中村友哉くん来訪

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過日、以前お世話した中村友哉くんが、シドニーまで遊びに来てきて、そのついでに僕のGlebeのオフィスに遊びに来てくれました。

中村くんはコロナ前に来られたワーホリ(当時まだ大学生)で、三重の渡辺JUNJUN氏や尾崎さんの塾経由で来られた人です。田中聖人くんにせよ、今の渡邉匠くんにせよ、かつての下村くんにせよ。

中村くんが来られたのは、えーと、2019年の8月ですね。
http://blog.aplac.net/2019/08/31/new-face-nakamura-tomoya/

来て半年くらいで、例のコロナが始まって、大学を卒業せねばということで帰国。卒業して貿易会社に入って稼働。自動車の輸出などをやってる会社で、港に行っては、何千台もの車の積み込み事務などをやっていたそうです。現場にいることが多くて、その影響だかなんだか、タバコとパチンコを覚えたとか(笑)。

が、4月に入って12月にはもう退社。
別に会社の何が悪かったわけでもなく、人間関係も良いし、仕事もそこそこ面白いし、給与もいまどきの水準からすれば結構良い方だったそうです。だけど辞めた。
理由は、ずっとこれをやるのかーと思うと、もうやる気が無くなったという(笑)。

そういえば、彼は、ワーホリ当時のジャパレスも3日で辞めてましたね。仕事が辛いとは全然思わなかったんだけど、「つまらん」と。
で、何をしたかというと、AirTasker(オンラインでの単発個人ヘルプ=草刈りとかペンキ塗りとか引っ越しの手伝いとか)で、これが意外と近所(ノースのGreenwich、過去何人かいってるドンさんの森の中のシェア)であって、またオージー直取引なので金持ちオージーの感覚で払ってくれるから(あやふやな記憶だけど時給50ドルとか破格な)、件数は少なくても死なない程度には食えたという。

そのとき同じ感じ?と聞くと、まったくそうらしいです。
ジャパレス辞めたときに、周囲からは総スカンを食って、仕事や人生なめてるとか言われて、誰からも口をきいてもらえない位だったらしいけど、彼はそういうのは全く気にしないそうです。勝手に言ってりゃいいやって感じで、そういうことを気にする神経が無い(ことはないんだろうが、一般の日本人に比較してわりと少ない)。
実際、固定収入が無くなったのでしんどかったそうだけど、だからといって辞めたのを後悔したかといえば、全く後悔しなかったと。

あはは、何となくわかるわ。僕自身そういうところがありますから。
僕も弁護士辞めたことを後悔したことはないし、後になってやっぱ復職しようかなと真剣に思ったことは一度もないです。「あれは、もういいわ」って感じで、それ以上深く考えたことがない。彼もそうなのでしょう。

辞めてどうするの?というと、今度は芸人になりたいそうです。すでにこの4月から吉本のNSCに入るらしいです。
ほー?ええやん、とか軽く考えてしまう僕ですが、別にそれで大金持ちになりたいとかいうわけではないんでしょ?というと、そういう打算はほとんどなくて、一回やってみたかったから(結構昔からそういう思いはあったそうで)です。今やらんと、もうできなくなるしってことで。

そんな「無謀」なことをよくやるなーと思う人もいるだろうけど、いや、でもそんなもんじゃないですかね?
中村くんが僕と同じ系統なのかどうかは知らないけど、僕の感覚でいうと、
(1)前職が別にイヤなわけではない。辛いから辞めるというのでもない。ただそこに限定、固定、決定されてしまうのが哀しい。
(2)次の進路は別に安定確実である必要はないし、経済的その他で有利である必要もない。そもそも決まっている必要もない。「なんかもっと他に(生き方が)あるんじゃないの?」「それを見てみたい、試してみたい」って気持ちが抑えられなくなる。HPのAbout usで書いたように「裏番組はどうなってるのか、知りたかった」という感じ。

これに付け加えると、
(3)多分の他の生き方があるはず、そして、「自分だったらできるんじゃないか」という根拠のない確信がある、という点です。
今思うに、多分に生理的欲求に近いです。喉が乾いたから水を飲む的な、じっと家に閉じこもって鬱屈したから外にでて散歩してくるとか。生理的なものだから、欲求が満たされればそれでよく、それによって生計が立つとか、社会的地位がとか、そんなのはどうでもいい。水飲んで、散歩したからどうだというのだ?くらいの感じです。

で、思うのは、そういう生理的欲求が起きる人とというのは、多分、それが出来てしまう人(いわゆる「成功」するかではなく、その方向でそこそこ戦っていける)、それだけの潜在的な力がある人なんだろうな。
なぜなら、自分の能力の射程距離にあるからこそ、やりたいと思うのであって、最初から自分には無理だと思ってることは、やりたいとも思わない。これは人生計画とか戦略とかカチッとしたことじゃなくて、子供の頃の感覚に近い。あの頃、意味もなく冒険心一発で塀の上から飛び降りたり、けっこうな崖をよじ登ったりして遊んでましたけど、じっと見てて「このくらいだったら、イケるんじゃないか?」って腹積もりができると、試してみたくなる。その感覚に近い。だから同じ飛び降りにせよ、屋上から飛び降りようとは全然思わない。ダメに決まってるし。「がんばりゃいけるんじゃないかな?」ってあたりの感覚があるかどうかですね。

そして、一旦それが頭の中に入ってしまったら、もう試さないわけにはいかなくなる。これはもう生理的欲求に近いです。

ところでNSCといえば、かつてここの卒業生の人がワーホリで来たことありました。めちゃくちゃ厳しかったそうですけど、いい経験になったようです。「虎の穴」みたいなもんだろうしなー(て、知らんか)。

今回は4月からの転身を前に、オーストラリアに心機一転の休養で、この地で知り合った友達に会いに来たそうです。

数年ぶりに会えて良かったです。また僕が帰国した節にはオフで(時間があえば)お会いしましょー。

冒頭の写真はリラックスしたあとのものだけど、これ↓は着いたばかりで、お久しぶりで緊張してる時点のもの。あかん、表情が固いわっていって、最後の方に撮り直したら冒頭のようないい写真になりましたー。

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