかな?写真撮ってないやつもあった気がするが、きりないからこのくらいで。

その他の食材と料理~惣菜系
一品物の惣菜系ですが、弁当で買うよりも、弁当に入ってるオカズを別に買うという感じでちょろちょろ買ってました。カツ系があるとゴージャス感が違うし(視覚的にも味覚的にも)。

前回見たとき、これ個別に買うくらいだったら弁当買ったほうがいいじゃんって思ったのですが、そのくらいスーパーの弁当が豊富で値段もやすかったです。でも結局弁当は一個も買いませんでした。じーっと見てると、安いように見えて別にそうでもないなと。白米なんか自分で炊いた方が絶対安いし、保存剤もなにも入ってないし。あと一見ゴージャスに見えるオカズ群も、よくよく見るとちょっとだけだったし、別にいらんわって一品もあるしで。
だったら主役を張りそうなカツなど別に買えばいいじゃんということにしました。他のオカズとの組み合わせの関係もあるけど。

それに一回に全部食べるのではなく、2-3回に分けて食べると割り切ってやるとコストダウンします。日本の良いのは、ゴハンさえあれば、あと細々した一品が豊富にあるからです。味噌汁にせよ、冷奴にせよ、佃煮にせよ、なんとでもなる。
だからあんまり金かかってないです。1日3回にしても一食300円平均もかかってない。1日千円以下。月間で2万も使ってないでしょ(オフで外食する場合もあるしね)。といっても、その昔の貧乏学生時代は一食百円でやってたから、まだまだ甘いな、俺もって感じだけど、40年前に比べれば物価も流石に上がるわ(昨今に物価高ではなく40年スパンの)。

それと、昔懐かしい(学生時分お世話になってた)珉食の餃子が売ってて、しかも100円くらい。なぜかシューマイも100円くらいで、昨今の物価高も、40年の風雪にも耐え、リーズナブルなままだった。

味噌汁と豆腐
味噌汁はあるとうれしいのだけど、また探索の結果賞味期限の切れた(全然気にしないタチ)インスタント味噌汁(味噌の袋と具の袋が別れているもの)があって、それで作ってたけど、なんかしょぼい。そうだと思って、鍋に湯を沸かせて、インスタント味噌汁の具と味噌をいれ(多少お湯を多めにしてもいいくらいね)、さらにそこに具を自分でいれるというやり方にしました。インスタントが切れたら、味噌を入れればいいだけ(だし入りのがあったから、ほんといれるだけ)。
具は、インコちゃんのおさがりのほうれん草。
インコというのは、弟が母親を慰めるために二匹のセキセイインコを買ったらしのだが、母親は施設にいき、今はインコが実家の主になってしまった。弟は夜勤明けにやってきてインコの世話をするのだが(僕もやる)、その際、青菜をあげる。しかし、ちょい萎びてくるとインコは見向きもしない。海原雄山的に「こんなものが食えるか」と。ほうれん草大量に余る。僕が卵焼きの付け合せのソテーにしたり、味噌汁の具に入れるというわけです。
あと、豆腐。前回一番安い豆腐(47円くらいの)買って、「なにこれ?」というくらいまずかった(てか味がない)ので、今回は100円くらいのものを買って(美味しくはないが、まあ食える)。それを味噌汁にちびちび入れてました。
昔は、なんでも固定観念の虜になってて、豆腐はあけたら全部使い切るとか妄執にかられてたのですが、別に放置してても結構持つ。豆腐がダメになったら味的にすぐわかるし。保存剤の威力でしょう。本物だったら一日もたないんじゃないかな。ま、そんな本物なかなか手に入らないので、そこは妥協。また、カッコつけて、豆腐は手のひらにのせて、直に包丁で切って~とかいうのも、あれも一種の中二病だわな~と思えてきて、もうスプーンで豆腐をすくって鍋にポチャンと。食べてて気づいたのだけど、豆腐って綺麗に切らないほうが旨い気がする。スプーンで適当に(結構大きめに)固まりのままにしたほうが食感はいい(僕はその方が好み)。杏仁豆腐の塊をスプーンで食べるような感じのほうが好き。

野菜系
野菜は、前回8月と似たような時期だったので、ピーマンと茄子が安かったですねー。茄子とピーマン+鶏肉の炒めもの。

逆にジャガイモってキロ単位ではなく一個単位で売ってるのがカルチャーショックで。そんな均一の大きさになるわけないだろと。
葉っぱ系、サラダ系は、これはオーストラリアの方が旨いですよ。オーストラリアではドレッシングなんか、ついぞかけたことないけど(必要ないくらい素の味が良い)、日本のサラダは何かかけないとしんどい。JUNJUNとこのように無農薬でやればまた別なんだろうけど、一般ではそんなに食指が動かんかった。

その代わり、せっせと買ってたのがモヤシ。安いんだよね。48円とかさ。オーストラリアでは、まず普通になかなか売ってない(Bean Sproutという)。中国、韓国系のショップまで行かないと無い。でもって高い。200円くらいする(量も倍くらいあるけど)。でも、日本では、手頃な量で50円を切るわけで、重宝しますねー。
野菜炒めは適当に切って炒めればいいだけなんで、楽です。塩コショウでいいし。玉ねぎいれて、じっくり炒めると甘みが出るので、それで十分味付けになるし。肉も入れて、味を濃いめにしたかったら、醤油でも、あるいはコンソメ(スープストック)でもいいですね。

最初の頃はオカズ一品とかだったけど、だんだん蓄積し、複雑化し(昨日からの余り物があったり、ゴハンの友が増えたり)、最後の方はこんな感じに。

という具合にあれこれ研究は進んだのでした。
次回の野望は、油の処理用のあれこれが見つからなかったので出来なかった「揚げ物」です。使い残した油を入れておく油缶とか、揚げ物用の鍋とか揃えて挑みたいですねー。揚げ物が出来るようになると、とりあえず超簡単な天ぷらがすぐ出来る。ただの蕎麦が天ぷらそばになるし、天ざるうどんもできる。鰯の梅紫蘇巻揚げも出来る。多少面倒だけど、作り置きしておけば、パン粉系=カツ系の揚げ物がすぐ出来る。惣菜買うよりも安い。がんばろー。

最後に、今回一番がっかりというか、美味しくなかったものは、京都に戻った初日の夜に買ってきた吉野家の牛丼でした。

この日は、東京でのオフが一段落し、伊丹空港に降り立ち、京都駅から大荷物抱えて歯医者に直行し、予約を取り、ようやく一段落ってときに、なんも食べるものがないので近所で買ってきたものです。
吉野家の牛丼って、僕が高校の頃(吉野家がブレイクした頃)から食べてるけど、だいたいいつも味が同じで、それこそ安定の味だったのですけど、今度ばかりはあからさまに味が劣化してました。肉はあるんだけど、味が違う。玉ねぎもすくなかったのかな。はっきりいって吉牛は、肉の旨さではなく、タレの旨さがポイントだと思うんだけど、これは違うだろーって感じで。
たまたまこの店がそうだったのか、全体的に傾向なのか。
中野オフのときに、航平くんとその話したけど、彼も味が落ちたと言ってた、、、ような気がする(すまん、記憶が定かではないが、ネギが少なくなったことは言及していた)。どうなんですかね?

しかし600円(大盛り)も出してこれかよ(ま、外食にしては安いんだけど)と思うと、やっぱ自炊にいきますね。外食は火サスみたいに一回完結なんだけど、自炊は連ドラですからねー、ちょっと張り込んでも多めに作っておけば、翌日の昼メシもそれでいけますから、トータルで安いのですよ。長持ちオカズが重畳的に増えてくると、新たに作る手間も減ってくるし。

 

 

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